オペラ座ダンサー・インタビュー:オードリック・ブザール
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掲載
ワールドレポート/パリ
- 大村真理子(マダム・フィガロ・ジャポン パリ支局長)
- text by Mariko OMURA
Audric Bezard オードリック・ブザール(プルミエ・ダンスール)
昨年11月の昇進コンクールで、1席のプルミエ・ダンスールのポストを得たオードリック。オペラ座の来日公演『天井桟敷の人々』(ジョゼ・マルティネズ振付)で名古屋、東京にてラスネール役を初役で踊る。
1月のオペラ座シドニー公演の『ジゼル』ではヒラリオン、3月のガルニエ宮では『ル・ルー(狼)』の狼、それに続き『マーラー交響曲第三番』ではl'Ame、5月に入って『火の鳥』のリーダー。そしてもうじき『天井桟敷の人々』で・・・と、オードリックの2013年はソリストとしての初役続きである。さぞ壮絶な稽古の日々だろうと想像するのも難くない。『火の鳥』の3公演のうち2公演を終えたとはいえ、来日を前にラスネール役の稽古も佳境に入るし、と、まだまだ息つく暇もないという状況である。会場狭しと、立派な体躯を武器に力強さと優しさが共存する美しいダンスを見せる彼。忙しい合間を縫ってのインタビューだが、穏やかな口調で1つ1つの質問に丁寧に答えてくれた。
Q:今年からプルミエ・ダンスールですね。コンクール後に昇級を知ったとき、どう感じましたか。
A:友だちとか周囲の人のほうが僕より感動していて、ちょっと奇妙な感じだったんですよ。僕は疲れていて、それに課題も自由も、どちらとも自分の演じたものに満足ではなかったので・・・ちょっと、がっくりしていました。コンクールって難しいもので、ついネガティブになってしまうんです。公演で味わう舞台の喜びとかと違って、コンクールって特殊ですよね。
Q:昇級後の大きな変化は何ですか。
A:スジェとの最大の違いは、もうコール・ド・バレエをしないということ。仕事の質がまったく異なり、ずっと快適です。自主的に稽古を進められますから。自分が準備できている、できていない。自分はこれが必要・・・といったことでリハーサルを進められるのです。コール・ド・バレエでは、自分が準備できていても他の人がまだならやり続けなければならないし、その逆もあるし。ソリストは自分の仕事に集中でき、的を絞ってできるので、時間のロスが少ないですね。
Q:自分がプルミエ・ダンスールになったと、どの時点で実感しましたか。
Photo Sébastien Mathé -
Opéra national de Paris
A:すぐです。昨年12月にフォーサイスの『イン・ザ・ミドル・サムワット・エレヴェーティッド』で、ソリストで踊りましたから。もっとも、これはコンクール以前から決まっていたことですけど・・・。プルミエ・ダンスールというタイトルになってからは年頭にオーストラリア・ツアーの『ジゼル』で、ヒラリオンを踊りました。『ジゼル』ではそれまではコール・ド・バレエだったので、ソリストになったとこれで心底実感しましたね。ヒラリオン役はすごい大役、というのではありませんけど、もうコール・ド・バレエじゃなく、ソリストになったのだなあ、と。リハーサルのときに、奇妙な感じでした。というのも、カンパニーに属しているのは変わらないに、コール・ド・バレエではないから周囲に誰もいず、一人というのが。
Q:現在初役が続き、ますます実感という状況ですね。
A:正しく!強烈ですよ。「ローラン・プティの夕べ」では、『ル・ルー(狼)』で狼、そして『カルメン』のエスカミリオ。ドン・ホセの代役でもありました。『狼』、これは素晴らしい役でしたね。これはソリストとしての最初の大役といえます。
photo: Julien Benhamou/ Opéra National de Paris
photo: Julien Benhamou/ Opéra National de Paris
Q:その後が『マーラー交響曲第三番』でしたね。
A:はい。それから『火の鳥』で、そしてラスネール役を目下準備中と、3作品にとりかかっています。だから、今、肉体的に大変きつい時期です。
