Kバレエカンパニー 2021-22シーズンラインアップ決定!飯島望未入団、『クラリモンド〜死霊の恋〜』全幕の世界初演ほか

ワールドレポート/東京

坂口 香野 Text by Kaya Sakaguchi

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Kバレエカンパニーの、2021-2022シーズンのラインナップが発表された。
その皮切りとなるのが、2021年10月2日に札幌文化芸術劇場hitaruで開幕する『シンデレラ』。北海道でのKバレエ公演は8年ぶりとなる。その後、東京・Bunkamuraオーチャードホールで10月7日〜10日、計7公演が行われる。
注目したいのは、なんといってもシンデレラ役だ。
まず、8月に正式に入団が決定した飯島望未。ヒューストン・バレエのプリンシパルとして古典からコンテンポラリーまで幅広い演目を踊ってきた。活躍の場はバレエ界にとどまらず、シャネルのビューティー・アンバサダーを務めるなど、一人のアーティストとして、ファッショニスタとしても世界の注目を浴びている。
そして、今年1月に入団し、『白鳥の湖』で鮮烈なデビューを果たした日髙世菜。繊細さと大胆さを併せ持ち、Kバレエになくてはならない存在となっている成田紗弥。正確で抒情性あふれるテクニックと可憐さが魅力の矢内千夏。
4人のシンデレラを想像すると、脳内で4つの宝石がキラキラ輝くようで、目移り必至だ。

12月には毎年恒例の『くるみ割り人形』。
2021年1月には熊川哲也振付『クラリモンド〜死霊の恋〜』、渡辺レイ振付『FLOW ROUTE 222』が世界初演される。
『クラリモンド〜死霊の恋〜』は、2018年に小品として発表された『死霊の恋』の全幕版だ。原作の作者は、『ジゼル』の台本を書いたことでも知られるテオフィル・ゴーティエ。かつては高級娼婦であり、吸血鬼となってしまった美女クラリモンドと聖職者をめぐる純愛の物語である。熊川監督はゴーティエの『死霊の恋』について、インスピレーションを掻き立てる魅力的な要素が数々あり、かねてから「いずれは全編版を」との展望があったと語る。
『FLOW ROUTE 222』も、2018年初演『FLOW ROUTE』のスケールアップ版。ベートーヴェンの音楽とともに踊られる、エネルギーあふれるコンテンポラリー作品だ。

3月には『ロミオとジュリエット』、5月には『カルメン』と、ドラマティックな作品が続く。
同カンパニーには、ただ美しいだけでなく、全身で作品世界や役柄の感情を表現できるダンサーがそろっている。どんな濃密なドラマを見せてくれるか、とても楽しみだ。

<入団に際して〜飯島望未コメント>
このたびK バレエ カンパニーに入団させていただくことになりました。子どもの頃から何度も観て憧れ続けてきたカンパニーの一員となれることは、私にとってこの上ない喜びです。 K バレエの作品はど れをとっても舞台美術や衣裳、演出など本当にすべてが特別で、個性際立つダンサーが揃っていることにも魅力を感じています。私自身、この新たな環境の中で多くの刺激を受けながら、一から学ぶ気持ちで精進していきたいと思います。熊川芸術監督をはじめとする素晴らしいアーティスティックスタッフ、カンパニースタッフやダンサーの方々と一緒に舞台を作り上げていくのが今からとても楽しみです。観客の皆様にさまざまな感動を与えることのできるダンサーになれるよう頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

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飯島望未

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熊川哲也 © 中森真

https://www.k-ballet.co.jp/

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