速報!! パリ・オペラ座舞踊監督、オーレリー・デュポンが辞任へ

ワールドレポート/パリ

三光 洋 Text by Hiroshi Sanko

Ballet de l'Opara national de Paris. Aurélie Dupont, Directrice de la danse de l'Opéra de Paris, quitte ses fonctions.

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©Sophie Delaporte/ Opéra national de Paris

パリ・オペラ座は6月16日にコミュニケで「オーレリー・デュポン 舞踊監督が本年7月31日付けで退任する」と発表した。1983年にパリ・オペラ座バレエ学校に入学して以来、ほぼ四十年間を過ごしてきたオペラ座を離れることになる。

オーレリー・デュポンは2016年2月4日にステファン・リスナー前総監督によりバンジャマン・ミルピエの後任として舞踊監督に任命された。2015年5月18日にケネス・マクミランの『マノン』で引退してわずか九ヶ月後の任命だった。「任命から一年で、ダンサーたちから不在がちで対話がなく、対人関係が唐突だ、という批判が起こった。プログラムも当初はクラシックの大作を排除したバランスを欠いたものだったが、アレクサンドル・ネーフ総監督の影響で改善された。」(「フィガロ紙」アリアーヌ・バヴリエ記者)
こうした問題点があったものの、オペラ座バレエ学校出身者を中心とするダンサーの水準は高く、座席占有率も98%(2021・22年シーズン)と高く、バレエ団の状態は良い。元スジェのサブリナ・マレムをメートル・ド・バレエ・アソシエに迎え、一流の指導チームを作り上げた。デュポンはスタジオでの演技指導にも優れていた。

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© Opéra national de Paris

そしてデュポンは「今日、舞踊監督としての義務を果たしてこの素晴らしいバレエ団を去ります。若手ダンサーや振付家の才能を開花させるために手を貸すことができたことが最大の誇りです。注意深く見守ってくださった総監督、ダンサー、奏者、舞台監督、技術者と仕事ができたことは私にとって誇りであり、大きな幸せをもたらしてくれました。私を信頼してくれた総監督(ステファン・リスナーとアレクサンドル・ネーフ)と観客に感謝しています。才能があり、情熱を持って練習し、舞台に立ち、常に芸を完璧にしようとしているダンサーたちのことを思っています。」とコミュニケで述べている。
舞踊監督辞任後は、著書の執筆、映画とミュージカルへの出演などを行うという。後任はフランス翰林院の会員であるベルナール・スティルンが主宰する選考委員会が、アレクサンドル・ネーフ総監督を補佐して決定する。

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