オレーシャ・ノーヴィコワが悲願のプリンシパルに、永久メイはファースト・ソリストに、マリインスキー・バレエの昇級情報

ワールドレポート/その他

梶 彩子 text by Ayako Kaji

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Photo by Mikhail Vilchuk ©State Academic Mariinsky Theatre

2021年6月20日、入団19年目を数えるオレーシャ・ノーヴィコワが、主役を踊った『ライモンダ』の公演後、ユーリー・ファテーエフ芸術監督により舞台上でプリンシパルに任命された。プリンシパルにふさわしい実力と功績がありながら、長年ファースト・ソリストに甘んじ、ファンからは「私たちの心のプリマ・バレリーナ」と呼ばれ愛されてきたノーヴィコワ。確かなテクニックと優美さを併せ持ち、オーロラ姫、ジュリエット、ジゼル、シルフィード、シリン等リリカルな役を得意とする。ペテルブルクではもちろんのこと、ロシア国外にもファンは多く、日本でも昨年2020年のキエフ・バレエ来日公演時に『白鳥の湖』でオデット/オディール役を踊り話題となった。

2011年にはミラノ・スカラ座で、ヴィハレフ版『ライモンダ』初演で主役を務めるなど、既にプリンシパル・レベルの活躍ぶりを見せていた。

マリインスキーの舞台上で昇級アナウンスをするのは異例。長年にわたる待ちぼうけへの詫びか、長年の功績への感謝か、その両方だろうか。きらきらと紙吹雪が舞う中、観客とダンサーたちは心からの祝福を込めて惜しみない拍手を送った。今後、ますますの活躍を期待したい。

6月22日には、バレエ・ファンにとってもう一つ嬉しいニュースが発表された。永久メイのファースト・ソリストへの昇級である。2017年の入団から今年で4年目。マーシャ、ジゼル、ジュリエット、シリン、シルフィード、フロリナ王女、ダイアモンドのソロ(『ジュエルズ』)などを踊り、着実に前進してきた。最近ではフォーブス・ジャパンに「30 UNDER 30 JAPAN 2020」(世界を変える30歳以下の日本人30人)に選ばれたことも記憶に新しい。今や世界から注目されるバレエ・ダンサーである。今後の活躍からもますます目が離せない。

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May Nagahisa in The Sleeping Beauty by Natasha Razina © State Academic Mariinsky Theatre

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Photo by Mikhail Vilchuk ©State Academic Mariinsky Theatre

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