4月10日に振付家のピエール・ラコットが亡くなったとパリ・オペラ座が発表した。
ピエール・ラコットは1932年4月4日にパリ郊外のシャトゥに生まれた。1942年にパリオペラ座バレエ学校に入り、1951年にプルミール・ダンスールになった。演出家セルジュ・リファールは彼とクロード・ベッシーを使って『七重奏曲』を初演した。
ラコットは振付家としては、1954年にジャズ音楽家のシドニー・べシェの音楽を使って『夜は魔法使い』をシャンソン歌手のエディット・ピアフに振付けて大成功を収めた。そののち、マリー・タリオーニが踊った舞踊史に名高い『ラ・シルフィード』を妻のギスレーヌ・テスマーとミカエル・ドゥナールために復刻した。この舞台は1972年元旦にテレビのカラー化に際して放映され、高い評価を受けた。さらに『コッペリア』『パキータ』といった19世紀バレエの復刻上演も手がけた。また、2021年にパリ・オペラ座バレエ団のためにスタンダールを原作とする『赤と黒』を振付け、衣装と装置もデザインしている。
アレクサンドル・ネーフ、オペラ座総監督は「ピエール・ラコットが残した全振付作品をパリ・オペラ座に残された栄誉ある遺産として受け継いで行く」と偉業を讃えた。ジョゼ・マルティネス舞踊監督は「クラシック・バレエはピエール・ラコットというバレエの師に多くを負っている。彼から託された貴重な遺産を将来の世代まで守り続けて行く」と語り、追悼の意を表した。