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「人生の全てをかけて挑みたい」ミュージカル『マタ・ハリ』制作発表会見

ワールドレポート/東京

日本で3度目の再演となるミュージカル『マタ・ハリ』の制作発表会見が、メディアのほか抽選で招待された観客を迎え品川プリンスホテル クラブeXで行われた。
ミュージカル『マタ・ハリ』は数々のヒットミュージカルを手掛ける作曲家フランク・ワイルドホーンにより2016年に韓国で制作された。日本では、石丸さち子訳詞・翻訳・演出のもと2018年に新たに誕生し、コロナ禍の2021年に再演されている。
(2021年の公演レビューはこちらhttps://www.chacott-jp.com/news/worldreport/tokyo/detail022277.html

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柚希礼音

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愛希れいか

エキゾチックな踊りで人々を魅了し、女スパイとして世界を翻弄した伝説の舞姫の数奇な半生を演じるのは、日本初演からタイトルロールを演じている柚希礼音と再演から出演している愛希れいかのWキャスト。
会見はアルマン役 甲斐翔真による「普通の人生」、愛希による「一生の時間」のほか、ラドゥー役 加藤和樹の「戦いが終わっても」、柚希による「この命の最期に」の4曲の歌唱披露から始まった。
その後、廣瀬友祐、神尾佑、春風ひとみ、訳詞・翻訳・演出の石丸さち子も登壇した。

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(左から)愛希れいか、神尾佑、廣瀬友祐、柚希礼音、加藤和樹、甲斐翔真

主人公のマタ・ハリ役に再び挑戦する柚希は「大好きなマタ・ハリ役を3回もやらせていただけるなんて、本当に嬉しい。人生の全てをかけて挑みたいと思います」と笑顔を見せ、「(再演の時は)最後の3公演がなくなってしまいました。突然終わってしまったのがとても悔しかったです。また私自身はうまく声がコントロールできずに苦戦したこともありますので、次は新しく今の自分自身にすべてをかけて、お芝居も歌も踊りも全部、今の自分をしっかり込めて新しいマタ・ハリを作るつもりで挑みたいと思います。
戦争の中であのような形で生き抜く女性を、本当の意味で理解するのが初演の時から難しかったです。私、実在の人物を演じるのがすごく好きで、残っている資料に描かれているのは周りから見た人物像なので、本当はどうだったのかと想像するんです。周りの人がどれだけ悪く書いていても、本当はどうなのか、と追い求めていくと、自分なりの解釈にはなりますが、世界中の中でマタ・ハリの一番の味方という気持ちになります。やはり"女スパイ"とか、そういう部分を切り取られることが多いですが、本当に一生懸命生きた女性だと思うので、そういった部分を精一杯演じたいと思います」と意気込みを語った。

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(左から)石丸さち子、愛希れいか、神尾佑

Wキャストの愛希は「私は2度目の挑戦となりますが、前回はいろいろな意味で悔しい想いがありましたので、今回(石丸)さち子さんと、皆さんと一緒にもう一度、一から見直す気持ちで演じたいと思っておりますし、初演のような気持ちでやりたいと思っています。
マタという人物は私では想像しきれない程の人生を歩んできているので、その時は精一杯やっていましたが公演が終わった後に、色々と細かい反省がありました。4年ぶりの自分自身にどれくらい引き出しが増えているか分かりませんが、とにかくそれを使ってやっていきたいと思っています」と意気込み、「マタ・ハリ自身はどんな境遇でも生きることをやめません。その姿に私自身も勇気をもらいますし、演じていても強くなれますし尊敬しています。すごく人間らしい人で、悪女と言われるような印象が先走ってしまいますが、アルマンと出会って少女のようになるピュアな心がすごく好きです」と役柄への想いを語った。

ラドゥー大佐とアルマンの2役を演じる加藤和樹は「僕も柚希さんと同じく初演から出演させていただいており、初演の時はラドゥーとアルマンの2役を、再演の時はラドゥーのみ演じさせていただきました。今回は再び2役のお話をいただいて、このタイミングで挑戦させていただけることを非常に嬉しく思っております。
この作品は石丸さんの愛が強すぎる作品でもありますので、結構稽古場でもヒリヒリするような瞬間もあります。ですが、その愛を全て我々が受け取ってお客さまに返していくという形でつくっていけたらと思っています」と力強く語った。
その加藤とWキャストでラドゥー大佐役を演じる廣瀬友祐は「僕は今回初参加となります。演出の石丸さち子さんとはこれまで遠くはない距離感でお仕事しておりましたが、なかなかご縁がなくて今回初めてご一緒させていただけて嬉しく思っております。3度目の上演ということで、この作品がとても愛されていることを感じておりますし、初演から携わっているキャストの皆さま、この作品を愛しているお客さまに最大限のリスペクトをもって精進していきたいと思います」と語り、
アルマン役のWキャスト甲斐翔真は「『マタ・ハリ』は初演からずっと観させていただいる大好きな作品なので、待望の出演でわくわくしております。先ほど歌わせていただきましたが、アルマン自身は普通の生活が嫌になる程鬱屈としたものを抱えていましたが、マタ・ハリとの出会いや戦況によって、普通の人生に憧れるようになる。当たり前のことがどんどん当たり前ではなくなっている今の時代が重なると思います。ですので、2025年にアルマンを演じる意味を舞台上で見つけられたらと思っております」と意気込んだ。

ヴォン・ビッシング役の神尾佑は「僕はミュージカル界では若輩者なので、先輩方の胸を借りるつもりで精一杯やらせていただきます。演出の石丸さんは一度ご一緒したいと思っていた演出家のお一人なので、楽しみしかありません。この作品は実在の人物を描いているので、そこに人の生きる真実とか、人生の核のようなものがあると思うので、そういうものを自分なりに探せたらと思っております」と話し、
アンナ役の春風ひとみは「再演から出演させていただいておりますが、心残りがいっぱいあるので、もう一度挑戦できることを本当にありがたいと思っております。私も元宝塚でたくさんの後輩と一緒になることがありますが、柚希さん、愛希さんの佇まいには前回本当に感動したので、もう一度やるならお二人を精一杯支えることを、宝塚の上級生・下級生という関係を丸出しにしてやりたいなと思っていたので、すごく嬉しいです」と笑顔で語った。

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(左から)石丸さち子、神尾佑、廣瀬友祐、愛希れいか、柚希礼音、加藤和樹、甲斐翔真、春風ひとみ

ミュージカル『マタ・ハリ』は2025年10月1日jから10月14日まで東京建物 Brillia HALLで上演の後、大阪・梅田芸術劇場メインホール、博多座での上演が予定されている。

公演情報:ミュージカル『マタ・ハリ』

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