「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」展が今秋アーティゾン美術館にて開催される

ワールドレポート/東京

香月 圭 text by Kei Kazuki

エドゥアール・マネ《オペラ座の仮装舞踏会》1873年、石橋財団アーティゾン美術館

エドゥアール・マネ《オペラ座の仮装舞踏会》1873年、石橋財団アーティゾン美術館

美術展「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」がアーティゾン美術館にて11月5日(土)から開催される。パリ・オペラ座が1669年に創立されて以来、その上演史を振り返ると、創作を委嘱された台本作家や作曲家、美術家、振付家の創意工夫によって芸術的な進展や技術面での革新が継続してきた。

この展覧会ではパリ・オペラ座の歴史を17世紀から現在までたどりながら、さまざまな芸術分野との関連性について解説し、その魅力を「総合芸術」的な観点から明らかにする。特に19世紀から20世紀初頭のロマンティック・バレエやグランド・オペラ、バレエ・リュスの時代が中心となっている。ルイ14世の時代の舞台装飾家や衣装デザイナーに始まり、19世紀のグランド・オペラの作曲家やロマンティック・バレエ期に活躍したダンサー、さらには21世紀の演出家に至るまで、パリ・オペラ座で上演するのためにあらゆる分野の芸術家と創作した作品群を通して、この劇場がどのようにして自らの芸術方針を築き上げてきたのかが明らかにされていく。

フランス国立図書館音楽部門には、パリ・オペラ座で上演された作品を中心として、フランスのオペラ、バレエ関係の資料が多く収蔵されており、そのうち約200点が「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」展のために来日する。またオルセー美術館が所蔵するエドガー・ドガ《バレエの授業》、兵庫県立芸術文化センターの薄井憲二バレエ・コレクションなど国内外から集められたオペラ座に関連する作品が紹介される。アーティゾン美術館所蔵の19世紀フランスの画家エドゥアール・マネ(1832-1883)による、パリ・オペラ座を題材とした作品および、アメリカのワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の同シリーズの作品とともに展示される。美の殿堂とも謳われるパリ・オペラ座の伝統を知る貴重な機会となる。

シャルル・ガルニエ《ガルニエ宮ファサードの立面図》1861年、フランス国立図書館<br />©Bibliothèque Nationale de France

シャルル・ガルニエ《ガルニエ宮ファサードの立面図》1861年、フランス国立図書館
©Bibliothèque Nationale de France

エドゥアール・マネ《オペラ座の仮面舞踏会》1873年、ワシントン、ナショナル・ギャラリー

エドゥアール・マネ《オペラ座の仮面舞踏会》1873年、ワシントン、ナショナル・ギャラリー

フランソワ=ガブリエル=ギヨーム・レポール《悪魔のロベール、第3幕第5場の三重唱》1835年、フランス国立図書館 ©Bibliothèque Nationale de France

フランソワ=ガブリエル=ギヨーム・レポール《悪魔のロベール、第3幕第5場の三重唱》1835年、フランス国立図書館 ©Bibliothèque Nationale de France

エドガー・ドガ《バレエの授業》1873-76年、オルセー美術館 Photo © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Adrien Didierjean / distributed by AMF

エドガー・ドガ《バレエの授業》1873-76年、オルセー美術館 Photo © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Adrien Didierjean / distributed by AMF

《シェヘラザードでのイダ・ルビンシュタインの髪飾り》1910年、フランス国立図書館 ©Bibliothèque Nationale de France

《シェヘラザードでのイダ・ルビンシュタインの髪飾り》1910年、フランス国立図書館 ©Bibliothèque Nationale de France

ジャン=バティスト・カルポー《ダンスの精霊No.2》1872-1910年、オルセー美術館 Photo © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Tony Querrec / distributed by AMF

ジャン=バティスト・カルポー《ダンスの精霊No.2》1872-1910年、オルセー美術館 Photo © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Tony Querrec / distributed by AMF

ジャン=バティスト・エドゥアール・ドゥタイユ《オペラ座の落成式、1875年1月5日》1878年、オルセー美術館(ヴェルサイユ宮殿に寄託)Photo ©RMN-Grand Palais (Château de Versailles) / Gérard Blot/ distributed by AMF

ジャン=バティスト・エドゥアール・ドゥタイユ《オペラ座の落成式、1875年1月5日》1878年、オルセー美術館(ヴェルサイユ宮殿に寄託)Photo ©RMN-Grand Palais (Château de Versailles) / Gérard Blot/ distributed by AMF

アルフレッド・エドワード・シャロン《『パ・ド・カトル』(カルロッタ・グリジ、マリー・タリオーニ、ルシル・グラーン、ファニー・チェリート)》1845年、兵庫県立芸術文化センター 薄井憲二バレエ・コレクション

アルフレッド・エドワード・シャロン《『パ・ド・カトル』(カルロッタ・グリジ、マリー・タリオーニ、ルシル・グラーン、ファニー・チェリート)》1845年、兵庫県立芸術文化センター 薄井憲二バレエ・コレクション

パリ・オペラ座とは

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パリ・オペラ座ガルニエ宮内観
© Jean-Pierre Delagarde / Opéra national de Paris

フランスを代表する世界最高峰の歌劇場の一つ。ナポレオン三世の第二帝政下、オスマン知事によるパリ近代化政策の一環として、シャルル・ガルニエの設計によって1875年、パリ9区に完成した。設計者の名前を冠してガルニエ宮(オペラ・ガルニエ)とも呼ばれる絢爛な建築物である。1989年にパリで二番目となる歌劇場が誕生し、「オペラ・バスティーユ」と呼ばれる。パリ・オペラ座の組織自体は、ルイ14世によって1669年に設立された王立音楽アカデミーを前身とし、350年以上の歴史を誇る。現在、二つの劇場でバレエ、オペラの古典から現代作品までが上演されている。

「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」構成

序曲:ガルニエ宮の誕生

第1幕:17〜18世紀
(1)「偉大なる世紀」の仕掛けと夢幻劇 (2)音楽つきの「雅宴画」(フェート・ギャラント) (3)新古典主義の美的変革

第2幕:19世紀[1]
(1)ル・ペルティエ街のオペラ座 (2)グランド・オペラ (3)ロマンティック・バレエ (4)衣装画家と装飾職人 *パリの観劇をめぐって

第3幕:19世紀[2]
(1)グランド・オペラの刷新 (2)ドガとオペラ座 (3)劇場を描く画家たち (4)ヴァーグナーの美学 *作家とオペラ座 *ジャポニスムとオペラ座

第4幕:20-21世紀
(1)バレエ・リュスの招待 (2)近代芸術とオペラ座 (3)シャガール、デザイナーへの要請 (4)演出家と振付師のオペラ *映画とミュージカル

エピローグ:バスティーユのオペラ座の未来

「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」

主催:公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館
協力:フランス国立図書館
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
監修:三浦 篤(東京大学大学院教授)
会期:2022年11月5日(土)〜2023年2月5日(日)
会場:アーティゾン美術館 6・5階展示室(東京都中央区京橋1-7-2)
開館時間:10:00 〜18:00(毎週金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(1月9日は開館)、12月28日〜1月3日、1月10日
入館料:日時指定予約制(2022年9月6日[火]よりウェブ予約開始)
ウェブ予約チケット1,800円、当日チケット(窓口販売)2,000円、学生無料(要ウェブ予約)
同時開催:石橋財団コレクション選 特集コーナー展示
アート・イン・ボックス‐ マルセル・デュシャン の《トランクの箱》とその後

◆アーティゾン美術館公式サイト|展覧会詳細ページ
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/545


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