ボリショイ・バレエ in シネマの2021-22シーズンは、12月16日より『くるみ割り人形』の上映で始まる

ワールドレポート/東京

関口 紘一 Text by Koichi Sekiguchi

宙空に聳える円柱の上に4頭立ての馬車をいただくボリショイ劇場を拠点として、雄大なスケールと優美なバレエの世界を描いてきたボリショイ・バレエ。その歴史と格調高い伝統を大スクリーンで見ることができるボリショイ・バレエinシネマ。2021-22シーズンのラインアップは、『くるみ割り人形』(チャイコフスキー、グリゴローヴィチ)『スパルタクス』(ハチャトゥリアン、グリゴローヴィチ)『ジュエルズ』(フォーレストラヴィンスキーチャイコフスキー、バランシン)『白鳥の湖』(チャイコフスキー、グリゴローヴィチ)『ファラオの娘』(プーニ、ラコット)となっている。

『くるみ割り人形』
ボリショイ・バレエの『くるみ割り人形』は、真っ赤な衣裳を着けたくるみ割り人形が活躍することで良く知られている。ボリショイ・バレエのニュー・スターとして注目を集めるマルガリータ・シュライナーのマリー、そして世界の舞台で躍動するプリンシパル・ダンサーのセミョーン・チュージンがくるみ割り人形を踊っている。グリゴローヴィチの骨格のしっかりとした舞台作りと、ロシアらしい楽しさに溢れたヴァージョンが楽しめる。
音楽/ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー振付/ユーリー・グリゴローヴィチ(原作E.T.Aホフマン、マリウス・プテイパ)。出演/マルガリータ・シュライナー(マリー)、セミョーン・チュージン(くるみ割り人形)、デニス・サーヴィン(ドロッセルマイヤー)、アレクサンドル・ヴォドペトフ(ねすみの王様)。2018年12月収録。

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© Natalia Voronova

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© Natalia Voronova

『スパルタクス』
強大な帝政ローマ軍に反乱を起こしたスパルタクスの活躍と妻フリーギアへの深い愛、そしてエギナの裏切り・・・。ボリショイ・バレエでしか作り出すことができない壮大なスケールと圧倒的な迫力で描く、グリゴローヴィッチの舞踊史上輝く傑作バレエ。この作品が今回のボリショイ・バレエinシネマで大スクリーン登場する。移動やクローズアップなどの多彩な映像の技術により、生の舞台を見るのとはまた異なった鮮烈な印象が生まれるだろう。
音楽/アラム・ハチャトゥリアン振付/ユーリー・グリゴローヴィチ。2021年11月収録予定。

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© Voronova Natalia

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© M.Logvinov

『ジュエルズ』
フランスに捧げられたガブリエル・フォーレ音楽の「エメラルド」、アメリカへのオマージュはイーゴリ・ストラヴィンスキー音楽の「ルビー」、ロシアを称賛するイリッチ・チャイコフスキー音楽の「ダイヤモンド」、という3人の音楽家により、ジョージ・バランシンが構成・振付けた作品『ジュエルズ』。バレエの美しさと宝石の輝きが奏でる気品のある舞台である。
音楽/ガブリエル・フォーレ、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー振付/ジョージ・バランシン。2022年1月収録予定。

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© Natalia Voronova

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© P.Rychkov

『白鳥の湖』
チャイコフスキーの名曲が、悪魔ロットバルトの魔力によって白鳥の姿に変えられてしまった王女オデットの悲しい姿をきめ細やかに描き出す、古典名作バレエの傑作中の傑作。オデットとオディールを繊細なバレエ表現によって表す、オルガ・スミルノワ演舞がたっぷりと楽しめる。
音楽/ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー振付:ユーリー・グリゴローヴィチ出演/オルガ・スミルノワ(オデット/オディール)、ジャコポ・ティッシ(王子ジークフリート)、エゴール・ゲラシチェンコ(悪魔)、アレクセイ・プチンツェフ(道化)。2020年2月収録。

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© Natalia Voronova

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© Natalia Voronova

『ファラオの娘』
プティパによる古代エジプトのファラオの娘、アスピシアをめぐる愛と冒険に壮大な物語バレエを、フランスの巨匠ピエール・ラコットが復活した。プティパの揺るぎない構成の古典バレエをボリショイ・バレエの今日の踊りによって、さらに鮮やかな舞台として蘇らせ、大きな反響を呼び起こした作品。
音楽/チェーザレ・プーニ振付/ピエール・ラコット台本:ジャン=アンリ・サン=ジョルジュ、
マリウス・プテイパ出演後日発表。2022年5月収録予定。

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© damir yusupov

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© E.Fetisova

ボリショイ・バレエ in シネマ 公式サイト
https://liveviewing.jp/bolshoi-cinema2021-22/

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