第9回ヘルシンキ国際バレエコンクールの出場者が発表され、日本人出場者は13名

ワールドレポート/その他

香月 圭 text by Kei Kazuki

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© Ofer Amir HIBC2022

5月31日〜6月6日に開催される第9回ヘルシンキ国際バレエコンクールの出場者が発表され、151名の応募のなかから20か国81名が選ばれた。日本人出場者は13名、またアメリカから日系の2名が選ばれた。国別ではアメリカが24名と最多で、日本は13名とそれに次ぐ人数となっている。その他、イタリア11名、フィンランド8名など。選定委員会長でフィンランドを代表するダンサーおよび振付家であるミンナ・テルヴァマキは「応募者のレベルの高さに驚きました。選定委員会による応募者の審査は難航しました。世界全体をとりまく厳しい状況にもかかわらず、若いダンサーたちにとっての重要なイベントがいよいよ開催される運びとなりました。困難な時代に芸術は私たちの結びつきをいっそう強固にします」と出場者の選定についてコメントしている。

【第9回ヘルシンキ国際バレエコンクール日本関連の出場者】
◆ジュニア女子
船倉 杏奈 Anna Funakura (アメリカ)
カリフォルニア州サンタモニカに日本人の両親のもとに生まれ、日米の二重国籍を持つ。日本に2年弱ほど短期間滞在した際には横浜市のRBSバレエカンパニーに所属していた。現在はテキサス州ダラスの Pavlova Professional Coachingでオルガ・パヴロワの指導を受けている。2021年11月テキサス州オースティンのYAGP予選でシニア・クラシック部門第1位。

川本 真寧 Matoi Kawamoto
金田こうのバレエアカデミー出身。2015年、11歳のとき第一回横浜バレエフェスティバル出演オーディション第1位に選出される。2018、2019YAGPジュニア・コンテ部門第2位 2017年YAGP日本予選ジュニア部門 クラシック 女子 第2位、2019年サンフランシスコ・バレエスクール留学 。現在、ARCHITANZ Training Programのメンバー。

◆ジュニア男子
平野 桜士 Oji Fujino(欧文表記は本名)
坪田バレエ所属。ボリショイ・バレエアカデミー2021年卒業。2021年ロシアのコンクール「ダンスモスクワ」3位入賞(1位該当者なし)

樋上 諒 Ryo Hinoue
S.BALLET.ART所属。2016年 英国ロイヤル・バレエ団「ロイヤル・エレガンスの夕べ」に出演。2018〜2020年 サンフランシスコ・バレエスクール留学。北京国際バレエコンクール2021 第3位。

川西 凛空 Riku Kawanishi
K-BALLET SCHOOL出身。2018年ウィーン国立バレエ団 来日公演「ヌレエフ・ガラ」子役出演。2021年 第24回NBA全国バレエコンクール高校生男子の部 第3位。現在はウィーン国立バレエの元プリンシパルのシモーナ・ノジャ=ネビラとソリストだったボリス・ネビラが2020年に立ち上げたプロフェッショナル・キャリアのためのプロジェクト Noja-Nebyla STAGE EDUCATIONに所属。

籔内 暁大 Akihiro Yabuuchi
ルニオン・バレエ出身。現在、サンフランシスコ・バレエスクールに在籍。YAGP2020日本予選 シニア部門 男性 第1位 。

◆シニア女子
井関 エレナ Elena Iseki
RBSバレエカンパニー出身。2014〜2020年ベルリン国立バレエ学校留学。2018年 第15回ペルミ国際バレエ・コンクール ジュニア部門第2位。2018年 第28回ヴァルルナ国際バレエコンクール ジュニア部門第3位。2020年ベルリン国立バレエ入団。

升本 結花  Yuka Masumoto
岸辺光代バレエスタジオ出身。2016年、15歳の時、YAGP NYファイナルにてファイナリストとなり、オランダ国立バレエ学校に留学。2017年 オランダ国立バレエ団ジュニアカンパニーに入団。2019年、フィンランド国立バレエ団に入団。BRIGHT STEP 2022 & PREMIUM出演予定。