Q:これまでに得た役で、精神的な準備を多く要したのは何ですか。
photo Agathe Poupeney/
Opéra national de Paris
A :『火の鳥』ですね。25分の作品の最後まで、一瞬も弛みなく踊るというのは、メンタルな面でもきついものです。肉体的にきつかったのは『ル・ルー』。このパ・ド・ドゥは長いし、振付も複雑。指がひきつりそうな狼もポーズも疲れるし。プティの『失われた時を求めて』のサン・ルーとモレルのパ・ド・ドゥも好きな作品なのですが、身体には大変でしたね。まだ、3幕物の古典大作というのは経験がないのですが、これも厳しいのだろうな、と想像しています。ベジャールの『春の祭典』で生贄を踊ってますが、こうしたのとは身体的にも精神的にも別のタイプの疲労があるのだろうな、と思います。
Q:健康管理はどのように行っていますか。
A:健全な生活を送ることです。夜は外出せず、よく食べて身体を良い状態に維持し・・・。なにが大変かというと、公演が交互にあることなんです。『火の鳥』が昨日あり、あさっては『マーラー交響曲第三番』、その翌日はまた『火の鳥』というように。そして、その10日後には日本へ出発というわけで、いささか複雑です。でも、管理できることです。
Q:大変さもソリストになった喜びの1つですね。
A:そうですね、役から役へと。とりわけ、『火の鳥』のような作品を踊れたのですから。これは絶対に踊りたい! という作品ではないのですが、踊れたらいいなと思っていたものの1つですから。
Q:『火の鳥』では見事なリーダー役でしたね。役作りの秘訣は何でしょう。
A:ベジャールの振付がうまく出来てるので、流れにまかせるだけです。幸運にも作品創作ダンサーのミカエル・ドナールがコーチしてくれたんです。腕の仕事も大切ですが、この作品では観客に対しての視線が果たす役割も大きんですよ。彼の指導にまかせ、舞台では音楽に身を任せ・・・。
Q:音楽に導かれて踊ることも多いですか。
A:僕にとって音楽はとても重要です。とりわけ難しい役の場合。例えば『火の鳥』。先に話したように、肉体的に本当に厳しいです。コール・ド・バレエで過去に踊っていますが、これほど肉体的にきつい振付だとは想像もしていませんでした。最後のヴァリエーションはカオス! もう、これは本当にきつい。そこで、幸いにも音楽にのせられて踊り終える、というわけです。最後まで頑張れるのには、音楽が役立っているんです。
Q:『マーラー交響曲第三番』『火の鳥』の2作品とも、ともに踊り、ポルテをするのが女性ダンサーではなく男性ダンサー。あなたのパートナーはフローリアン・マニュネでした。親しいダンサーが相手というのは、助け合いというか何か良い舞台効果が生まれるものですか。
A:僕にとっては重要なポイントですね。自分が好きなダンサーと舞台をともにできること、舞台上で交換しあうものがあること・・・。観客がそれを感じるかどうかわかりませんが、彼のようにとても近しい友だちと踊るというのは、舞台の上で感情面でより多くのことが起きるものなんです。もちろんアーチストですから、そうでないときでもより多くをと、努力はしますが。リハーサルの雰囲気も良いし、舞台がより快適に感じられるのは確かなことです。
Q:ベジャールの作品は『ボレロ』をいつか踊りたいというダンサーが多いですが、あなたはいかがですか。
A :もちろんですよ! 僕、踊りたいバレエが3つあります。『ボレロ』『マノン』そして『白鳥の湖』。この3作品をずっと夢見ているんです。『白鳥の湖』はぼくにとって、クラシックバレエを代表する最高の作品。『マノン』はなぜかというと、ぼくパートナーシップが好きなので。女性ダンサーとともに踊るのが好きなんです。ポルテとか。とりわけ『マノン』のパ・ド・ドゥは美しいし、音楽も信じられない素晴らしさ。『ボレロ』、これはもう説明不要でしょう。
Photo Laurent Philippe /
Opéra national de Paris
Q:誰の振付が一番身体にフィットしますか。
A:好きな振付家の作品でも、それを踊るのに自分が優れたダンサーとは必ずしもいえないと思います。僕が好きなのはキリアンですけど、でも彼の振付、スタイルに自分がピッタリのダンサーだとは思えません。ローラン・プティ、ベジャールといったもっとエネルギッシュな作品が、僕にはいいですね。
