オペラ座ダンサー・インタビュー:レオノール・ボーラック

ワールドレポート/パリ

大村真理子(マダム・フィガロ・ジャポン パリ支局長)
text by Mariko OMURA

Léonore Baulac レオノール・ボーラック(カドリーユ)

11月9日に女性ダンサーの昇級コンクールが開催された。コリフェの2席を目指して参加したカドリーユは18名という高い競争率。結果は1位オニール八菜、2位レオノール・ボーラックで、この2名が来年1月1日よりコリフェに上がることが決定した。

今季の幕開き公演『椿姫』で愛らしさを武器に男に媚を売る、ちゃっかり、そしてしたたかな高級娼婦オランピア役を踊ったレオノール。外見的にもこの役に相応しいことに加え、なかなかの女優ぶりを発揮して好評を博した。しかし金髪、華奢な身体、しなやかな手足の持ち主の彼女に似合ったとはいえ、こうしたオランピア的な役だけには閉じ込められないダンサーである。彼女がコンクールの自由曲に選んだのは、フォーサイスの『イン・ザ・ミドル・サムワット・エレヴェイティッド』。驚くべきエネルギーを放ち、舞台上に若さを炸裂させ、身体能力の高さも証明した。12月4日からバスチーユで公演が始まった『眠れる森の美女』では、プロローグでジェニファー・ヴィゾッキと二人で愛らしい妖精のヴァリアシオンを踊る。今後、名前を目にする機会が増えるに違いない注目に値するダンサーだ。

Q:昇級おめでとうございます。コンクールの自由曲に、なぜ『イン・ザ・ミドル...』を選んだのかを教えてください。

A:昨年の12月にオペラ座で『イン・ザ・ミドル...』の公演があって、その時に2つの異なるパートを踊ったんです。それで、この作品がものすごく気に入りました。フォーサイスを踊るのも、この作品も初めて。すべてが順調に進み、リハーサル・コーチも私を評価してくれました。私、このスタイルが本当に気に入ったの。作品のエネルギーに、すっかり陶酔させられて・・。コンクールでは自分が好きで、自分を引き立てることのできる作品を踊りたいものでしょう。それで、舞台上での爆発的効果も期待できるので、これにしよう! と決めたんです。

Q:オペラ座では踊っていないパートをコンクールで踊りましたね。稽古はどのように進めたのですか。

A:コンクールで私が踊ったヴァリアシオンはシルヴィ・ギエムが踊ったパートで、オペラ座の公演では私はそのパートを踊っていません。それでフォーサイトスのリハーサルコーチのローラ・グラハムに連絡をとったの。3日間の休みを利用してドレスデンにいる彼女のところまで行って、稽古をしたんです。素晴らしい経験でした。ト

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コンクール
photo/Sébastien Mathé/Opéra national de Paris

Q:昨年のコンクールでは、今年とはまったくスタイルが異なる『白鳥の湖』の黒鳥のヴァリアシオンでしたね。

A:「これ試してみたら」と、オーレリー・デュポンから勧めがあったので。「このヴァリアシオンは技術的にとても難しく、もし、上手く踊れたら審査員に認めさせることができるわ」と。こうした方向へと彼女の指導があって...。どちらかというと上手くいったのだけど、審査員を納得させるまでは至らなかったというわけです(笑)。

Q:どちらかというと黒鳥より白鳥の方があなたにはイメージしやすいのですが、意外性で審査員を驚かせるという意図もあったのですか。

A:もし私が一人でヴァリアシオンを選んでいたら、きっと白鳥を選んだでしょう。確かに私には人々は黒鳥を見いださないと思います。まあ、それゆえに試してみたわけですが・・・。

Q:『イン・ザ・ミドル・・』のヴァリアシオンの後、今年は上がれそう! というような思いはありましたか。

A:2008年に入団して以来、今回は5回目のコンクール。過去のコンクールでは上手く踊れたのに、3名しかポストがないところ私は4番目だったとか、がっかりした経験があるので・・・。今年はコリフェ2席に対して、それを目指す私たちカドリーユは18名もいました。確かに上手くいったけど、あえて失望するようなことはしたくないので、「コンペティションは罠であって、審査員が誰を選ぶのかはわからないのだから・・・」、と自分に言い聞かせていました。

