英国舞踊批評家協会賞に平田桃子、高橋絵里奈、鈴木絵美里がノミネートされた
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香月 圭 text by Kei Kazuki
第22回英国舞踊批評家協会賞(ナショナル・ダンス・アワード [NDA])のノミネートが4月21日発表され、最優秀女性ダンサーにバーミンガム・ロイヤル・バレエの平田 桃子とイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の高橋絵里奈、新人賞部門でENBの鈴木絵美里が候補に上った。平田は前回2020年に続いて2回目のノミネートとなった。対象となったのは2021年1月1日〜12月31日の期間にイギリスで上演もしくは英国で視聴できるデジタル作品である。355に上る団体、振付家、演者、舞台芸術関連の制作者のロング・リストの中からさらに選考されたのが以下の候補一覧となる。前回2020年では456作品だったが、今回はロックダウンで舞台上演が5ヶ月間中止されていたため、対象となる作品も3割近くの減少となった。
高橋 絵里奈、スカイラー・マーティン『くるみ割り人形』
© Laurent Liotardo_English National Ballet
鈴木 絵美里、イサック・エルナンデス『Blake Works I』
© Laurent Liotardo_English National Ballet
英国ロイヤル・バレエが合計17のノミネートを受け、次いでイングリッシュ・ナショナル・バレエとニュー・アドヴェンチャーズが7部門、バーミンガム・ロイヤル・バレエが4部門、スコティッシュ・バレエとバレエ・ブラック、ヨーク・ダンス・プロジェクトがそれぞれ3つの部門の候補に上がっている。作品別ではマシュー・ボーン率いるニュー・アドヴェンチャーズの『The Midnight Bell』が5部門、次いでウェイン・マクレガーの『ダンテ・プロジェクト』(英国ロイヤル・バレエ)が4部門のノミネートを受けている。
平田 桃子 © Johan Persson
英国舞踊批評家協会長であるグレアム・ワッツは、「2021年の舞台公演は7ヶ月間に短縮されたため、批評家がノミネートする範囲が狭まったものの、上演された作品の質はかえって高まったように思います。各賞の当初のリストは少なくとも20にも上り、優劣を決めるのは困難でした」と今回の審査を総括する。また、今回新たに設けられた「最優秀 中規模カンパニー賞」について「中堅カンパニーは検討対象から外れることが多く、カンパニー賞の審査はこれまで困難でした。そのため、業界からの要望に応え、NPOの資金提供を受けている団体に新たな(第3の)賞を導入しました。これは、最優秀カンパニー賞と最優秀インディペンデント・カンパニー賞の中間に位置します。この措置により、最大規模から最小規模のプロジェクト・ベースのフリーランサーまで、舞踊業界全体のカンパニーが明確に認識されるようになりました」と説明している。英国批評家協会には60名ほどの批評家やライターが加盟している。授賞式は6月13日に行われる。
《第22回英国批評家協会賞 National Dance Awards 候補一覧》
最優秀男性ダンサー賞
ジェフリー・シリオ(イングリッシュ・ナショナル・バレエ[ENB])
フランチェスコ・ガブリエレ・フロラ(ENB)
ブランドン・ローレンス(バーミンガム・ロイヤル・バレエ[BRB])
ワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤル・バレエ)
エドワード・ワトソン(英国ロイヤル・バレエ)
最優秀女性ダンサー賞
平田 桃子(BRB)
マリアネラ・ヌニェス(英国ロイヤル・バレエ)
ナタリア・オシポワ(英国ロイヤル・バレエ)
シラ・ロビンソン(バレエ・ブラック)
高橋 絵里奈(ENB)
最優秀カンパニー賞
イングリッシュ・ナショナル・バレエ
ニュー・アドヴェンチャーズ
ノーザン・バレエ
ランベール
英国ロイヤル・バレエ
最優秀 中規模カンパニー賞
バレエ・ブラック
バレエ・カムル Ballet Cymru
ホフェッシュ・シェクター・カンパニー
モーションハウス
スコティッシュ・ダンス・シアター
最優秀インディペンデント・カンパニー賞
アミナ・カイヤム・ダンス・カンパニー Amina Khayyam Dance Company
ファー・フロム・ザ・ノーム Far From The Norm
インパーマネンス Impermanence
リアノン・フェイス・カンパニー Rhiannon Faith Company