Q:バレエの創作に関わるのは好きですか。
A:クリエーションのシステムというのが、実はあまり好きじゃないんです。長いことスタジオに座って待って、どんな振付作品なのかもわからないでいて・・・というのは。これって、少し特別なケースかもしれませんけどね。僕は、作品のグローバルなアイディアを先に知りたいタイプ。だから未知の作品を踊るとか、創作ダンサーになるというのはどうも苦手です。完成作品の仕事がいいです。忍耐がないんですね。すぐに舞台の上で踊りたい、という気持ちが強くって(笑)。
Q:確かオペラ座のバレエ学校時代にも、舞台で踊る機会がほとんどないので学校を辞めたくなったのでしたね。
A:そうです。学校に入れば舞台があると思っていたのですが、実際はそうではなくって。小さいときから地元のモダンジャズダンスのカンパニーで、毎夏、僕は舞台に立っていたのですから。舞台で踊りたいのに、毎日がレッスンという学校生活というのは・・・。
Q:それでは、今は文句のつけようのない毎日ですね。
A:そうですね。でも、僕、少し変わったんですよ。リハーサルにも幸せを見いだせるようになったし、パートナーとの稽古も楽しいですし、振付家やリハーサルコーチと仕事をするのも好きになりました。舞台だけにしか楽しみが見いだせない、ということではなくなりました。それは自分が成長したというより、レッスンばかりの学校と違ってカンパニーでは舞台以外でも役作りの仕事とか、することが違うせいでしょう。
photo: Sébastien Mathé/
Opéra national de Paris
Q:学校時代の最高の思い出は何ですか。
A:学校ですか? ツアーは第六ディヴィジョンのときにみんなが日本にゆき、第四ディヴィジョンのときにも別のツアーがあって、でも、僕はそれにも参加できず。
小さすぎたり大きすぎたりで、チャンスに恵まれなかったんです。良い思い出といったら、そうだな、毎年一級づつ上がっていったことくらいか・・・ああ、1つあります! ベジャールと『ダンス・グレック』を準備したことですね。彼が学校にきて、クロード・ベッシー、そして僕と同じ役を交互に踊ることになっていたセバスチャン・ベルトー、そして僕の4人で夜遅くに仕事をしたんです。17歳の生徒にとって、こうした人物と供に仕事ができるというのは、良い思い出ですね。素晴らしい時間を過ごすことができました。
Q:自分はダンサーに生まれたと思いますか。ダンサーになった、と思いますか。
A:ダンサーに生まれた、と思っています。というのも、生まれてこのかたずっと踊ってますからね。3歳半で踊りはじめていて、ダンスが仕事かどうかなんて、考えたことがありません。踊ることは、とても自然なことなので。
小さいとき、弁護士になりたいとは思ったことあります。ダンサーで弁護士! です。仕事を持つなら、弁護士だと。音楽がなると踊りだすという子供で、母は姉が習うモダンジャズダンスの教室に連れて行ってくれて、それからずっと踊っています。
Q:プルミエ・ダンスールの次のランクはエトワール。どの演目で任命されたいと思いますか。
A:(しばし間をおいて)エトワールという立場は・・・どういったらいいのだろう・・・。このところ、大勢が任命されていますけど、僕にとってこのタイトルは特別なもの。エトワールといったら僕の頭に浮かぶのは、オーレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ、ローラン・イレール。自分を彼らと同じ並びにおいてみることが出来ない・・・。これ、説明が難しいのですが、僕はソリストとなった今の立場にとても満足しています。エトワールに任命されるに値するかどうかは、わかりませんし、それに僕が決めることではありません。任命される夢というのは今のところ、見ていません。自分が踊りたいと思う役にアクセスを得られること。これが僕の望みです。エトワールになれたら、それはうれしいけれど・・・。小さいときからの夢とはいえ、僕にはタイトルより役のほうが大切なんです。そのタイトルに自分が値する日がきたら、それはそれでうれしいことすけど。
Q:例えばですが、新芸術監督の就任によって、任命のシステムが変わるということもあり得るのでしょうか。
