スピルバーグ監督による映画『ウエスト・サイド・ストーリー』が12月10日より、日米同時公開される

ワールドレポート/その他

香月 圭 text by Kei Kazuki

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『ウエスト・サイド・ストーリー』US版新ポスタービジュアル
© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

押しも押されもせぬ映画界の巨匠、スティーブン・スピルバーグ監督による不朽の名作ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』が新たに映画となって12月10日、日本とアメリカで同時公開される。過去二度のアカデミー賞を受賞し、幅広いジャンルの作品で数々の成功を収めてきたスピルバーグ監督が長年に渡ってあたためてきた企画、それが世代を超えて世界中の人々に愛されてきた『ウエスト・サイド・ストーリー』のリメイクだった。スピルバーグがミュージカル作品を手がけるのは初の試みだが、解禁されたばかりの「Tonight(トゥナイト)本予告編」を見ると、1950年代のニューヨークを舞台に、対立し合うグループのマリアとトニーが恋におちる様子や、切実な気持ちをエモーショナルに歌う二人の姿が、実に活き活きと魅力的に捉えられた映像となっていて、今にも映画館に直行したい衝動にかられる。

シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』を20世紀半ばのニューヨークに翻案したミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』は、脚本:アーサー・ローレンツ、音楽:レナード・バーンスタイン、歌詞:スティーヴン・ソンドハイム、演出・振付:ジェローム・ロビンズにより、1957年、ブロードウェイで公開されトニー賞2部門に輝いた。1961年にはロバート・ワイズとロビンズが共同監督を務めた映画『ウエスト・サイド物語』が日本でも公開されて多大な人気を呼び、上映期間511日に渡るロングラン・ヒットとなった。そして「シャークス」のリーダー、ベルナルドを演じたジョージ・チャキリスが一躍スターとなった。

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『ウエスト・サイド・ストーリー』© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

今回のスピルバーグ監督の映画『ウエスト・サイド・ストーリー』の主人公トニーを演じるのは『ベイビー・ドライバー』(2017年)で注目を浴びた新進俳優のアンセル・エルゴート。193cmという長身、甘いマスクで注目の次世代スターだ。エルゴートは2022年春に放送・配信予定のドラマシリーズ『TOKYO VICE』も待機中で、渡辺謙、山下智久らと共演する。エルゴートの母はオペラ演出家のグレテ・バレット・ホルビーで、フィリップ・グラスとロバート・ウィルソンによる革新的オペラ『浜辺のアインシュタイン』の1976年アヴィニョン演劇祭初演に出演。また彼女の振付作品はマース・カニングハム・スタジオで上演されている。

1961年の映画『ウエスト・サイド物語』でナタリー・ウッドが演じたヒロインのマリアを演じるのは、約3万人ものオーディションから選ばれたレイチェル・ゼグラー。母親がコロンビア人で、原作のイメージ通り、ラテン系のヒロインにふさわしい美しい黒髪と眼差しの強さが印象的だ。英国でプリプロダクションに入っているディズニーの実写版『白雪姫』のタイトル・ロールを演じることでも話題となっている。
やはり、1961年の映画できっぷの良い姉御肌のアニータ役を演じ、パッション溢れるセクシーなダンスで観客を魅了、アカデミー賞助演女優賞に輝いたリタ・モレノが、スピルバーグ版ではトニーの良き理解者として出演、さらに製作総指揮も務めている。モレノはスピルバーグとの仕事について
「スティーブン(・スピルバーグ)は演出している時は、まるで子どものようにすごく熱中していてとても楽しそう。一緒に仕事ができてとても嬉しかった。」(Variety)とコメントしている。

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© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

スピルバーグ版の振付を担当するのは、ニューヨーク・シティ・バレエのレジデント・コレオグラファーで、アメリカの舞踊界を代表する存在のジャスティン・ペック。彼は2018年ブロードウェイ・ミュージカル『カルーセル』でトニー賞を受賞している。「<ストーリーを動きで語る>ロビンズ作品から学んだことは多い」(Playbill)というペックの振付に注目だ。音楽指揮はベネズエラ出身の若き天才指揮者グスターボ・ドゥダメルが担当する。バーンスタイン作曲による『ウェスト・サイド・ストーリー』の名曲「マンボ」を指揮する動画で一躍有名になった。また、今年4月、パリ・オペラ座の音楽監督に就任した彼の手腕が、秋の新シーズンから注目される。脚本を執筆したのは、トニー賞とピュリッツァー戯曲賞受賞のトニー・クシュナー。スピルバーグ監督の『ミュンヘン』『リンカーン』の脚本でも知られる。
フレッシュなキャストと強力なスタッフの布陣によるスピルバーグ監督の映画『ウエスト・サイド・ストーリー』の公開が今からほんとうに待ち遠しい。

『ウエスト・サイド・ストーリー』

12月10日(金) 全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movie/westsidestory.html

映画『ウエスト・サイド・ストーリー』本予告「Tonight(トゥナイト)」編

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