コンダウーロワとアスケロフ、マリインスキーのゲストと豪華ソリストたちが踊った『白鳥の湖』
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掲載
ワールドレポート/東京
- 関口 紘一
- text by Koichi Sekiguchi
牧阿佐美バレヱ団
『白鳥の湖』三谷恭三:演出・振付
(プティパ、イワノフのオリジナル振付及びテリー・ウエストモーランドの新制作に基づく)
牧阿佐美バレヱ団の『白鳥の湖』には、サンクトペテルブルク、マリインスキー・バレエ団からエカテリーナ・コンダウーロワとティムール・アスケロフが来演。オデット/オディールとジークフリード王子をそれぞれ踊った。フォン・ロットバルトは菊地研、王妃には吉岡まな美が扮し、第1幕のパ・ド・ドロワは青山季可、伊藤友季子、清瀧千晴だった。また、第3幕のパ・ド・カトルは日高有梨、中川郁、清瀧千晴、濱田雄冴。ディヴェルティスマンにはチャルダッシュに小橋美矢子、オトゴンニャム、スパニッシュは笠井裕子、茂田絵美子、塚田渉、ナポリターナは米沢真弓、上原大也と、主役級、ソリストが脇役をがっちり固めるという豪華な配役である。
コンダウーロワ 撮影/鹿摩隆司
アスケロフ 撮影/鹿摩隆司
コンダウーロワ、アスケロフ
撮影/鹿摩隆司
コンダウーロワは完璧なプロポーションで悠々と主役を踊り、悲劇のヒロインを美しく造形した。本拠地でライバルや芸術監督たちの目前で踊るほどの緊張感はなかったかもしれないが、一幕、二幕、三幕それぞれの表情を的確につくり端正に踊って見事だった。
アスケロフはマリインスキー・バレエ団のファースト・ソリスト。アゼルバイジャン出身でキエフ・バレエ団から移籍してきたすっきりとした体形の黒髪のダンサーだ。リフトのタイミングが少し合わないところなどもみられたが、ジークフリード王子を闊達に踊り、爽やかな印象を残した。
ロットバルトを踊った菊地研も抑制した動きから、魔的なものを表わそうと意欲的に試みていた。群舞も良く揃って幻想的な雰囲気を醸した。第2幕と第4幕では会場から喝采が沸き起こった。
テリー・ウエストモーランドに基づく三谷恭三版は、旧ソ連以前の帝室劇場時代を想起させる味わいを残す振付。特に第3幕のパ・ド・カトルは格調があり、王宮の舞踏会の始まりを告げるのに相応しい踊りだった。
ゲストプリンシパル・ダンサーとともに豪華なソリストたちが踊って、踊りのレベルが高い『白鳥の湖』だった。
(2014年10月18日 ゆうぽうとホール)
伊藤友季子、清瀧千晴、青山季可 撮影/鹿摩隆司
笠井裕子、中家正博、茂田絵美子、塚田渉 撮影/鹿摩隆司
撮影/鹿摩隆司
小さい4羽の白鳥 撮影/鹿摩隆司
「白鳥の湖」 撮影/鹿摩隆司