A:バンジャマン(・ミルピエ)のことですか? そうしたことは、わかりません。
Q :『アモヴェオ』の再演用の創作のため、マーク・モロー、オーレリア・ベレと一緒に 彼とアメリカで仕事をしていますね。
A:はい。ですから、彼とはとても近しい関係にあります。バンジャマンってとてもエネルギッシュな人で、とても寛大な人。ガルニエに『トリアード』のクリエーションで来たときとは全く別で、環境のせいか、アメリカで彼のグループと仕事と仕事をしたときは、すべて上手くゆきました。
Q:アメリカというのは、L.A.ですか。
A:いえボストンです。ボストンにミリオネアーの島があって、そこに3つの大きなダンススタジオを擁す建物があるんです。彼のグループと一緒にそこで仕事をしました。彼らはフォーサイス、そしてバンジャマンのクリエーションの仕事をしていて、それに僕たちがいて・・・。彼、4作品の仕事を同時にしていたんです。彼のあのエネルギー、ちょっとマニュ(マニュエル・ルグリ)のエネルギーに似ていますね。ダンスを継承することへの情熱、惜しみなく与える寛大さ。それに、時速200キロという感じで、あちこちに出かけてゆく。マニュそのものですよ。
Q:何かのインタビューによると、彼はオペラ座のプログラムをよりコンテンポラリーへ、という気持ちでいるようですね。
A:コンテンポラリー、クリエーション・・・何がどう変化するのか、わかりません。でも、オペラ座にはクラシックのレパートリーがありますからね。長いこと僕たちはブリジットと一緒にやってきたので、若干の不安は確かにあります。僕の世代は芸術監督は彼女しか知りませんからね。変化は確かに不安なことですが、でも、バンジャマンにもチャンスを与えないと。彼が提案することをみてみることにしましょう。
photo Anne Deniau/ Opéra national de Paris
僕個人としては、プティやベジャールといったレパートリーはキープして欲しいです。ヌレエフ作品だって、僕たちの一部となっているのですから。
Q:これまでにオペラ座を去ろうと思ったことはありますか。
A:スジェは5、6年。コリフェは1年。その前のカドリーユが6年ととても長かったんです。で、カドリーユの最後の年にコンクールが上手くゆかず、そのときに辞めたいと思いました。6年間コール・ド・バレエで、僕は舞台で踊りたかったし、それも舞台の前の方で。僕、学校の最終年、18歳のときに背が20センチ以上も伸びたので、身体のバランスの取り方など、すべて難しくなったんです。筋肉面でも。それで入団した時に、新しい身体でもう一度学びなおす必要があって、最初の4年はそれが大変でした。その時期に幸運なことに、マニュ(マニュエル・ルグリ)が彼のグループに呼んでくれました。おかげで舞台経験をすることができ、その際に彼と一緒に仕事をすることもでき、僕の持つ可能性を彼が教えてくれて・・・彼は僕に限らず大勢のダンサーの成長を、こうして助けてくれたんです。
僕のダンサーのキャリアにとって、彼はとても重要な人物なんです。彼は本当に多くを教えてくれ、助けてくれました。彼がオペラ座にいないのは、寂しいことですね。
Q:グループ公演というのは、いろいろ踊れるチャンスですね。
A:そうですね。マニュのグループではバランシンやフォーサイスなど踊る機会がありました。『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』もドロテと! 良い作品を踊れたのはマニュ、日本のおかげです。
Photo Anne Deniau /
Opéra national de Paris
Q:もし何かのガラに出演することになったら、踊ってみたい作品はありますか。
A:『マノン』のパ・ドゥ・ドゥでしょうか・・・。何でもいいのでアマンディーヌ(・アルビッソン)と踊れたら、と思います。彼女とは『ル・ルー』で一緒だったのですが、素晴らしいパートナーでした。彼女と踊れる機会があれば、作品は何でもかまいません。
Q:来日公演が迫ってきました。『天井桟敷の人々』は名古屋、東京の両都市で踊りますか。
A:はい。バンジャマン・ペッシュと交代で踊ります。今回初役で舞台にたちますが、オペラ座で再演の時には代役に配役されていました。