Q:昇級はどのように知りましたか。

A:自宅でオペラ座のホームページを見て、なの。これなら、もし発表の張り出しを見に行って、だめだったときに人前で泣くこともないでしょう。その前に、 多分昇級、というメッセージが携帯電話に、入ったけど、がっかりしたくないので正式発表を待ちました。そして、友だちがオペラ座に張り出された発表の紙を写真にとって、送ってくれました。

Q:昇級を知ったとき、どんな気持ちでしたか。

A:もちろん満足し安心もしたのですが、奇妙なことに、まだストレス状態から抜け出せなくって...。信じられなくって・・。時間が必要でしたね。その晩も眠りが浅く、朝の6時に目覚め、というように。翌日の日曜に、徐々に徐々に昇級が本当のことなのだと理解できて・・。歓びの爆発、というのは無し。とにかくストレス!

Q:それではコンクール前のストレスはさぞ大きかったでしょう。


A:はい、ものすごいストレスでした。これはコンクールの度に毎回のこと。しかも回を増すごとにストレス度が高くなってます。というのも、今年こそ上手くゆくように! って思うのだ。特に今年はたった2席しかなかったので・・。でも 幸いなことに、年月のおかげでストレス管理ができるようになって、今回はパニックを起こすことなく終わって満足です。というのも、過去に舞台上で踊りながら、ああ駄目だわとか、私ってだめ、とか・・・集中する代わりに、ステップごとに自己批判してしまっていたのよ。ところが、今回は頭の中がとてもクリアーで、ヴァリアシオンに集中できたんです

Q:コンクールという場でストレスを抱えながらも、踊りながら歓びを得られるものですか。

A:はい、今回は自由の『イン・ザ・ミドル...』がそうでした。これは好きな作品で、音楽にも乗せられますから。去年オペラ座の舞台で、同じ音楽、同じコスチュームで舞台に立っている、ということも役立っています。だからといって、踊る歓びに流されることはせず、ステップの正確さへの思いも怠りませんでした。流されてしまうと、エネルギーを見せることができても、踊りのクオリティが下がってしまうでしょう。コントロールは大切! 私は活力があり、かつ神経の高ぶってしまう質なの。だからストレスによって、その傾向がもっとひどくなってしまいます。ステップの正確さを求めて1か月間スタジオで稽古したこともある。を見せるのが、コンクールで踊る目的。それが、いざ舞台にたって、エネルギーに流されてしまったら、ばかばかしいでしょう。

Q:クラシックあるいはネオクラシック、どちらが好みですか。

A:どちらかというとネオクラシックです。もちろん、作品によってはクラシックでも好きなのがありますよ、『ジゼル』とか。でも、確かに私はネオクラシック作品により興奮されられますね。より音楽的で、身体をたくさん動かすし・・

Q:身体を動かせる、というのは大きなポイントですか。

A:ここはこう、というようにカチッとしたのより、好きですね。でも、すべてにオープンだし、まだまだこれからたくさんの発見をしてゆきたいわ。

Q:『椿姫』のオランピア役で観客の高い評価を得ましたね。カドリーユのダンサーがこの役に配されるのは珍しいのではないですか。

A:これは、ブリジット・ルフェーヴル芸術監督が私を配役してくれたわけですが、カドリーユのダンサーにとっては滅多にないことだと思います。彼女、私には比較的良い配役をしてくれています。『椿姫』では、最初は公演予定のない代役で、それもこの役の代役は複数いたので、舞台で踊れる!というような幻想は描かないようにしていたの。私は、4番目の代役。それが、オランピア役だったミリアム(・ウルドブラーム)、エヴ(・グリンシュタイン)が別の役に専念することになって、それによって配役がずれていって、私がオランピア役で舞台にたてることになったの。幸運だったのは、コーチのクロティルド・ヴァイエがジョン・ノイマイヤーも立ち会っていた舞台リハーサルに私を出してくれたこと。彼女のその配慮のおかげですね。彼は私を見て、もし何か問題があったら彼女を舞台に、といってくれたんです。

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「椿姫」
photo Julien Benhamou/Opéra national de Paris

そのおかげで3回踊れることになって、最終的には5回も踊れたのよ。こうしたタイプの踊りは好きだし、とても素晴らしい経験でした。カドリーユの私には、本当に素晴らしいチャンス。『椿姫』は好きな作品で、ショパンの音楽も衣裳も素晴らしくて。オランピア役は美しい贈り物でした。

