東京バレエ団×勅使川原三郎の新作『雲のなごり』が間もなく開幕!

ワールドレポート/東京

坂口 香野 Text by Kaya Sakaguchi

東京バレエ団創立55周年記念公演シリーズの第4弾として、勅使川原三郎振付の新作が世界初演される。
タイトルは『雲のなごり』。
音楽は、武満徹の「地平線のドーリア」「ノスタルジア」が使用される。

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photo/Shoko Matsuhashi(すべて)

7月〜8月、東京バレエ団のスタジオでリハーサルが開始され、ダンサーたちは武満徹の音楽と、呼吸を基礎としたダンスメソッドに身を委ねつつ、勅使川原独自の舞踊言語を磨いていった。音楽にあわせて振りを「つくる」のではなく、音楽に動かされるかのように、ダンスができあがっていく。勅使川原はインタビューで「ダンスによって、不可解なこと、不可思議なことに、それそのものとして触れてみたい。武満の音楽にも、同じ感覚がある気がします」と語っている。
「たとえば風が吹いて来たら、ダンスはその風を感じた今であり、感じたあなたなのです」(同インタビューより)。

出演者は、オーディションを兼ねたワークショップで決定。プリンシパルの沖香菜子、柄本弾、秋元康臣、5月の『海賊』アリ役で強烈な印象を残したファーストソリストの池本祥真、そして勅使川原演出のオペラ『魔笛』にも出演している三雲友里加が抜擢されている。
また、勅使川原とのデュエット作品が、世界中で高い評価を受けている佐東利穂子の出演も決定。佐東は勅使川原の振付・演出助手として、パリ・オペラ座バレエ団に勅使川原が振付けた『Grand Miroir』をはじめ数々の作品に参加。今年からは自身、振付家としての活動も始めている。"生きてここに在る"ことの不可思議さを、そのまま体現できる希有なダンサーである。

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東京バレエ団にとって初の、日本人振付家による新作の世界初演。併せて、バランシンの『セレナーデ』、ベジャールの『春の祭典』という、20世紀の名作が上演される。
世界的な振付家・勅使川原三郎と武満徹の音楽、そして勅使川原のメソッドを深く体に染み込ませた東京バレエ団のダンサーたちにより、どんな作品が生み出されるのか、今から期待が高まる。

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photo/Shoko Matsuhashi(すべて)

東京バレエ団×勅使川原三郎 新作 世界初演

●10月26日(土)14:00
●10月27日(日)14:00
●東京文化会館
https://www.nbs.or.jp/

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