Q:ラスネール役というのは爪先の動きが物語るものが多い振付ですね。
A:はい。それにあとは踊る各人がラスネールの色づけをします。僕なりのラスネールを作ろうと思っています。『火の鳥』『マーラー交響曲第三番』が終わったら、この役に集中できます。映画は過去に代役だったときに見ていて、そのときとったメモを保存しているので、それを取り出して役作りを始めるつもりです。
これは物語性の高い作品。語ることが多い作品というのは、僕の好きなタイプです。『オネーギン』のレンスキー役も、だからとても楽しめました。いつかオネーギンが踊れるかどうかわかりませんが、この作品も好きですね。
Q:ガルニエ宮では、幕間に繰り広げられる『オテロ』のシーンでラスネールは観客の間を縫うように会場内を歩き、不穏な空気を漂わせていました。日本でも同様でしょうか。
A:ああ、それは知りませんでした。パリでそうした演出だったのなら、日本のためにもジョゼ(・マルティネーズ)は何か考えるのでしょうね、きっと。もうじきパリに彼が来るので、そうしたポイントについても話があると思います。
Q:来日時に何かしてみたいと思っていることがありますか。
A:日本は5度目になりますが、久しく行っていないのではやく東京を見たいですね。
ブティックとか、東京の全てが大好き。渋谷にも行きたいです。
Q:日本から戻った後は、『ラ・シルフィード』ですか。『シーニュ』ですか。
A:どちらでもなく、今シーズンは日本のツアーでおしまいです。それまでたくさんのことが山盛りで、突然、何もなくなるって奇妙な感じでしょうね。でも今はダンス以外に何かをする時間がなく、帰宅したら自分が踊る予定の作品のビデオをみて、という暮らしなので、日本から戻ったら、普通の暮らしを取り戻すことができるでしょう。
Q:とても長い夏休みですね。バカンスの予定はもう決まっていますか。
A:おそらくギリシャに行くと思います。でも長いといっても、ずっと休むのではなく、ここに来てレッスンは続けますよ。それに実家にも戻ります。長いこと帰っていないし、家族と一緒に夏休みを過ごすのはいいものです。
Q:普段時間のあるときは何をしますか。
A:映画をみたり、友人とディナーをしたり。料理をするのが好きなんで、自宅に仲間を招待します。ブッフ・ブルギニヨンみたいな伝統料理も作れば、何でも作りますよ。和食は魚の切り方とか難しそうなので、まだ試していませんけど。
Q:昨日幸せを感じた瞬間があったら教えてください。
A:昨日(5月9日)は僕の誕生日で、『火の鳥』の舞台がありました。ソリストで、ガルニエ宮にいて、仲間と観客に囲まれて、31歳。ミカエル・ドナールが舞台裏にいて、友だちのフローリアンがいて ...とても良い1日でした。
Q:舞台に上がる前に必ずすることがありますか。
A:一番最初の舞台のときにしたのと同じことを続けています。コーラを飲み、バナナを食べて、水を飲み。同じ時間帯に舞台裏におりてゆきます。コーラは口の乾きを防ぎ、バナナは痙攣防止・・・。いささか心理的なものですけど、何か欠けてしまうと、ちょっと動揺してしまいます。ウォーミングアップの時間は、作品によりますね。『火の鳥』のように、すぐにヴァリアションが始まるものでは、舞台に上がる前に十分に身体が温まっている必要がありますから。
Q:来シーズンの公演で踊る作品は、もう決まっていますか。
A :まだ何も知りません。シーズン開幕にはガルニエ宮では『椿姫』があり、同じ時期に『パキータ』のツアーがあります。この作品ではイニゴ役を過去に踊っています。できれば、『椿姫』のデ・グリュー役を踊りたいですね。
<<7つのショート・ショート>>
1. プティ・ペール:ジェレミー・ベランガール
2. プティット・メール:オーレリー・デュポン
3. 最近のバカンス地:セイシェル島
4. 朝食:時期によって変わり、今はブリオッシュ、ジャム、グレープフルーツ。果物を食べるよう、心がけている。
5. 趣味:音楽を聞く。クラシック、ロック、なんでも聞く。ビヨンセのコンサートにも行く。
6. 最近見た映画:「アイアンマン3」「L'Ecume des jours(日々の泡)「Mud」
7. 宝物:家族(姉とその3名の娘も含めて)。