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ルジマトフのコンラッドとサラファーノフのアリが競演し力感が漲った『海賊』

ワールドレポート/東京

関口 紘一
text by Koichi Sekiguchi

Mikhailovsky Theatre ミハイロフスキー劇場バレエ〜旧レニングラード国立バレエ〜

『海賊』マリウス・プティパ、ピョートル・グーセフ:振付、ファルフ・ルジマトフ:改訂演出

ミハイロフスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)の『海賊』は、プロローグとエピローグ付全2幕。

『海賊』はロシアでは1858年にジュール・ペロー版が初演され、その後プティパ版が上演され何回か改訂が加えられている。1955年にはサンクトペテルブルグのマールイ劇場バレエ(後のレニングラード国立バレエ)が、共にバランシンの「若きバレエ」グループで活動したことのあるピョートル・グーセフの振付、ユーリー・スロニムスキーの台本で上演。その後1994年にボヤルチコフが改訂復元した。2009年に当時レニングラード国立バレエの芸術監督だったルジマトフが改訂演出を行った。そのヴァージョンは2012年に、日本で上演され初めてルジマトフのコンラッド、サラファーノフのアリというキャスティング(メドーラはイリーナ・ペレン)がバレエファンにお目見えしたわけである。
今回は3年ぶりの上演で、メドーラをエカテリーナ・ボルチェンコ(他日公演ではイリーナ・ペレン)が踊り、ファルフ・ルジマトフがコンラッド、レオニード・サラファーノフ(ヴィクトル・レベデフとWキャスト)がアリを踊るというコンビネーションだった。このコンラッドとアリのキャストは、恐らくマリインスキー劇場でも実現していないのではないか。かつてアリはルジマトフの十八番だったし、詳しく調べた訳ではないが、サラファーノフはマリインスキー・バレエでアリを踊った経験はないのではないだろうか。

「海賊」撮影/山本成夫

「海賊」撮影/山本成夫

ルジマトフは海賊の首領らしく部下を統率する指示を出す。オーバーなくらいに明快な踊り。サラファーノフはかつてのエネルギッシュなパワーは少し影を潜めたが、身体の柔軟性を生かした柔らかい表現はじつに魅力的だ。さすがにこの二人が舞台に立つと力と力が均衡して、空間に緊迫した力感が漲る。いつになく厚みのある舞台が出現した。
物語も踊りもあまりカットされているとは感じられなかったが、意外に速く進行した。ルジマトフのテキパキとして所作が、スピード感をいっそう高めたのかもしれない。メドーラはコンラッドに奴隷の解放を要求するなど、物語と舞台全体にも関わる姿勢をみせて積極的に演じていたが、ほかのの女性ダンサーは、自身のことに大忙しで、あまり余裕が無いように感じた。しかし、これはルジマトフの動きが決まり過ぎるくらいに決まっていたためにそう感じられたのかも知れない。
(2015年1月8日 東京文化会館 大ホール)

「海賊」アナスタシア・ソボレワ 撮影/山本成夫

「海賊」撮影/山本成夫

「海賊」撮影/山本成夫

「海賊」撮影/山本成夫

「海賊」撮影/山本成夫

「海賊」撮影/山本成夫

「海賊」エカテリーナ・ボルシェンコ 撮影/山本成夫

エカテリーナ・ボルシェンコ

「海賊」撮影/山本成夫

「海賊」撮影/山本成夫(すべて)

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