Q:役作りが必要なタイプの踊りは好きですか。

A:このように演じられる役、好きです。こうした役にはパ・ド・ドゥが多くあって、誰かと一緒に踊ることで物語を紡ぐのは楽しいですよね。そして物語を語る踊りには、1つ1つの動きに意味があります。ある種のパには集中が必要です。でも、アルマンを誘惑するシーンでは、それに専念すると、パも自然についてくる、という感じで・・・。

Q:どのように役作りをしましたか。

A:原作を読みました。 それでいささか軽薄、そして自信たっぷりに、この世界で上に上がれるなら何ごとも躊躇わず、というタイプのオランピアが見えたの。若くって、怖れることが何もなく、ただ、ひたすら金持ち男をつかまえることを考えているっていう女性。狙った男がだめでも、それは、たいしたことじゃない、他の男がいるわ、って感じに..。来年は『椿姫』の来日公演があるけれど、私は代役としてのツアー参加なので、日本でオランピアが踊れるかどうか・・。

Q:これが一番最初にもらった大きな役ですか。

A:コンテンポラリー作品では、カドリーユのわりには配役に恵まれています。『イン・ザ・ミドル・・・』もそうだし、その前にアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマケイケルの『レイン』にも配役されたんですよ。これ、2011年だったかしら。彼女が、私をソリストの大役に選んでくれたの。これが私のオペラ座でのソリスト初経験となりました。

Q:では来年からコリフェになって、何が変わると思いますか。

A:セオリー的には多くのことが変わらないけれど、カドリーユというのは代役で、まったく踊らずに終わることがあります。これ精神面ですごくキツいのよ。なぜって、私はダンサーなのに踊らない、ということなのだから。 舞台裏で待ってるだけで、フラストレーションがたまります。
でも、コリフェとなったらコール・ド・バレエとして舞台に立てるんです。これからもソリストとして踊れる機会があるかどうか、それは上層部次第。私を役につける義務がありません。それでも、彼らが私に役をくれるとしたら、それは素晴らしいプレゼントだわ。

Q:ダンスは何歳のときに始めたのですか。

A:4歳のとき、 仲良しの従姉が習っていたので母が同じダンス教室に私を入れてくれたんです。でも、4歳でしょう、何か上手くできるとキャンディーがもらえる、というような感じで通っていたのを覚えています。

Q:すぐに気に入りましたか。

A:はい、すごくというほどではなかったけれど。とにかくエネルギーいっぱいの子どもだったので、その消費が必要だったんです。でも、情熱は割と早いときからあったと思います。6歳の時に教室を変えましたが、10歳のときに、その学校は教え方が悪く、良い学校ではない、ということがわかったの。母が上級クラスの生徒の踊りを見て、「変ね、あの子たち、少しも優雅じゃないわ。この学校はよくないのではないかしら」と思ったのがきっかけです。母はダンスのことはよく知らないけど、でも、ダンスをするのって、優雅な動きを求めてのことでしょう。それで、年の離れた姉が他のバレエ学校に通っていたので、私もそちらに移りました。10歳のときに、その学校で本格的にバレエを始めたといえますね。その学校で習い始めたとき、私の踊りをみた先生は動転してしまいました。なぜって、私はするべきことの正反対ばかり教わっていたので。私には素質があるのに、なんてひどい教わり方をしてきたんだろう、って。そこで、ゼロから再出発。ここで、ダンスが好きになったんだと思います。というのも、泣いてばかりだったけど、それでもダンスを続けたいと頑張ったのだから。個人レッスンとか、辛かったですよ。

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「眠れる森の美女」photo Sébastien Mathé/ Opéra national de Paris

Q:子供の頃に見て何か気に入ったバレエ作品がありますか。

A:オペラ座の学校のデモンストレーションを見て、気に入ったことを覚えています。最初に見たバレエ作品は『ドン・キホーテ』。オーレリー・デュポンとカルロス・アコスタというこれ以上ない組み合わせでした。オペラ座のバレエ学校の試験を受けたのは、10歳半くらいの時です。新く入った学校で、先生と一緒に稽古、稽古を続けて・・・。でも、まだここで習い始めてすぐのことだったので時期がいささか早すぎました。入学ができず、そして次の年は、受験年齢が規定を3週間上回ってしまったの。これはちょっとがっかりでしたね。でも、いいわ、パリのCNSMがあるからって。ここで2年を経過したところで、オペラ座のバレエ学校にビデオを送りました。それで、プラテル校長が私をオーディションしてくれ、学費支払い生徒として入学したんです。2005年、15歳でした。セカンド・ディヴィジョンから入って、プルミエ・ディヴィジョン。その後の入団試験に受からなかったので、プルミエ・ディヴィジョンをもう1度。そして、2008年に入団できました。学校は18歳まで在籍できます。私は入学したのが遅いので、8歳から学校にいる生徒に比べると逃したことは大きく、二度目のプルミエ・ディヴィジョン時代に、やっと自分に自信をもつことができたの。技術的にも演技的にも学ぶことが多く、良い1年を過ごしました。2度めのプルミエ時代の学校の公演では、『祭りの夜』のソリストに選ばれました。また、『シンフォニー・イン・3ムーヴメント』でコンテンポラリー作品を知る機会にも恵まれて、こうして自信をつけていったの。

