ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2011.08.10]
From Nagoya -名古屋-

様々な表情を見せた越智久美子の『ライモンダ』

振付・指導:タチヤナ・タヤキナ、越智久美子、ワディム・ソロマハ、越智友則
越智インターナショナルバレエ
nagoya1108a01.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪)

越智インターナショナルバレエによる、第28回フレッシュバレリーナフェスティバル バレエ21世紀公演 No.15 カーニバル2011は、その名の通り、フレッシュな若手バレリーナやその卵たちが、それぞれヴァリエーションなどを披露する舞台。今回、そこにバレエ団を代表するダンサーたちも加わって華やかな公演となった。
まずPart1、『コッペリア』の曲を使ってレッスンの成果であるバレエの基礎を見せる作品がオープニング的に上演され、その後、可愛らしいヴァリエーションが続いた。
そして、このPart1のラストは越智友則が踊った『Solo For Two Chairs』。スロベニア国立バレエ団芸術監督のエドワード・クルグが、2001年に越智友則がモスクワ国際コンクールに出場するためのコンテンポラリーとして、彼のために振付けた作品。この時、越智友則はシニア部門の3位を受賞している。私はエドワード・クルグの別の作品を二年前にシュツットガルト・バレエで観て印象に残っていて、良い振付家だと感じていたのだが、この『Solo For Two Chairs』もやはり、越智のダンサーとしての特長を活かした良い作品だった。2つのイスを使った速さと滑らかさが共存する動き、流れる身体の残像が目に焼き付くような──焦っているようでもあり、翻弄されているようでもある──そんな複雑な感情がダンサーから伝わって来た。個人的に、越智友則が(私が観た範囲での)クラシックを踊る時よりも輝いていると感じた。

nagoya1108a03.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪)

Part2は、Part1よりも成長したフレッシュなバレリーナたちによるヴァリエーションの数々。スタイルの良いダンサーたちが多いことが印象的。そのラストは、渡辺梢と越智友則による『パリの炎』よりパ・ド・ドゥ。2人ともクラシックのテクニックをプロらしく余裕を持って披露。渡辺の楽しげな踊りも良い。
そしてラストは『ライモンダ』婚礼の場よりグラン・パ・ド・ドゥ。コール・ド・バレエ付きで、ライモンダを越智久美子、ジャン・ド・ブリエンヌをワディム・ソロマハが踊った。大人の憂いと気品を持った淑女と、のびやかで爽やかな好青年という印象。越智久美子の女性ヴァリエーションは、にらみが効いていたり、陶酔感があったり……と、さまざまな表情を見せ、その存在感の大きさはさすが。今回も大人だからこその魅力を満喫させてもらった。
(2011年7月26日 名古屋市芸術創造センター)

nagoya1108a02.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪) nagoya1108a04.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪)
nagoya1108a07.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪) nagoya1108a12.jpg 撮影:田中 聡(テス大阪)