ワールドレポート／その他

香月 圭　text by Kei Kazuki

ローザンヌ国際バレエコンクール2022の女子バレエ・クラス © Gregory Batardon-PDL2022

ローザンヌ国際バレエコンクール2022 がスイスのモントルー・ミュージック & コンヴェンション・センターで1月31日開幕した。ビデオ審査で合格した女子49名、男子32名合計81名のうち、11名が出場を辞退し、16カ国女子43名、男子27名からなる合計70名が本選に参加している。日本からの参加者は女子5名、男子7名の12名となった（大竹悠佑は留学先が確定したため辞退、また松原綾香は怪我のため欠場）。現地での日本人参加者のエントリー・ナンバーは以下のとおり。

Girls A
101　佐藤 凛（Rin Sato）無所属
121　白神 真帆（Maho Shiraga）小池バレエスタジオ
Girls B
307　田中 月乃（Tsukino Tanaka）チューリヒ・ダンスアカデミー
319　升本 果歩（Kaho Masumoto）イングリッシュ・ナショナル・バレエスクール
320　上田 咲月（Satsuki Ueda）エルムハースト・バレエスクール
Boys B
402　石川 瑛也（Eiya Ishikawa）ドレスデン・パルッカ舞踊大学
407　原田 寿洋（Toshihiro Harada）愛里バレエスタジオ
408　都築 空良（Sora Tsuzuki）大寺資二バレエアカデミー
409　網干 慎太郎（Shintaro Aboshi）ボリショイ・バレエアカデミー
410　加藤 航世（Kosei Kato）ワガノワ・バレエアカデミー
412　髙田 幸弥（Sachiya Takata）バーゼル劇場バレエスクール
417　中山 諒（Ryo Nakayama）PNSDカンヌ・ロゼラ・ハイタワー
ーーーーーー
418　清水 飛鷹（Hyo Shimizu）マンハイム音楽舞台芸術大学　（※オーストラリア国籍で、2019年に続いて2回目の出場）

会場では国際的に活躍する教師やコーチによるクラシックやコンテンポラリーのクラス、そしてヴァリエーションのコーチングが行われ、その模様を審査員が観察する様子が1日あたり約7時間程度、連日Arte Concert やローザンヌ国際バレエコンクールの公式サイトやFacebookでライブ配信されている。アーカイブ動画はローザンヌ国際バレエコンクール公式YouTubeとFacebookで公開中。2月4日の選考（セレクション）、2月5日の決選（ファイナル）は全編配信される予定。今後の配信スケジュールは以下のとおり。

2月3日（木）
午後5：00〜午後6：00　クラシックのウォームアップ（男子A＆B）教師：ニコラ・ビアスッティ
午後6：30〜午後7：30　コンテンポラリー・クラス（女子A）教師：アーマンド・ブラズウェル
午後9：15〜午後11：30　クラシック・コーチング（女子B）教師：モニク・ルディエール
午後11：45〜2月4日午前0：30　コンテンポラリー・コーチング（女子A＆B）
2月4日（金）選考（セレクション）
午後5：00　ジュニア部門セレクション
午後10：00　シニア部門セレクション
2月5日午前3：15　ファイナリスト発表
2月5日（土）決選（ファイナル）
午後10：30　ジュニア＆シニア部門ファイナル
2月6日午前1：15　Interlude（ゲスト・パフォーマンス）
2月6日午前2：00　授賞式

ローザンヌ国際バレエコンクール2022の男子バレエ・クラス © Gregory Batardon-PDL2022

芸術監督兼事務局長のキャサリン・ブラッドニーは「この数ヶ月の苦難を乗り越え、劇場に戻り、再び舞台に立つダンサーを見ることができるとは、何と喜ばしいことでしょう。ローザンヌ国際バレエコンクールにとって、ダンサー、教師や審査員、ミュージシャンなどの方々、そして観客の皆さんの健康は非常に重要であり、私たちは全員の安全を確保するために多大な努力を払ってきました。今年の審査員は、国際的なバレエ界のスターやディレクターで構成されており、審査委員長にマーガレット・トレーシーを迎えることができ、大変嬉しく思っています。候補者たちがモントルーに到着して、とても嬉しいです。この1週間が皆様にとって素晴らしい経験になることをお約束します」とコメントを寄せている。

