舞台『SWAN―Ballet cross Reading―』の主要バレエキャストが集結! バレエリハーサル&コメントリポート
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ワールドレポート/東京
小野寺 悦子 Text by Etsuko Onodera
シリーズ累計発行部数2200万部の大ベストセラー・有吉京子のバレエ漫画『SWAN-白鳥-』を、役者によるリーディングとバレエダンサーのダンスで描く『SWAN―Ballet cross Reading―』。脚本・演出は数々の話題作を手がける小林香が、バレエ監修・振付は新国立劇場バレエ団を経て現在はフリーのダンサー・振付家として活躍する福田圭吾が、キャストにはバレエ団の枠を超え豪華スターダンサーが集結する一大プロジェクトで、今バレエ界の注目を集めている。
都内スタジオで初の大規模バレエリハーサルが行われたこの日、バレエ監修・振付の福田のもと、聖真澄役の飯島望未、塩谷綾菜(スターダンサーズ・バレエ団)、柴山紗帆(新国立劇場バレエ団)、京極小夜子役の木村優里(新国立劇場バレエ団)、米沢唯(新国立劇場バレエ団)、成田紗弥、亜鷺悠加/ラリサ・マクシモーヴァ役の中野伶美、草壁飛翔役の秋元康臣、柳沢葵役の中島瑞生(新国立劇場バレエ団)、アレクセイ・セルゲイエフ役の厚地康雄、菊地研が参加。バレエキャストはトリプル・ダブルキャストとなり、これまでは役ごとのリハーサルが行われてきたが、ここまでキャストが集まるのは今回が初めてだという。

物語の主人公は聖真澄。アレクセイ・セルゲイエフとマヤ・プリセツカヤのバレエ公演を観るために北海道から上京し、感銘を受けた真澄は、楽屋に飛び込みセルゲイエフの前でブラックスワンを踊る。セルゲイエフは真澄に才能を感じ、彼女は日本バレエ協会主催のコンクールに出場することに。そんななか、京極小夜子や亜鷺悠加、草壁飛翔、柳沢葵ら若手ダンサーと出会いーー。
リハーサルのメインとなったのが、真澄、小夜子、悠加の3人が、選考会でボリショイ・バレエ団のセルゲイエフと『眠れる森の美女』のパ・ド・ドゥを踊るシーン。オーロラのパ・ド・ドゥは意外な演出で、これは本作ならではの試みとなる。
キャストは全員が主役級のスター・ダンサーで、ズラリとスタジオに並ぶと何とも圧巻。映像に真剣に見入り、パを確認するダンサーたちの眼差しは真剣そのものだ。
ダンサーたちが見守るなか、キャストが一人一人中央で踊る。そんななか、「緊張する!」と人気プリンシパルがつぶやく姿も。
真澄と小夜子、悠加はバレエ学校の生徒という役どころで、才能はあれど、まだまだバレエダンサーとしては原石だ。一方キャストの実力はすさまじく、普段ペアを組まない相手でも、軽くあわせただけでリフトもさらりとこなしてしまう。その完成された技量に、福田から「(上手すぎるから)もうちょっと抑えて!」との指示も。リハーサルは終始和やかな雰囲気で、最後に「OK!」の声がかかると、自然と拍手が沸き起こっていた。


京極小夜子役の米沢唯と成田紗弥、そしてバレエ監修・振付の福田圭吾にリハーサルの手応えを聞いた。
成田紗弥
「京極小夜子は生まれながらのバレリーナというイメージ。彼女はケガをするけれど、私自身もやはり一年前大きなケガをして、カンパニーを退団することになりました。ただ少し休んだら良くなって、上手く付き合いながら、今はフリーランスとして踊っています。ケガをして思ったのは、踊れる期間は限られている、だから踊れるうちはどんどん踊ろう、ということ。踊るのはやっぱり楽しいですね。
福田さんとの出会いは退団後で、知人の紹介で福田さんのクラスを受けに行きました。そこで福田さんに「9月の初め、あいてない?」「じゃあ、詳細は追って!」と声をかけられて。その時は、まさかこんなメンバーが集まる公演だとは思ってもいませんでした。
福田さんの振付作品を踊るのは初めてです。古典作品のシーンはロシアバレエのスタイルなので、オーソドックスな基礎を忠実に踊らなければと思っています。コンテンポラリーのシーンも出てきますが、韓国のバレエ団にいたときはナチョ・ドゥアトなどコンテのプロダクションも踊っていたので、苦手ではないと思います。ただ、だいぶ時間があいたので、どうなるか......。
キャストのみなさん、半分以上の方が初めましてです。現場は楽しく、もう本当に眼福です。勉強になるし、みなさんを見ているだけで幸せで。これまで個別にリハーサルをしていたので、今日こうやって繋がっていくんだというのがやっと目に見えてきた感じ。すごい舞台になりそうだなって、期待が高まっています」
米沢唯
「漫画『SWAN-白鳥-』の絵が大好き! 高校生のときに友達に借りて学校で読んでいました。少女漫画できらきらしているけれど、中身はスポ根で、すごく好きな漫画です。なかでも京極小夜子は大ケガをしてしまう印象的なキャラクター。当時はすごく大人の女性だと思っていたけれど、考えたらまだ10代なんですよね。
圭吾さんに「小夜子役で」と声をかけていただきました。彼とは本当に長い付き合いで、10代の頃からコンクールでよく会っていて、ローザンヌ国際バレエコンクールも一緒に参加していました。『SWAN-白鳥-』のように競争の世界を一緒に生きてきて、いつのまにか同じバレエ団で踊り、こうしてまた作品でご一緒してる。なんだか不思議です。
圭吾さんの振付は踊りやすく、いつもダンサーに寄り添ってくださいます。彼のスタイルは、何度も作品を踊ってきたなかでよく理解しているつもりです。今はクラシックのシーンを創っているところで、この先コンテンポラリーも組み合わせていくと聞いています。今から楽しみにしています」
福田圭吾
「最初にこのお話をいただいたときは、もっと気軽に考えていて、演劇作品のダンスシーンか、楽しそう! と思っていたんです。だけど実際に始まってみると、根強い『SWAN-白鳥-』ファンの方々もたくさんいて、反響がすごい。これは大変だ、しっかりしなければ!と、改めて気を引き締めています。
雑誌『SWAN MAGAZINE』に何度か出たことがあって、漫画『Maia まいあ -SWAN act II-』は読んでいました。まいあが真澄の娘だということを、今回初めて知りました(笑)。漫画の世界を表現するので、ビジュアルを重視し、役ごとに声をかけていきました。忙しい時期だけど、これだけのメンバーが集まってくれて、ありがたいですね。
今は台本に基づいてクリエイションを進めている段階です。例えば『眠れる森の美女』など古典作品の部分は基本クラシックで、古典のパを用いて表現します。漫画原作がボリショイ・バレエ団のアレクセイ先生が指導に来ているという設定なので、ボリショイのメソッドを意識しながら創ろうと考えています。ただ普通のバレエの舞台ではないので、せっかくなら見たことのないようなことにチャレンジしたい。『眠れる森の美女』のパ・ド・ドゥは、ある意味豪華なシーンになっています。
ダンサーも踊るだけではなく、普段の稽古のシーンなどはナチュラルなお芝居が必要になってくる。ダンサーにとっても新しい挑戦になるでしょう。本当に未知な作品で、新しいエンタテインメントが生まれるのではないかと思っています」

『SWAN -Ballet cross Reading-』
2026年9月4日~9日
新国立劇場 中劇場
https://swan-balletcrossreading.com/
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