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アバニャート率いるローマ歌劇場バレエ団がパリのシャンゼリゼ歌劇場で『こうもり』を上演

Ballet de l'Opéra de Rome ローマ歌劇場バレエ団

『こうもり』ローラン・プティ:振付 " La Chauve-Souris " Roland Petit

レオノーラ・アバニャートが2015年から舞踊監督を務めているローマ歌劇場バレエ団がパリのシャンゼリゼ歌劇場に登場した。演目は1979年にこの劇場で初演され、ヒロインをジジ・ジャンメール(1924年生)が踊ったローラン・プティ(1924・2011)振付の『こうもり』。演技指導を初演を踊ったルイジ・ボニーノが行い、1月13日から15日まで4公演が行われた。
プティはオペレッタをそのままバレエにするのではなく、原作となったメイヤックとアレヴィによるヴォードヴィル「レヴェイヨン」(大晦日の晩餐)に立ち戻って、筋を大幅に書き換えた。振付ではポワントを使ったヴァリエーション、コール・ド・バレエによる華やかなワルツ、夫婦のパ・ド・ドゥといった変化に富んだ踊りを随所に配して、見応えのある佳作に仕上げている。

プティは場面をウイーンからベル・エポックのパリに移した。主人公は倦怠期に入ったブルジョワの夫婦である。夜になるとこうもりになって他の女性を追いかけまわしている夫を、妻が一家の友人の協力を得て懲らしめ、夫婦に平穏な日常が戻ってくる。
冒頭で妻が差し出したスリッパを夫が履くのを拒んだのが、フィナーレでは大人しく妻に履かされるのに任せる、といった細部によって物語の展開が家族連れにもよくわかるように仕上がっている。一家の友人ウルリッヒがヒロインにそれとなく言い寄る場面もあるが、男女の戯れも品良く描かれている。また、ウルリッヒが最初の訪問でヒロインにプレゼントしたハサミは、後に妻の前にひざまずいた夫の背中にあるこうもりの羽を切り取るのに使われている。これは旧約聖書の有名な「サムソンとダリラ」の話で、勇者サムソンの神力の元になっている髪をダリラが切り取るエピソードと重ね合わされているようだ。

(C) Yauko Kagayama

©Yauko Kagayama

14日15時開演のマチネを見たが、ヒロインのベラはローマ歌劇場バレエ団のプリンシパル、レベッカ・ビアンキ、夫ヨハン役はフリードマン・フォーゲル、友人ウルリッヒはアントネッロ・マストランジェロが踊った。こぼれるような女性らしい身ごなしや視線、腕や手先の表情が細やかなレベッカ・ビアンキは、ヒロインのコケットリーや倦怠感を余すことなく感じさせてくれた。客演のシュツットガルト・バレエ団エトワールのフォーゲルもビアンキと息の合った演技で放蕩者の夫を、マストランジェロも口ひげや鼻を付けた変装でドラマの狂言回し役をコミカルに演じた。

正月公演にふさわしい、軽妙ではなやかな作品に会場からは長い拍手が送られた。本公演はシャンゼリゼ歌劇場で行われているトランサンダンスの一環として上演された。次回は3月29日から31日まで、ノルウェイ国立バレエ団がアレクサンダー・エクマン振付の『白鳥の湖』を上演することになっている。

(C) Yauko Kagayama

©Yauko Kagayama

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(C) 三光 洋

©三光 洋

ワールドレポート/パリ

[ライター]
三光 洋

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