Q:3年間の学校時代の最高の思い出は何ですか。

A:『シンフォニー・イン・3ムーヴメント』! とても上手くいって、これによってコンテンポラリー・ダンスに開眼したんです。コーチも素晴らしく・・それに、クラシック・バレエでいつも同じように身体を動かしてたところで、新しい動かし方、それも美しい動かし方を発見するって、とっても楽しいことでした。

Q:来年7月までの今シーズンでは、踊りたい作品が何かありますか。

A:『オネーギン』が大好きなの。過去にコール・ド・バレエで踊っていて、オルガ役が私の憧れなんです。ヒロインのタチアナ役も素晴らしいけど、この役には成熟が必要なので、今の私にはまだ早すぎるでしょう。その点オルガ役は今の私にできる、とても気になる役。あいにくと、私は『オネーギン』ではなく、同時期公演の『令嬢ジュリー』、『フォール・リヴァー・レジェンド』の方に配されていて・・・何か、素晴らしいことがこちらで待ってるといいのだけど。

Q:実現はさておき、踊りたい! 夢見る作品はありますか。

A :私、トップ3があるんです。『ロメオとジュリエット』のジュリエット! 振付はヌレエフのでも誰のでも、プロコフィエフの音楽でなら。それから、なぜかはわからないけど『ジゼル』。古くさいバレエに思えるけど、この作品がもたらす感動は不変よね。コンテンポラリー・ダンスでは、『ベルナルダの家』の妹役。エレオノーラ・アバニャートやシャルロット・ランソンが過去に踊っていて、私はこの作品が好き。そしてこの妹役が特に好きなんです。それから、ピナ・バウシュの『春の祭典』に出られるのなら、役はなんだってかまわない。彼女の『オルフェとエウリディーチェ』には出ていて、これ、すごくすごく気に入りました。『春の祭典』はまだだけど、このストラヴィンスキーの音楽の大ファンなの。こんなすごい音楽に釣り合う振付はよほどのものじゃないと・・・。彼女の振付は、この音楽をより美しいものにしていると思います。音楽と振付の調和! 信じられないほどで、この作品に心が揺さぶられました。私にとって、音楽はとても大切な要素なの。音楽が良くないと、踊るのが辛いですね。作品の始めから終わりまで全部の音楽がだめ、ということがないのが幸いです。

Q:身体のために何かしていますか。

A :ヨガをしなくては・・と思っています。瞑想という点で、ヨガは私のようにすぐに精神が高揚してしまう人間にはよいと思うので。一度、40度の部屋でするビクラムヨガに参加したら、体調を崩してしまったの。私の身体は仕事柄鍛えられているというのに、失神寸前するかと思ったくらい。一度で水分も3キロ失ったし・・・。 ヨガにはいろいろな種類があって迷うけど、とにかく始めて見ないことにはね。2年くらい前に背中が悪いときにジャイロトニックを始め、これはとてもよかったわ。これは回数を重ねて行きたいです。

Q:食事には気を使いますか。

A:時期によりけり。例えば、今取り組んでる『眠れる森の美女』のように、リハーサルが1日中続くようなときは消費するものも多いので、食べたいものを気にせずに食べます。もっとも両親が医者の家庭なので、健全な食事に慣れていて、バランスのとれた食事をとる習慣があります。クラシックでシンプルな野菜料理とかが好き。肉とかハンバーガー、っていうタイプじゃないんです。朝もしっかりした食事を心がけてます。 全粒粉パンとか・・・。

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「眠れる森の美女」photo Sébastien Mathé/ Opéra national de Paris