参加するダンサーたちをサポートするためのオンライン・クラウドファンディング・キャンペーンは今年も行われている。自分の希望金額を寄付すると、集められた寄付金は、観客賞（モントルー会場での一般公開）受賞者とWeb 視聴者賞（オンライン視聴者）受賞者に分配される。また、お気に入りのファイナリストに投票することによっても、彼らを支援することができる。投票は、セレクション終了後、ローザンヌ国際バレエコンクールのウェブサイト上、またはSMSにて受付ける。

●ローザンヌ国際バレエコンクール・オンライン・クラウドファンディング・キャンペーンのページ
https://www.indiegogo.com/projects/prix-de-lausanne-2022-audience-favourite-prize#/

●ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイト 「お気に入りのファイナリストに投票」についての情報ページ
https://www.prixdelausanne.org/vote-for-your-favourite-finalist/

◆インタールード（2月5日決選の幕間のパフォーマンス）について
2月5日（土）に開催される決選（ファイナル）の幕間（インタールード）には、提携校との間で始まった新しい振付プロジェクト「ヤング・クリエイション・アワード」（新人振付賞）のファイナルが一般公開される。これはバレエスクールに在籍する5人の生徒たちによる振付作品のコンクールで、2回目となる今年は14校から32名（女子15名、男子17名）の応募があり、以下の5作品が選ばれた。

●「ヤング・クリエーション・アワード」ファイナリスト

プリンセス・グレース・アカデミー
ルカ・ブランカ Luca BRANCA（イタリア）
'Les Ombres du Temps'
出演：中島 耀（なかじま よう）

ドレスデン・パルッカ舞踊大学
ジョシュア・ハント Joshua HUNT（オーストラリア）
'ENIGMA'
出演：ヴィクトール・デュヴァル Victor DUVAL
ジョン・ノイマイヤー・ハンブルク・バレエスクール
ミラ・ルック Milla LOOCK（オーストラリア）
'Cognition'
出演：アニータ・フェレイラ Anita FERREIRA

ロイヤル・バレエスクール
ジェシカ・テンプルトン Jessica TEMPLETON（イギリス）
'Angles'
出演：マーティン・ディアス Martin Diaz

ドレスデン・パルッカ舞踊大学
ウィリアム・トマス William THOMAS（オーストラリア）
'tacenda'
出演：ステラ・バイアス Stella Byers

プリンセス・グレース・アカデミーの生徒ルカ・ブランカによる'Les Ombres du Temps'には、中島 耀が出演する。この5作品の中から2作品が選ばれ、来年度ローザンヌ国際バレエコンクール2023のコンテンポラリー・ヴァリエーションのレパートリーとなる。昨年の受賞作品、マヤ・スモールウッドの"Unravel"とサミュエル・ウィンクラーの"Suppress"は今年のコンテンポラリー・ヴァリエーションに採用されている。

●プリンセス・グレース・アカデミーによるパフォーマンス
"BACK ON TRACK"
音楽：モーリス・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調〈アレグラメンテ〉」
振付：ジャン＝クリストフ・マイヨー
出演：Clara Boselli, 袴田結, Paloma Livellara Vidart, 中島 耀, 坂本 夢, Joel Dichter, Filippo Mambelli, 額田 雄己, Thiago Pereira Silva, Tomas Ruao

インタールードの2つ目の演目は、プリンセス・グレース・アカデミーの生徒たちによる "BACK ON TRACK"（ジャン＝クリストフ・マイヨー振付）。同校留学中の日本人留学生も多数出演する。中島はこの演目にも登場する予定。この作品の上演後、フランスの振付家ピエール・ラコット氏に生涯功労賞が授与される。

◆ローザンヌ国際バレエコンクール
公式サイト：https://www.prixdelausanne.org/
Facebook：https://www.facebook.com/PrixdeLausanne
YouTube：https://www.youtube.com/channel/UCL8OsQseIGMMwrbqpkQq8zw

◆Arte Concert：https://www.arte.tv/en/videos/107069-003-A/prix-de-lausanne-2022/

記事の文章および具体的内容を無断で使用することを禁じます。