ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2010.03.10]
From Nagoya -名古屋-

まことクラブが名古屋市の円頓寺商店街でパフォーマンス

「まことクラブかけぬけ下町商店街」
まことクラブ
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「あいちトリエンナーレ2010」に向けて、愛知県6か所を会場にさまざまなアートに触れる機会をと企画された「あいちアートの森」。100名以上の現代美術作家の展覧会の他に、それぞれの“場”を活かしての演奏やダンスが昨年12月~今年2月に渡って催された。そのうちの一つが、この「まことクラブかけぬけ下町商店街」。
円頓寺商店街は、名古屋駅から地下鉄で1駅の国際センター前駅から歩くことができる距離と都会の真ん中に位置しながら、名古屋駅周辺とはガラっと雰囲気が変わって下町らしい商店街だ。昔からありそうなお肉屋さん、くつ屋さん、酒屋さんに喫茶店等々、それに心のふるさとのような金比羅神社……日本全国どこの街に行ってもこういった場所はありそうな、何十年も前の広告看板が残されていて誰もが懐かしさを覚えそうなところ。シャッターが閉まっている店が目に付くのが淋しいところだが、それもまた、今、日本全国どこにでもある光景といえる。
ここで行われたパフォーマンスは、まことクラブのメンバーがショッキングピンクの旗を持って観光ガイドのように商店街を案内してまわるというもので、各お店では、商店街の方とダンサーが入り交じって、それぞれコミカルだったりシュールだったりと独特のパフォーマンスを繰り広げている。一緒にまわっている私たちと同じく観客であろうおじさんが妙に饒舌で大きな声で笑ったり喜んだりしながら私にも何度も話しかけられるのに返事しながら「このおじさんは本当に観客なんだろうか?」と、境目が分からなくなりながら楽しんだ。商店街の歌を作って披露したりしながら、パフォーマンスのラストに向かって盛り上げていく手法はさすがで、鍛えられた身体でのキレのある動きも普段ダンスを観ない方の目を引く迫力がきちんとあるのが良い。
今、日本では、劇場でダンスを観る習慣のある人の割合はかなり低いのではないかと思う。でも、囲われた劇場ではないところにダンサーが出ていって、街の人を振り向かせることが出来れば、少しずつ変わっていく可能性があるのではないかと思わせてくれた。同時にシャッターが閉まった店が増える商店街にとっても、魅力を再発見する良い機会になるかも知れない。
(2010年2月11日 名古屋・円頓寺商店街)

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撮影:加藤 光
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