Q:自宅で料理を作りますか。

A:時間があれば料理は好きなのでしますよ。今は『眠れる森の美女』のリハーサルで忙しいので・・・。 でも、時間あるときは、つまり仕事量が少ないときなので食事には気をつけないとね。私のパートナーもダンサーで、彼は私ほど野菜が好きではなく、すごく食いしん坊。彼のためにはクリームを使った料理などを作ります。

Q:模範にしているバレリーナはいますか。

A:作品、役によって、さまざまなダンサーからインスピレーションを得るようにしています。オペラ座の大勢のダンサーたちは崇拝に値しますね。コピーをするのではなく、彼女たち各ダンサーから学べる事を取り出してゆきたいと思うの。小さなときから好きなダンサーは、オーレリー・デュポン。オペラ座外ではアリーナ・コジョカルを崇拝しています。ビデオで見るだけでもすごい感動を得られるのだから、本当に見たらさぞかし・・と思います。ぜひアリーナの生の踊りを見てみたいです。

Q:これまでに辞めたいと思ったことがありますか。

A:昨年は、ずっと舞台裏に控えているだけで、私にとって辛い一年だったの。辞めよう、とまでは思わなかったけど、入団以来一番不孝に感じた時期です。さっきも話したように、舞台裏で何もしないでいるのって、フラストレーションでいっぱい。精神的に辛い時期だったわ。

Q:フラストレーションの解消法はありますか。

A:幸いなことにオペラ座外でのガラに参加する機会が多くあるの。サミュエル・ミュレーズのグループ ''トロワジエム・エタージュ '' では、フランスだけでなく、海外でも公演をしています。これは精神面で、素晴らしい支えとなりますよね。ガラが思い出させてくれるんです。舞台裏で待ってるだけの出来損ないの存在ではなく、私はダンサーなんだわって、って(笑)。良い配役やソリストの役をブリジットがくれたおかげで、士気がアップすることがあるにせよ、 辛い時期が続くと、いい加減、こんな風に思ってしまいますよね。人によっては、こうした時期がそれほど長くないダンサーもいるけど、私、こうした位置に5年もいたので。

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サミュエル・ミュレーズのグループ公演から

Q:来期、新しいディレクター、バンジャマン・ミルピエの就任によって、どんな変化を期待していますか。

A:そうですね....新しいエネルギー 。彼の就任は人々を揺さぶることになるでしょう。誰しも、新しいディレクターのために快調であろうとするでしょうから、これは良いことですね。彼はマスコミ注目の人物なので、それによってオペラ座について海外での報道も多くなるだろうし、オペラ座にとっていいことですよね。私たちダンサーの1日の時間割について、彼は変革を考えてるようです。例えば、早い時間に始めることや、休息や食事時間など。ダンサーにとって有益な変化があるのを期待しています。プログラムについていえば、クラシック・バレエが減るという噂もあるけれど、先日行われたミーティングの席で、彼はオペラ座にとって古典大作というのは不可欠なものであることを認識しているといってました。新作にはきっと彼のパーソナルタッチが加わるでしょう。新しいコレオグラファーと仕事ができる機会があれば、それはとても士気高揚に役立ちます。私は新しいことに対して、オープンな質。彼のことは知らないので多くは語れないけれど、いずれにしても彼を迎えることで、オペラ座のみんなの士気が高まるのは確かなことでしょう。

<<10のショート・ショート>>
1.プティペール:いません。
2.プティットメール:ドロテ・ジルベール。
3.好きな時間の過ごし方:読書。滅多に会えない両親や祖父母など家族と過ごす時間。
4.ダンサー以外に考えられる職業:子供が大好きなので、将来、保育所の先生になれたらと思っている 。
5.好きな香り:オレンジの花の香り。5年越しで愛用しているパウダリーな花の香りの香水Chloé(バッグに香水ボトルを常に携帯している)
6.次の夏のバカンス:スリランカに行きたい。
7.贈られたら嬉しいギフト:昇級祝いに父がジュエリーを贈ってくれることになっていて、これは嬉しい。好きな人々と美味しいガストロノミック・レストランでの食事。
8.自分で思う性格の良い面:陽気でオプティミスト。
9.日本の最高の思い出:神経学研究員の姉が9か月住んでいた京都に、ツアー中の休日に往復したこと。滅多にないチャンスで、金閣寺、伏見稲荷なども見学。
10.満足している最近の買い物:私ではなく母が買った暖かいダウンジャケット。これは、12月の夜10時30分に終わる『眠れる森の美女』の時期には最高の防寒着。 

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