令和元年台風 19 号により、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、
被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

ミハイロフスキー劇場バレエ・ソリストたちが語る、ドゥアト版『眠りの森の美女』『パリの炎』の魅力

ワールドレポート/東京

坂口 香野 Text by Kaya Sakaguchi

日本では長く「レニングラード国立バレエ」の名で親しまれてきたミハイロフスキー劇場バレエ。ワガノワ・バレエアカデミー出身者が多く在籍することでも知られる名門だが、2011年に芸術監督としてナチョ・ドゥアトを迎え、コンテンポラリーのレパートリーも充実させた。その後も、毎年のように新作を発表しており、勢いのあるカンパニーとして注目されている。
11月の来日公演では、ドゥアト版『眠りの森の美女』と、ワイノーネン原典版『パリの炎』が日本初演される。

8月、「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」に出演したミハイロフスキー劇場バレエのソリストによるファン・ミーティングが東京文化会館で行われ、イリーナ・ペレン、オクサーナ・ボンダレワ、マラト・シェミウノフ、ミハイル・ヴェンシコフ、イリーナ・コシェレワが登壇。『眠りの森の美女』で主演するペレンと『パリの炎』で主演するボンダレワが、それぞれの見所を語った。

・0004.jpg

・0035.jpg

2011年の初演時から、ドゥアト版『眠りの森の美女』でオーロラ姫を踊っているイリーナ・ペレンは、その魅力を「まるで宙に浮いているかのような軽やかさ」「涼しげな明るさ」と表現する。
「とても美しい作品に仕上がっています。スタイルはクラシックですが、背中の動きなど、動作一つひとつに洗練されたニュアンスがあります。新しく振付けられた群舞も見所ですね」。
ドゥアト監督との最初のリハーサルで驚かされたのは、その繊細な音楽性だったとペレンは語る。
「『動きはもっと自由で、軽やかで、自然であれ』と言われました。そして音楽をもっとよく聴くようにと。音楽には必ずアクセントがある。最初はなかなか微妙なアクセントがつかめなかったのですが、彼と一対一でリハーサルを重ねるうちに体得することができました」。
なお、今回はゲスト・ソリストとしてファルフ・ルジマトフがカラボス役で全公演に出演。シックな黒のドレス姿の写真がチラシにある。強烈な存在感をもつルジマトフが、物語の鍵を握る悪の精をどのように演じるのか、期待が高まる。

mikhailovsky1.jpg

『パリの炎』は、全幕で上演されることの少ない作品。2017年には、ボリショイ・バレエの来日公演でラトマンスキー版が上演されたが、今回上演されるのはワイノーネン原典版に基づいて再現した、より原作に近いヴァージョンだ。ゲスト・ソリストとしてジャンヌ役を踊るオクサーナ・ボンダレワは、この作品のアメリカ初演でイワン・ワシリエフと共に主演して絶賛を浴びている。
「フランス革命の時代を舞台にした、とても壮大な演目です。ドラマティックでエネルギーにあふれていて、高いテクニックも要求されます。一言ではいえないけれど、内容がとても感動的なので......初演の時は、みんなで練習を重ねて重ねて、自分たちも感動しながら踊ることができました。ぜひ、私たちと感動をともにしてください」とボンダレワ。
ボンダレワの相手役を務めるのは、同劇場史上最年少でファーストソリストに昇格したジュリアン・マッケイ。もう一組は、弾けるようなテクニックと可憐さをあわせもつアンジェリーナ・ヴォロンツォーワと、劇場を代表するプリンシパルであるイワン・ザイツェフのカップルだ。息もつかせぬ技の応酬で、自由と平等を求める民衆のエネルギーを感じさせてくれるに違いない。一方、ペレンとヴィクトル・レベデフが踊る、典雅な宮廷バレエのシーンも見所だ。

・0114.jpg

・0011.jpg

尚、ファン・ミーティングでは、ダンサーたちの普段の生活や日本との関わりについてもインタビューがなされた。ペレンは日本の好きな場所について「箱根と富士山」を挙げ、出産前に富士登山に成功したエピソードを披露。ペレンの夫君でもあるプリンシパルのシェミウノフは、今回の来日公演の会場でもある「東京文化会館」を挙げた。「私たちはここで、数え切れないほどたくさんの演目を上演してきました。私たちにとっては、神社仏閣のように神聖な場所です」。

長い歴史を誇り、気鋭の若手ダンサーを数多く擁するミハイロフスキー劇場バレエ。11月の来日が待ち遠しい。

ミハイロフスキー劇場バレエ

『パリの炎』
2019年11月21日 (木) 15:30、19:30
『眠りの森の美女』
2019年11月23日(土)17:00、24日(日)11:30、16:00
東京文化会館 大ホール
https://www.koransha.com/ballet/mikhailovsky_ballet2019/

mikhailovsky2.jpg

記事の文章および具体的内容を無断で使用することを禁じます。

ページの先頭へ戻る