【ニュース】パリ・オペラ座創立350周年となる2018・19年シーズンのプログラムがガルニエ宮の特別夜会で発表

ワールドレポート/パリ

三光 洋 Text by Hiroshi Sanko

1月29日の夜、ガルニエ宮で定期会員、若者会員、メディア関係者を対象に開かれた特別夜会でパリ・オペラ座創立350周年となる2018 -19年プログラムが発表された。

POB18-19-00-thumb-590x393-70837_1.jpg

冒頭で挨拶するリスナー総監督(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

 冒頭舞台に登場したステファン・リスナー総監督は創立350周年を迎え、オルセー美術館、ポンピドーセンター、フランス国立図書館との連携を強化することを強調した。
その後、オペラ座の初代総監督だった作曲家リュリのオペラ『アルミード』からパッサカーユが、来シーズンも指揮台に立つレオナルド・ガルシア・アラルコン指揮のカペラ・メディテラネ管弦楽団の演奏と、オペラ座ダンサーのジュリアン・ギエマール(Julien Guillemard)の踊りで演じられた。
前半にはオペラ座管弦楽団のコンサートマスター、フレデリック・ラロックとピアニストの久山亮子が演奏するセザール・フランク作曲『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』第1楽章の旋律に乗って、オペラ座バレエ学校の生徒たちが踊り、ドガの絵を彷彿とさせた。

POB18-1904-thumb-293x195-70843_2a.jpg

ジュリアン・ギエマール
(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

POB18-19-10-thumb-293x195-70838_2b.jpg

オペラ座バレエ学校生徒
(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

オペラやバレエの抜粋上演の合間には、演出家や振付家とのトークが行われた。トークの出演者はアレクサンドル・スカルラッティの『カイン、最初の殺人』を演出するロメオ・カステルッチ、音楽監督のフィリップ・ジョルダン、『魔笛』を演出したロバート・カーセン、バレエ監督のオーレリー・デュポン、振付家のマッツ・エックだった。
『3つのグノーシエンヌ』(ハンス・ファン・マーネン振付、2019年の4・5月上演予定)をエリック・サティの音楽をバックにリュドミラ・パリエロと踊ったユゴー・マルシャンが、オーレリー・デュポンにインタヴューし、バレエ監督は「パリ・オペラ座の基礎はバレエ学校であり、伝統の尊重が重要」であることを強調していた。

POB18-19-01-thumb-293x195-70846_3a.jpg

POB18-1903-thumb-293x195-70849_3b.jpg

マルシャンとパリエロ(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

 次いで2019年6・7月に『アナザー・プレイス』と『ボレロ』という二つの新作を発表するマッツ・エックと、オーレリー・デュポン監督との対話があった。
その後、フォーサイス振付の『ブレーク・ワークスI』のパ・ド・ドゥをフランソワ・アリュとレオノール・ボーラックが踊り、最後にはラモー作曲の有名な『雅なインドの国々』の野蛮人のアリア「静かな森」をソプラノのジュリー・フックスとバリトンのフロリアン・センぺが歌って、休憩を含め二時間半にわたる夜会は幕を閉じた。

POB18-1902-thumb-293x195-70852_4a.jpg

POB18-1905-thumb-293x195-70855_4b.jpg

ランソワ・アリュ、レオノール・ボーラック(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

2018・2019年シーズン バレエ演目

☆マーサ・グレアム・ダンスカンパニー(招聘公演)
『Cave of the Heart』『Appalachian Spring』『Ekstasis』『Lamentation Variation』『The Rite of Spring
ガルニエ宮 9月3日から8日

☆「バレエシーズン開幕ガラ公演」

デフィレ
オハッド・ナハリン振付『デカダンス』
ガルニエ宮 9月27日

☆オハッド・ナハリン振付『デカダンス』

ガルニエ宮 9月28日から10月19日

☆ジェローム・ロビンズへのオマージュ

『牧神の午後』『ダンス組曲』『ファンシー・フリー』『グラス・ピーシィズ』
ガルニエ宮 10月29日から11月14日

☆ルドルフ・ヌレエフ振付『シンデレラ』
バスチーユ・オペラ 11月27日から2019年1月2日

POB18-19Cendrillon-thumb-560x373-70858_5.jpg

「シンデレラ」(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

 ☆ジョン・ノイマイヤー振付『椿姫』
ガルニエ宮 12月4日〜2019年1月3日

☆マルコ・ゲッケ振付「新作」
ポントゥス・リンドバーグ振付『結婚式』
シディ・ラルビ・シェルカウイ振付『牧神』

ガルニエ宮 2019年2月5日から3月2日

☆ルドルフ・ヌレエフ振付『白鳥の湖』

バスチーユ・オペラ 2019年2月16日〜3月19日

POB18-19Le-Lac-thumb-560x301-70861_6.jpg

「白鳥の湖」(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

 ☆ローザス舞踊団(招聘公演)
アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル振付『ブランデンブルク協奏曲』
ガルニエ宮 2019年3月8日から14日

☆パリ・オペラ座バレエ学校
デモンストレーション 2018年12月8、16、23日
スペクタクル 2019年3月29日から4月4
ガルニエ宮

☆ソル・レオン、ポール・ライトフット振付『Slight of Hand』
ハンス・ファン・マーネン振付『3つのグノーシエンヌ』
ソル・レオン、ポール・ライトフット振付『Speak for Yourself』

ガルニエ宮 2019年4月18日から5月23日

☆シディ・ラルビ・シェルカウイ、エドワード・ロック、アーサー・ピッタ振付 ディミトリー・チェルニアコフ演出『イオランタ」/『くるみ割り人形』
ガルニエ宮 2019年5月9日から24日

☆マッツ・エック振付『アナザー・プレイス』『ボレロ』
ガルニエ宮 2019年6月22日から7月14日

☆ウエイン・マクレガー振付『ツリー・オブ・コーズ』
バスチーユ・オペラ 2019年6月26日から7月13日

POB18-19Tree-Of-Codes-thumb-560x373-70864_7.jpg

「ツリー・オブ・ゴーズ」(C) Opéra national de Paris/ E Bauer

 ☆アレッシオ・シルヴェストリン振付、杉本博司演出『At the Hawk's Well』,ウイリアム・フォーサイス振付『ブレーク・ワークスI』
ガルニエ宮 2019年9月20日から10月17日

☆クリスタル・パイト振付「新作」

ガルニエ宮 2019年10月26日から11月23日

https://www.operadeparis.fr/en/season-18-19/ballet

ページの先頭へ戻る