ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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唐津 絵理 text by Atsuko Suzuna 
[2007.05.10]
From Nagoya -名古屋-

なんとなく「4月は劇場公演が少ないな」、って・・・

 なんとなく「4月は劇場公演が少ないな」、って思われたことはないでしょうか? 日本での新年度のはじまりは4月。だから公共ホールの関わる公演は、人事異動やなんのかのと、新学期が始まったばかりの4月には開催しにくい。
そんなわけで、今月は、いち早く東海地域で今年開催される公演の先取り情報を、大人気の男性アーティストにフォーカスをあてる。
まず最初は、男性だけのダンスカンパニーのコンドルズ。まだまだ社会的認知度の低いコンテンポラリー・ダンス界の中で圧倒的な集客力と独自性を誇るコンドルズ。彼らがバンド活動を行っているのをご存知だろうか?
「THE CONDORS」というバンドのツアーの大阪公演があるというので早速足を運んでみた。大阪駅の程近く、ライブハウスにはオールスタンドということもあって、所狭しと立ちつくす観客の姿。THE CONDORSのテーマソングにのってメンバーが現れ、約90分、音楽の演奏を中心に、熱気のあるパフォーマンスを繰り広げた。
THE CONDORSメンバーによる、作詞も作曲もオリジナルのロック・ミュージックが中心のライブ。しかしそこはコンドルズのバンドだ。それだけでは終わらない。コント、弾き語り、踊りありと、舞台公演とも遜色なく、まさにコンドルズ舞台公演の音楽バージョンになっていた。コンドルズ春の東京公演『太陽にくちづけ7』同様、とことん観られることを意識している態度が素晴らしい。観客にどう見てもらうのか、観客の視線に徹頭徹尾こだわること、それがコンドルズの人気の秘密なんだと、この音楽ライヴでもあらためて感じた。

『森の中のパレード』
 これまでコンドルズの愛知公演は、万博イベントとして開催された『森の中のパレード』(愛知芸術文化センター、万博会場)などがあるが、今年は、11月になんと2回もの大きな舞台が待ち構えている。まずは、愛知芸術文化センターの15周年記念事業の「千人のパフォーマンス(仮称)」。
 11月1日、15周年の誕生日をコンドルズと一緒に祝おう、ということで、コンドルズの舞台同様に、さまざまな趣向で構成される予定だ。出演も、コンドルズのメンバーのほかに、THE CONDORSのメンバー、そして『森の中のパレード』で出演した子どもたちや、ダンサーやミュージシャンの出演公募も行う予定。異ジャンルのアーティストの集団だからこそ可能な、ワークショップを重ねて作品を創作する予定。(詳細は後日発表)コンドルズとTHE CONDORSが同じ舞台に立つのは初めてのことだというから、それだけでもどんな舞台になるか、楽しみである。
 さらに11月23日には、愛知県の北部に位置する春日井市民会館にて、コンドルズ初の愛知公演が行われるという。恒例のコンドルズ夏のツアーの一貫ということだから、コンドルズの魅力がぎっちり詰まっているはず。11月はコンドルズの魅力を存分に味わってみよう。


『Namida君』より
 そして、もうひとりのお薦めは、最近テレビに舞台にと大活躍の森山開次だ。5月26日には『ラヴ』(名鉄ホール)にて、ミュージカルに出演、歌にも初挑戦するという。踊りに演技に歌にと、ますます活躍の場を広げている彼だが、本業のダンス公演でも、もちろん愛知に登場してくれる。11月14日開催の愛知県芸術劇場大ホールの舞台では、幻想の魔術師、インバル・ピントとの夢のコラボレーションが実現する。
かつて一度だけ共演した経験があり、待望の再会ということだから、今回の舞台ではがっちりと組んで、素敵な舞台を創りだしてくれるに違いない。
また、6月ヴィネチア・ビエンナーレに招待出演が決定している森山。今回はヴェネチア・ビエンナーレに正式にダンス部門が設立されて初めての公演となる。ここには、森山の力強いパートナーとして、音楽家の笠松泰洋とヴァイオリニストの室屋光一郎が参戦。このコンビは、2月に開催された『ハムレット~幻鏡のオフィーリア』で、愛知の観客にも素晴らしい旋律を聞かせてくれたばかり。また新たな森山の魅力を引き出してくれることだろう。そして、この新作ソロの日本公演も決定したという。2月28~3月2日の東京公演のほか、名古屋公演も検討してくれているというので、森山開次の再登場に期待したい。