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オーロラ姫を踊った栗原ゆうのプリンシパル昇進を発表、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

ワールドレポート/東京

佐々木 三重子 Text by Mieko Sasaki

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© Kiyonori Hasegawa

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)の7年振りの来日公演は、東京文化会館の『眠れる森の美女』で幕を開けたが、2日目の6月21日にオーロラ姫を踊ったファースト・ソリストの栗原ゆうが、終演後にプリンシパルに昇進すると発表された。カーテンコールの拍手が鳴り止まない中、舞台に現れたのは芸術監督のカルロス・アコスタ。観客に向かって、「今晩は。私は芸術監督のカルロス・アコスタです」と挨拶。自身が15年前に英国ロイヤル・バレエ団と来日して、東京文化会館で『うたかたの恋』に出演した思い出などを語った後、オーロラ姫での栗原の素晴らしい演技により、彼女をプリンシパルに任命すると発表した。会場からは嵐のような拍手。一瞬、栗原は戸惑ったように見えたが、花束を贈られ、アコスタや団員たちからの祝福を受け、感無量の様子だった。なお、正式にプリンシパルの称号になるのは、次の2025/26シーズンからという。

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© Kiyonori Hasegawa

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© Kiyonori Hasegawa

この後、栗原は興奮が冷めやらぬまま、楽屋で囲み取材に応じた。オーロラ姫の舞台衣装のまま報道陣の前にあらわれた栗原は、今の気持ちを問われると、「ただただ、感動しています。嬉しいのひと言です」と、素直に喜びを表した。
「今回は、日本で舞台に立ち(皆様に)恩返しできる特別な機会になりました。昇進を決めてくださった方たちに感謝の思いがあります」とこれまでを振り返りながら、「新しいスタート地点に立った気持です。これからは自分のことだけでなく、周りの皆さんやカンパニーを率いていくというような責任感も持っていかなければと感じています」と、気を引き締めていた。
「プリンシパルになったとは言っても、これまでと変わらずに、一回一回の舞台を大切にして、自分自身が楽しいと思える舞台を作っていきたいと思います」と語った。

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© Kiyonori Hasegawa

撮影:NBS IMG_7116.jpg

© NBS

なお、栗原の略歴は次の通り。英国ロイヤル・バレエ学校で学び、2018年のロイヤル・バレエ学校アシュトン賞を受賞。同年、BRBに入団、2022年にファースト・ソリストに昇進。『ドン・キホーテ』や『ロミオとジュリエット』など主要な作品の主役を踊り、入団からわずか7年、26歳でプリンシパルに昇進した。BRBの日本人プリンシパルとしては、かつては吉田都や佐久間奈緒がおり、現在はほかに平田桃子と水谷実喜がいる。

BRBは、6月25日に大阪・関西万博でミニ・コンサーを行う予定で、栗原は『眠れる森の美女』のグラン・パ・ド・ドゥを踊るという。その他の公演予定は、『シンデレラ』が6月27~29日・東京文化会館、『眠れる森の美女』が7月2日・フェニーチェ堺、7月5日・愛知県芸術劇場大ホール。
公演詳細は https://www.nbs.or.jp/stages/2025/birmingham/index.html

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© Kiyonori Hasegawa

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