ホフェッシュ・シェクター・カンパニーの話題作『Theatre of Dreams』が日本初上演。公演アンバサダーの上田竜也が上海公演を視察
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香月 圭 text by Kei Kazuki
重低音のビートに触発され、一体となってうねる群舞が見せる圧倒的なインパクト――。ホフェッシュ・シェクター・カンパニーの話題作『Theatre of Dreams』が10月、愛知県芸術劇場と彩の国さいたま芸術劇場で初上演される。シェクターはイスラエルのエルサレム音楽ダンス学院を卒業後、国際的に活躍するテルアビブのオハッド・ナハリン主宰のバットシェバ舞踊団にダンサーとして在籍。その後、パリへ渡って音楽を学び、2002年にイギリスに拠点を移した。ロンドンのダンスの殿堂、ザ・プレイス、サウスバンク・センター、サドラーズ・ウェルズ劇場の共同製作で創作された『In your rooms』(2007年)は喝采を浴び、英国ダンス批評家賞最優秀賞を射止めた。2008年、自身の舞踊団「ホフェッシュ・シェクター・カンパニー」を設立。2010年の初来日作品『ポリティカル・マザー』は衝撃をもって迎えられた。2019年には上田竜也を主演に迎え、規模を拡大した『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』が話題を呼んだ。

『Theatre of Dreams』photo by Todd MacDonald
日本に初上陸する『Theatre of Dreams』は観客を「夢の劇場」へと誘う。夢と現実の境界、そして、人間の潜在意識の世界を深く掘り下げることで、恐怖、欲望、希望といった人間のあらゆる感情が浮き彫りになる。トム・ヴィッサーが手がける鮮烈な照明デザインと、幕を多用した演出によって、場面転換がスピーディーに行われる。観客は、夢と悪夢の狭間を綱渡りするような感覚に襲われる。また、音楽は、ロックバンドのドラマーのキャリアをもつシェクター自らが手がけたシネマティックなスコア。ミュージシャンによる生演奏が劇場に響き渡り、ダンサーたちのしなやかな身体による迫力の群舞が繰り広げられる。2024年パリ市立劇場で初演されて以来、ロンドンほか「ダンスはまばゆく輝き、カミソリのように鋭い動き、伝染するエネルギー、そしてシェクター作品特有の抗いがたい美しさに貫かれている」(フィガロ紙)などと絶賛されている。
シェクターは自身のカンパニー活動を精力的に行う一方で、NDT1、パリ・オペラ座バレエ、英国ロイヤル・バレエなど世界の著名なカンパニーに作品を提供している。ミュージカルやオペラ、演劇、映画、テレビなど幅広い分野にも進出し、ブロードウェイ・ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』(2016)はトニー賞振付賞にノミネートされた。

『Theatre of Dreams』photo by Tom Visser

『Theatre of Dreams』photo by Todd MacDonald
セドリック・クラピッシュ監督の映画『ダンサー イン Paris』(2023年日本公開)では、シェクター自身が本人役で出演している。物語は、パリ・オペラ座バレエのエトワールを目指すエリーズは本番の舞台で怪我をしたため、しばらく踊れなくなってしまう。ブルターニュ地方のレジデンスで料理人アシスタントの仕事を始めたエリーズは、ホフェッシュ・シェクター・カンパニーの合宿に遭遇して、コンテンポラリーダンスの魅力を発見する、というもの。パリ・オペラ座バレエのプルミエール・ダンスーズで、近年はコンテンポラリー作品に出演することが多いマリオン・バルボーが、等身大のヒロインを好演している。劇中では『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』のリハーサルや本番のシーンがある。リハーサルの場で、シェクターが「足元の床を失う感じで、もがくように」「糸になった指が引っ張られるように」と団員たちに具体的なイメージを伝える様子が印象的だ。

公演アンバサダー 上田竜也
『Theatre of Dreams』公演のアンバサダーに就任したのが、2019年に『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』に主演した上田竜也だ。上海では昨年に続き2度目となるホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』を視察した。2019年に共演したダンサーやスタッフと7年ぶりの再会を果たした後、本番前のリハーサルを客席で見守った。そして、上海公演の初日本番を、上田も生演奏の音楽とダンスの迫力に圧倒されながら、熱気に包まれた客席から熱い拍手を送った。「2019年に僕が出演した『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』以来7年ぶりのホフェッシュの世界でしたが、今回の作品は繊細に表現される「静」とすごくエネルギッシュな「動」のコントラストが激しく濃厚。緻密に計算された舞台美術や照明は、向こうで何が起きているのか、こちらの想像力を掻き立てます。僕の大好きなホフェッシュの音創りも健在。予備知識はなくても、ダンスの技術の高さや大音量の音楽を誰もが集中して楽しめる作品です。上海で大盛り上がりだったある場面は日本ではどうなるのか、お客さんの反応も楽しみですね」と語る上田竜也のコメントから、ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』への期待は高まる。

公演アンバサダー上田竜也、ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』上海公演会場にて 撮影:伊藤智美

公演アンバサダー上田竜也、ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』上海公演会場にて 撮影:伊藤智美
ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』予告編
ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』
振付・音楽:ホフェッシュ・シェクター
照明デザイン:トム・ヴィッサー、衣裳デザイン:オスナット・ケルナー
出演:ホフェッシュ・シェクター・カンパニー
2026年6月19日(金)愛知・埼玉公演チケット一般発売開始
《愛知公演》
●2026年10月16日(金)13:30、17日(土)15:00
●愛知県芸術劇場大ホール
お問合せ:052-211-7552(10:00~18:00)
https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/detail/20261016hofesh.html
《埼玉公演》
●2026年10月23日(金)19:30、24日(土)・25日(日)14:00
●彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
お問合せ:0570-064-939(10:00~18:00)
https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/107729/
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