英国ロイヤル・オペラ・ハウスの新しいシネマシーズン 2018/19の全上映演目が決まった!

ワールドレポート/東京

関口 紘一 Text by Koichi Sekiguchi

英国ロイヤル・バレエは、10月8日に2018/19新シーズン初日の幕を開けた。主役のルドルフ皇太子として『うたかたの恋』の舞台に立ったのは、英国ロイヤル・バレエの日本人プリンシパル平野亮一だった。その舞台の様子は既報(https://www.chacott-jp.com/news/worldreport/others/detail008174.html)の通り。平野はナタリア・オシポワのマリー・ヴェッツェラ男爵令嬢、サラ・ラムのラリッシュ夫人、マリアネラ・ヌニェズの娼婦ミッツィ・カスパーらと伍して見事に踊り、新シーズン開幕の舞台を飾った。

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ロイヤル・バレエ『うたかたの恋』MAYERLING Steven McRae as Crown Prince Rudolf in Kenneth MacMillans production of Mayerling for The Royal Ballet (c)

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ロイヤル・バレエ 『ドン・キホーテ』 (c) ROH Johan Persson

今回上映される『うたかたの恋』はスティーヴン・マックレーのルドルフ、サラ・ラムのマリー・ヴェッツェラ、ラウラ・モレーラのラリッシュ夫人、クリステン・マクナリーのエリザベートというキャストとなる。
もう一人の日本人プリンシパル、高田茜は2019年5月17日より上映される『ドン・キホーテ』で、マックレーのバジルを向こうに回してキトリを踊る。これはプティパ版にカルロス・アコスタが追加振付した、闊達なヴァージョンなので大いに楽しみ。
新年2019年早々に上映が始まる『ラ・バヤデール』は、英国ロイヤル・バレエのレパートリーとなっているナタリア・マカロワ版。ヌニェズのニキヤ、オシポアのガムザッティ、ワディム・ムンタギロフのソロル、というキャスト。ニキヤとガムザッティの息詰まる対決、ラストシーンの神殿の大崩壊シーンが見ものだ。
2月に上映されるのは、愛に溢れるピーター・ライト版の『くるみ割り人形』。アンナ・ローズ・オサリヴァンのクララ、ヌニェズの金平糖の精、そして不思議な世界を司るドロッセルマイヤーは演技巧者ギャリー・エイヴィス、王子はムンタギロフ、ハンスとくるみ割り人形にはマルセリーノ・サンべ。チャイコフスキーの美しいメロディで描かれる美しい夢の世界が繰り広げられる。

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ロイヤル・バレエ 『くるみ割り人形』 (c) ROH. Photograph by Helen Maybanks

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ロイヤル・バレエ 『ラ・バヤデール』 (c) ROH Tristram Kenton

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⑩ ロイヤル・バレエ 『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー / シディ・ラルビ・シェルカウイ新作 / フライト・パターン』 (c) ROH. Photograph by Tristram Kenton

今、新国立劇場バレエ団が上演中の『不思議の国のアリス』が世界的大ヒットとなったクリストファー・ウィールドンの新作『ウィズイン・ゴールデン・アワー』、女性振付家クリスタル・バイトが難民問題を描いてローレンス・オリビエ賞を受賞した『フライト・パターン』、シディ・ラルビ・シェルカウイの新作による、コンテンポラリー・ダンスのトリプルビルは6月28日から上映される。

そして英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19のバレエ最後の上映は、ケネス・マクミランの世紀の傑作『ロミオとジュリエット』。プロコフィエフのドラマティックな名曲が胸を揺さぶり、恋の物語の最高傑作がバレエの技巧を尽くして、身体と心の美を描き出す。8月23日からの上映となる。
ウィールドンやスカーレットなどの気鋭の振付家が、存分に実力を発揮しつつある英国ロイヤル・バレエは、今、最も創造力のある充実したカンパニー。この新しいシネマシーズンは大いに期待できるのではないだろうか。

上映日・映画館などの詳細は 公式サイトまで
http://tohotowa.co.jp /roh/
配給:東宝東和

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