中嶋 七萌 Nanaho Nakajima
川上恵子バレエスクール出身。2017〜2019年ハリッド・コンサヴァトリー留学。2021年 Goh Ballet Youth Company在籍。2022年秋よりミルウォーキー・バレエ・セカンドに入団予定。

中田 里桜 Rio Nakata
バレエスタジオGEM出身。2021年、ボリショイ・バレエアカデミー首席卒業。現在、スロヴァキア国立バレエ ゲストコントラクト。2021年ロシアのコンクール「ダンスモスクワ」第2位。

マユ・オダカ Mayu Odaka(アメリカ)
日本人の両親のもとにL.A.で生まれる。カリフォルニア州トーランスのLauridsen Ballet Centerで学び、プレ・プロフェッショナル・カンパニーのバレエ・カリフォルニアに在籍。2015年オクラホマ・シティ・バレエの夏季コースに参加後、研修生として入団する。2017年コール・ド・バレエ、2019年ソリストとなる。

岡村 美歩 Miho Okamura
黒田節子バレエスタジオ出身。ボリショイ・バレエアカデミー卒業後、東京シティ・バレエ、スペイン バルセロナのカタルーニャ・バレエを経て2020年ポーランドのブロツワフ歌劇場バレエの準ソリストとして入団する。

大塚 アリス Alice Otsuka
2016〜2018年 ワガノワ・バレエアカデミー留学。2018〜2020年 ロシア国立バレエに在籍。現在、法村友井バレエ団の法村牧緒と杉山聡美に師事。

◆シニア男子
藤島 恵太 Keita Fujishima
樋笠バレエ研究所所属。2016〜2018年Harid Conservatory留学。2018年よりエリソン・バレエ留学。2021年、同校卒業。YAGP 2021 Tampa Finals シニア男性部門3位。ロシア サランスク国立歌劇場バレエ入団予定。

中村 淳之介 Junnosuke Nakamura
アクリ・堀本バレエアカデミー在籍時、2016年ローザンヌ国際バレエコンクールで6位入賞。2021年、ハンガリー国立バレエに入団。

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2016年ヘルシンキ国際バレエコンクールでのカーテン・コール© Minna Hatinen HIBC2016

ヘルシンキ国際バレエコンクールは1984年にスタートし、若いダンサーたちのさらなるキャリア形成を推し進め、新たな人脈と繋がりダンサーとしての経験を積む場となっている。参加者たちはジュニア部門(15〜19歳)とシニア部門(20〜25歳)に分かれて妙技を披露する。このコンクールは通常4年ごとに開催されているが、2020年に開催される予定だった第9回大会は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で2年延期され、今季の開催となった。一次審査と二次審査は5月31日〜6月3日にかけてフィンランド国立歌劇場のアルミ・ホールにて、最終審査は6月4、5日歌劇場メイン・ステージにて行われる。ジュニア・シニア各部門の1〜3位以外にジェイン・エルッコ・グランプリ賞とドリス・レイン賞が授与される。審査委員長はフィンランド国立バレエ芸術監督マドレーヌ・オンネが務める。過去の入賞者にはダニール・シムキン、ヤーナ・サレンコ、オリヴァー・マッツ、バルボラ・コホウトコヴァ、ヤオ・ウェイ、ブルックリン・マック、マリア・バラノワなどがいる。日本人では福岡雄大(2001年ジュニア男子の部 第2位)、上草吉子(2016年シニア女子の部 第3位)、待山貴俊と西岡憲吾(2016年シニア男子の部 第3位タイ)、牛尾和美(1984年ジュニアの部 第3位)、金田洋子(2001年ジュニア女子の部 第3位)が入賞を果たしている。

◆ヘルシンキ国際バレエコンクール公式サイト
https://ibchelsinki.fi/

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