英国ロイヤル・バレエ団が2023-24新シーズン・ラインアップを発表した

ワールドレポート/ロンドン

アンジェラ・加瀬  Text by Angela Kase

『ドン・キホーテ』© Andrej Uspenski

『ドン・キホーテ』© Andrej Uspenski

4月26日、英国ロイヤル・バレエの次期シーズン演目発表が行われた。
2023-24シーズンには、フレデリック・アシュトンとケネス・マクミランという2大振付家の作品を中心にカルロス・アコスタとリアム・スカーレットによる古典全幕の改作、クリストファー・ウィールドンやウェイン・マクレガー、キャシー・マーストン、バレエ団のファースト・ソリストで振付家のヴァレンティーノ・ズケッティによる話題作の再演、クリスマスにはピーター・ライト版『くるみ割り人形』という魅力的な作品群が上演される。
新シーズンは9月30日にアコスタ版『ドン・キホーテ』全3幕で開幕、24年6月26日にスカーレット版『白鳥の湖』でその幕を下ろす。
また、世界各国の著名バレエ団によるライブや録画映像のストリーミングを世界中のバレエ・ファンが共有するワールド・バレエ・デイは11月1日に予定されている。
23年秋冬シーズン公演のチケットの一般売り出しは8月2日イギリス時間午前9時から。

ロイヤル・オペラ・ハウス大劇場で行われる新シーズンの演目は下記の通り。

2023年9月30日〜11月17日
『ドン・キホーテ』アコスタ版

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「ザ・チェリスト」© 2020 ROH. Photographed by Bill Cooper

10月20日〜11月2日
バレエ・ダブルビル
『アネモイ』ズケッティ振付
『ザ・チェリスト』マーストン振付 
美貌の天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレの短い生涯を描いたキャシー・マーストン振付の『ザ・チェリスト』とバレエ団ファースト・ソリストで振付家のヴァレンティーノ・ズケッティの抽象作品『アネモイ』。英国批評家賞「最優秀振付賞」受賞の2作品の再演。

11月18日〜12月2日
『ダンテ・プロジェクト』マクレガー振付
詩聖ダンテの「神曲」3部作を現代バレエで描いたバレエ団常任振付家ウェイン・マクレガーによる話題作の再演

12月6日〜1月13日
『くるみ割り人形』ライト版

2024年1月17日〜3月8日
『マノン』マクミラン振付

3月6日〜5月11日、6月12〜28日
『白鳥の湖』スカーレット版

3月20日〜4月13日
マクミラン・トリプルビル
『ダンシィズ・コンチェルタントス』
『ディファレント・ドラマー』
『レクイエム』
ケネス・マクミラン振付の小品3作品の再演。

5月3日〜6月1日
『冬物語』ウィールドン振付
様々な賞を受賞したクリストファー・ウィールドン振付によるシェイクスピアの名作『冬物語』。世界初演から10周年を記念しての再演。

Sarah-Lamb,-Vadim-Muntagirov-in-The-Winter's-Tale-©-2018-ROH.-Photographed-by-Tristram-Kenton

『冬物語』サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ © 2018 ROH. Photographed by Tristram Kenton

6月6日〜19日
アシュトン・トリプルビル
『レ・ランデヴー』
『真夏の夜の夢』
『ラプソディ--』
フレデリック・アシュトン振付の小品3作品の再演。

6月7日〜22日
アシュトン小品集
『真夏の夜の夢』
『イサドラ・ダンカン風5つのワルツ』
『ザ・ウォーク・トゥ・ザ・パラダイス・ガーデン』
『ハムレットとオフィーリア』
『ラプソディ--』

上記アシュトン小品集を皮切に2024〜28年までの5年間に渡り、フレデリック・アシュトン振付作品大回顧の祝典「アシュトン・ワールドワイド」が世界各地で行われる。
この公演は英国ロイヤル・バレエと元英国ロイヤル・バレエ出身ダンサーが芸術監督を務めるアメリカのサラソタ・バレエによる合同公演。4作品をロイヤル・バレエが、『ザ・ウォーク・トゥ・ザ・パラダイス・ガーデン』をサラソタ・バレエが披露する。長らく上演されていなかった『ハムレットとオフィーリア』にバレエ関係者やファンの熱い期待が集まりそうだ。

Steven-McRae-and-Natalia-Osipova-in-Rhapsody-©2016-ROH.-Photographed-by-Helen-Maybanks

ラプソディ―」© 2016 ROH. Photographed by Helen Maybanks

The-Royal-Ballet-in-Frederick-Ashton's-Rhapsody-©2016-ROH.-Photographed-by-Helen-Maybanks

ラプソディ―」© 2016 ROH. Photographed by Helen Maybanks

中劇場リンバリーではフェデリコ・ボネッリ芸術監督率いるノーザン・バレエ(10月31日〜11月2日、1月27〜29日)やサラソタ・バレエ、バレエ・ブラック(11月16〜19日)他が公演を行う他、例年通り新人振付家の育成発掘のプラットフォームであるドラフト・ワークス(12月11〜13日)、インターナショナル・ドラフト・ワークス(4月10〜13日)が行われる。

小劇場クロエ・スタジオでは10月10日にマクミラン振付『シー・オブ・トラブルズ』を基にした新作映画が世界初公開される予定だ。

24年2月12〜21日にはロイヤル・オペラ・ハウス大中小劇場他のスペースを使って新振付作品の祝典「フェスティバル・オヴ・ニュー・コレオグラフィー」が行われる。
また公演をライブで国内とヨーロッパ各国の指定映画館に中継するライブ・シネマも例年通り行われるが、新シーズン演目発表当日4月26日にはスカーレット版『白鳥の湖』以外の演目や日程など詳細は分からず、後日発表される模様である。

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