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桜井 多佳子 text by Takako Sakurai 
[2004.11.10]
From Osaka -大阪-

日韓合同バレエ公演『眠れる森の美女』

 日本・韓国のバレエ協会の合同公演で、韓国から12人のダンサーが来日した。主役は初日(10月14日)を韓国ペア、2日目(15日)を日本人ペアが演じた。韓流ブームを反映して企画されたわけではないが、時機を得た公演といえるだろう。主催は文化庁舞台芸術国際フェスティバル実行委員会。

 所見した初日は、プロローグの妖精や第3幕の宝石の精(ここではパ・ド・カトル)を関西のダンサーが演じていた。リラの精は両日とも田中ルリ。柔らかな上半身が優しさを、ステップの正確さが正義感を伝えるよう。適役だった。
 第1幕で登場したオーロラ姫=ファン・へミンは、清楚で愛らしい。ヘルシンキのコンクールなどでこの人の踊りは何度か見ているが、そのころより、かなり痩せたのが気になった。第2幕で、いよいよ王子の登場。王子役オム・チェヨンは長身で甘いマスク、客席からは「バレエ界のヨン様」という声がささやかれるほどだった。動きが少々不安定だったのが残念。

 第3幕の、フロリナ王女&青い鳥は、イ・ミンジョン&チョー・ミンヨン。女性(ミンジョン)はスタイルがよく、華やかさももつ。男性(ミンヨン)は技術力のあるダンサーだが緊張のためか実力を発揮できなかった様子。白い猫の内藤夕紀は愛らしく、長靴を履いた猫の脇塚力もチャーミング。楠本理江香らパ・ド・カトルの伸びやかな動きが心地よかった。

リラの精 田中ルリ
韓国ペア主演10月14日公演より


 韓国のバレエはあまり日本では知られていないが、韓国国立バレエ団の初代芸術監督の故・林聖男は服部・島田バレエ団の出身だったし、前芸術監督チェ・テイジは在日韓国人で貝谷バレエ団出身。日本とは密接な関係をもつ。変わらない外見の日本人と韓国人なので、合同公演でも違和感はなく、表現力の違いなどで刺激を受けあうことはできる。日韓バレエの交流はさまざまな形で可能性を秘めているのではないだろうか。
 なお2日目は、主役ペア=岩田唯起子&法村圭緒、白い猫&長靴を履いた猫=キム・ナウン&ハン・ピルソン、フロリナ王女と青い鳥=江川由華&恵谷彰らのキャストで上演された。

日本人ペア主演10月15日公演より


両日とも堤俊作指揮、ロイヤル・メトロポリタン管弦楽団演奏。(神戸国際会館)