ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2008.01.10]
From Osaka -大阪-

藤原バレエアカデミー、20回目の「ダンス・トゥループ」

 大人になっても仕事をしながらバレエを続ける人や大人になってバレエを始めた人、子供たちまでが出演しての舞台、藤原バレエアカデミーの『ダンス・トゥループ』が記念すべき20回目を迎えた。20年以上前から続けられて来たイベントで、今でこそ、大人が趣味として出演する舞台も増えているが、20年以上前はそんな機会はあまりなかったのではないだろうか。これは、そんな機会を与え続けてきたイベントということになる。もちろん、教師など、プロ級の人も共に出演しての舞台。
 幕開きの『パラード』は深川秀夫振付、音楽はサティ。はじめに“20”という形の花のオブジェを深川自身が舞台中央に持ってきたのは、観ていて微笑ましかった。グラン・パ・ド・ドゥや、ヴァリエーションが続くなかで、新しい作品は振付をした錦見真樹も共に踊った大人の演目『Dance at the Gym』、ウエストサイドストーリーの中の、バーンスタインの音楽を使った作品。体育館で踊っているように気兼ねなくのびやかに“踊りたい”と創ったそう。アメリカンテイストたっぷりで、大人の魅力を活かしたおしゃれな感じが良かった。
 最後の演目は深川秀夫振付『3人のキトリ』。全幕のドン・キホーテから、踊りの部分を中心に抜きだして、キトリ(&ドルシネア)を、場面によって3人に分けて1幕として構成した作品。テンポよく場面が進むので観客を飽きさせない。また、民族舞踊や演劇的なシーンもあるので、今回のように、さまざまなレベルの踊り手が混在している場合も、気持ちをひとつにすると、観客を楽しませる舞台に仕上がる。バジルは、この作品を何度も踊って熟知している大寺資二。 1幕のキトリは斎藤由佳。彼女も深川作品への主演は多いダンサー。恋の駆け引きの演技も細かい目の表情までよく組み立てられて、踊りも良いが表現力もさすが。ドルシネア姫は、田中千鶴。経験を重ねてきたような落ち着きから来る魅力が感じられた、愛の妖精キューピットの今清水綸子も素直な踊りに好感が持てた。3幕のキトリは、水上嘉子。堂々とした雰囲気のグラン・パ・ド・ドゥを魅せてくれた。
(11月23日 大阪厚生年金会館芸術ホール)