ヨーク・ダンス・プロジェクト Yorke Dance Project
最優秀クラシック振付賞
ジーン・ケリー&クリストファー・ハンプソン『Starstruck』(スコティッシュ・バレエ)
ウェイン・マクレガー『ダンテ・プロジェクト』(英国ロイヤル・バレエ)
ムチュチュゼリ・ノーヴェンバー『The Waiting Game』(バレエ・ブラック)
アリエル・スミス『ジョリー・フォリー』(ENB)
ヴァレンティーノ・ズケッティ『Anemoi』(英国ロイヤル・バレエ)
最優秀モダン振付賞
ミゲル・アルトゥナガ『City of a Thousand Trades』(バーミンガム・ロイヤル・バレエ)
マシュー・ボーン『The Midnight Bell』(ニュー・アドヴェンチャーズ)
ロバート・コーハン『Afternoon Conversations with Dancers 』(ヨーク・ダンス・プロジェクト)
ディミトリス・パパイオアヌー『Transverse Orientation』(ダンス・アンブレラ/サドラーズ・ウェルズ)
ボティス・セヴァ『BLKDG』(ファー・フロム・ザ・ノーム)
新人賞
ナフィサ・ババ Nafisah Baba(フリーランス・ダンス・アーティスト)
ランレ・マラオル Lanre Malaolu(パフォーマー、振付家、作家)
ブルノ・ミッキアーディBruno Micchiardi (スコティッシュ・バレエ ソリスト)
ジーナ・ストーム=ジェンセン(英国ロイヤル・バレエ ソリスト)
鈴木 絵美里(イングリッシュ・ナショナル・バレエ アーティスト)
傑出したパフォーマンス モダンダンス 女性の部
コーデリア・ブレイスウェイト『くるみ割り人形』クララ(ニュー・アドヴェンチャーズ)
サットン・フォスター『エニシング・ゴーズ』リノ・スウィーニー(エニシング・ゴーズ/バービカン)
ロージー・ケイ『Absolute Solo 2』(ロージー・ケイ・ダンス・カンパニー)
ミケーラ・メアッツァ『The Midnight Bell』(ニュー・アドヴェンチャーズ)
ヨランデ・ヨーク=エドゲル『Lamentation』(ヨーク・ダンス・プロジェクト)
傑出したパフォーマンス モダンダンス 男性の部
ダン・ドー『The Dan Daw Show』(ダン・ドー・クリエイティヴ・プロジェクト)
パリス・フィッツパトリック『The Midnight Bell』(ニュー・アドヴェンチャーズ)
アクラム・カーン『Xenos』(アクラム・カーン・カンパニー)
ジェイムズ・ヴ・アン・ファン『Outwitting the Devil』(アクラム・カーン・カンパニー)
リチャード・ウィンザー『The Midnight Bell』(ニュー・アドヴェンチャーズ)
傑出したパフォーマンス クラシック 女性の部
アントワネット・ブルックス=ドー『Merlin』モーガン(ノーザン・バレエ)
アレッサンドラ・フェリ『しあわせな日々』(英国ロイヤル・バレエ/AFダンス/ラヴェンナ・フェスティヴァル)
マリアネラ・ヌニェス『ジゼル』タイトル・ロール(英国ロイヤル・バレエ)
ナタリア・オシポワ『ジゼル』タイトル・ロール(英国ロイヤル・バレエ)
ベアトリス・スティックス=ブルネル『アフター・ザ・レイン』(英国ロイヤル・バレエ)
傑出したパフォーマンス クラシック 男性の部
ジェフリー・シリオ『クリーチャー』タイトル・ロール(ENB)
ワディム・ムンタギロフ『アポロ』(英国ロイヤル・バレエ)
タイロン・シングルトン『ラジオとジュリエット』ロメオ(BRB)
ジョゼフ・シセンズ『The Statement』(英国ロイヤル・バレエ)
エドワード・ワトソン『ダンテ・プロジェクト』ダンテ(英国ロイヤル・バレエ)
傑出したクリエイティブの貢献
トマス・アデス(作曲家『ダンテ・プロジェクト』)
Rickard Berg(作曲家『コッペリア』KVN Dance)
レズ・ブラザーストン(舞台美術デザイナー『The Midnight Bell』)
タシタ・ディーン(舞台美術デザイナー『ダンテ・プロジェクト』)
ロジェラ・マルチメディア(モーションハウスの作品でのデジタル映像)
最優秀ダンス・フィルム
カイル・エイブラハム『When We Fell』ニューヨーク・シティ・バレエ
リアノン・フェイス/リアノン・フェイス・カンパニー『DROWNTOWN』
ウィリアム・フォーサイス/CLIスタジオ『The Barre Project』
ジーン・ケリー&クリストファー・ハンプソン/スコティッシュ・バレエ『Starstruck』
ジョー・ストロムグレン『Rooms』
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