第50回ローザンヌ国際バレエコンクールのビデオ選考が行われ、日本人14名が本選に参加予定!

ワールドレポート/その他

香月 圭 text by Kei Kazuki

PDL_VISUEL-A5_23.08.2021_FILLE_300DPI.jpg

© PDL2022

50回目の節目となるローザンヌ国際バレエコンクールのビデオ審査が行われ、日本人14名を含む81名が選出された。ボリショイ・バレエ・アカデミーに留学中の網干慎太郎は2021年10月に行われた第8回ソチ国際バレエコンクールで銀メダルを授与された。石川瑛也と上田咲月は昨年度の第49回ローザンヌ国際バレエコンクールでのビデオ審査を通過している(石川瑛也は本選出場辞退)。加藤航世は2016年ミュージカル『ビリー・エリオット』に主演し、ワガノワ・バレエアカデミーに留学中だ。大竹悠佑は先日行われたユース・グランプリ2022日本予選シニア部門 クラシック男性の部で第1位となった。

第50回ローザンヌ国際バレエコンクールの動画審査はコンクール事務局長キャスリン・ブラッドニーやパリ・オペラ座エトワールのクレールマリ・オスタ、イザベラ・シアラヴォラなど9名の審査員が選考を行った。376名(女子298名、男子78名)の応募者のなかから74名がビデオ選考を通過し、ヨーロッパ予選で選出された4名と南米予選での通過者3名を併せて世界17か国から合計81名(女子49名、男子32名)がモントルーでの本選に参加予定となった。日本国籍を持つ応募者は女子65名、男子17名の合計82名だった。そのうち、動画審査を通過したのは女子6名、男子8名、合計14名だった。国別で本選進出者が多いのは日本とアメリカが最多の14名、韓国が13名、オーストラリアと中国がそれぞれ9名となっている。

新型コロナワクチン接種証明書の導入により、第50回ローザンヌ国際バレエコンクールのスタッフは例年通りスイスに参加者が集まって実施される可能性は高いのではないかという見通しを示している。しかしながら、最終決定までにはまだ時期尚早であるとして、コンクール事務局は今後も最新状況を随時伝えていく予定だ。事務局長ブラッドニーは「ビデオ選考はとても重要なプロセスで、ローザンヌの時期が近づいたなという実感が湧いてきます。コンクール本選までの数ヶ月をかけて、私達はビデオ選考通過者たちのプロフィールをインプットし、無事コンクール本番を迎えるよう、これまでの経験を生かし、心を込めて彼らのケアにあたります」と現在の事務局の様子を語っている。

_PDL2020_Day4_photo_gregory-batardon_004webfacebook.jpg

2020年ローザンヌ国際バレエコンクールにて(C)Gregory Batardon PDL2020

《第50回ローザンヌ国際バレエコンクール ビデオ選考通過者》
◆Girls A グループ:3名
松原 綾香 MATSUBARA Ayaka アメリカン・バレエ・シアター・ジャクリーン・ケネディ・オナシス・スクール
佐藤 凛 SATO Rin 無所属
白神 真帆 SHIRAGA Maho 小池バレエスタジオ

◆BOYS A グループ :1名
大竹 悠佑 OTAKE Yusuke 横倉明子クラシックバレエ教室

◆Girls B グループ:3名
升本 果歩 MASUMOTO Kahoイングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール
田中 月乃 TANAKTA Tsukino チューリヒ・ダンス・アカデミー
上田 咲月 UEDA Satsuki エルムハースト・バレエ・スクール

◆BOYS B グループ:7名
網干 慎太郎 ABOSHI Shintaro ボリショイ・バレエ・アカデミー
原田 寿洋 HARADA Toshihiro 愛里バレエスタジオ
石川瑛也 ISHIKAWA Eiya バレエスコレーアート、ドレスデン・パルッカ舞踊大学
加藤 航世 KATO Kosei シンフォニーバレエスタジオ
中山 諒 NAKAYAMA Ryo カンヌ・ロゼラ・ハイタワー・バレエ学校
高田 幸弥 TAKATA Sachiya バーゼル劇場バレエスクール
都築 空良 TSUZUKI Sora 大寺資二バレエアカデミー

ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイトビデオ選考通過者リスト(英語)
https://www.prixdelausanne.org/wp-content/uploads/2021/10/SELECTED_PDL2022.pdf

また、今回の課題ヴァリエーションについても発表された。コンテンポラリーは、昨年度のキンスン・チャンの作品『Rain (レイン)』がジュニア・グループ向けとなり、シニアグループ向けに『Echo (エコー)』が加わった。マウロ・ビゴンゼッティの『Rossini Cards(ロッシーニ・カーズ)』『Furia Corporis』、ゴヨ・モンテロ『Sarabande (サラバンド)』『Desde Otello(デスデ・オテロ)』も再登場する。『ロッシーニ・カーズ』の模範演技はバレエ・バーゼル在籍時の成澤 幾波子(なりさわ きはこ)、そして『サラバンド』の模範演技は、ニュルンベルク州立劇場バレエ在籍時の佐々木 七都(ささき なつ)の映像がコンクール公式サイトで公開されている。ウェイン・マクレガーの『幽玄』の男性模範演技は2019年ローザンヌ国際バレエコンクール第1位入賞後ロイヤル・バレエに在籍するマルコ・マシャーリが務めている。また、昨年のヤング・クリエーション・アワードを受賞したバレエスクールの生徒マヤ・スモールウッド(カナダ国立バレエスクール)とサミュエル・ウィンクラー(ハンブルク・バレエスクール)による振付作品も課題ヴァリエーションに加わっている。
《ローザンヌ国際バレエコンクール2022 コンテンポラリー課題ヴァリエーション》
キンスン・チャン『Rain (レイン)』ジュニア男女/『Echo (エコー)』シニア男女
マウロ・ビゴンゼッティ『Rossini Cards(ロッシーニ・カーズ)』ジュニア&シニア女子/『Furia Corporis』ジュニア&シニア男子
ウェイン・マクレガー『幽玄』ジュニア&シニア男女
ゴヨ・モンテロ『Sarabande (サラバンド)』ジュニア&シニア女子/『Desde Otello(デスデ・オテロ)』ジュニア&シニア男子
マヤ・スモールウッド『Unravel(アンラヴェル)』ジュニア&シニア男女
サミュエル・ウィンクラー『Suppress(サプレス)』ジュニア&シニア男女

◆ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイト
https://www.prixdelausanne.org/

_RBUAS20200202-0865.web.jpg

2020年ローザンヌ国際バレエコンクールにて(C)Rodrigo Buas PDL2020

記事の文章および具体的内容を無断で使用することを禁じます。

ページの先頭へ戻る