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次回ローザンヌコンクールはモントルーのストラヴィンスキー・オーディトリアムで22年1月30日より開催される

ワールドレポート/その他

香月 圭 text by Kei Kazuki

2022年ローザンヌ国際バレエコンクール(Prix de Lausanne)は、モントルー(スイス)のストラヴィンスキー・オーディトリアムおよびモントルー&コンベンション・センターで、1月30日〜2月6日に開催される。決選は2月5日。ローザンヌに本拠を置く舞踊振興財団よりコンクールの概要が発表された。参加資格は2003年2月6日〜2007年2月5日の間に生まれた、バレエを学ぶすべての国籍の男女。年齢と性別によって男女別のジュニア/シニアの4グループに分かれる。

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2020年ローザンヌ国際バレエコンクールにて、女子のバレエ・クラス © Rodrigo Buas

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2020年ローザンヌ国際バレエコンクールにて、パトリック・アルマンによる男子バレエ・クラス© Rodrig Buas

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクールにおける動画審査 © Aline Paley

2021年9月大阪で開催予定だった日本予選は、今回実施が見送られ、1年後の2022年9月に延期されることが決定。ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイトで「新型コロナウイルス感染予防の為の規制が続いていることを考慮し、ローザンヌ国際バレエコンクール・日本予選は2022年9月(大阪)に延期いたします」と発表された。
ヨーロッパ予選は4月末の動画審査の段階を経て2021年7月6〜11日、ローザンヌ、アルセニックで開催される。南米予選は9月24、25日オンライン審査となり、2名の本選出場者が選出される予定となっている。

ローザンヌ国際バレエコンクール事務局では、成長期にある出場者の健康チェックを厳重に行っている。バレエ・ダンサーはできるだけスリムであることが理想とされる傾向にあるが、健康を損なうレベルでは失格となる。心身ともに健康な状態を保つことはプロのダンサーに必要な条件として、参加希望者は健康状態の問診票、成長曲線グラフ、食生活に関する問診票といった医療関連書類の提出が義務付けられている。これらの書類の提出期間は2021年9月1〜30日。健康面の審査に合格した参加希望者は、バー・ワークとピルエット、アダージオ、アレグロ・コンビネーション、女子はポワント・ワーク、グランド・アレグロを盛り込んだセンター・ワーク、さらにコンテンポラリーの2分ほどのアンシェヌマンもしくはヴァリエーションの演技を収録した15分の動画ファイルを2021年10月17日までに提出する。動画審査結果は2021年10月28日までに通知され、80名ほどの通過者が見込まれる。クラシックおよびコンテンポラリーの課題ヴァリエーションは10月28日発表、審査員メンバーの発表は2021年12月を予定している。

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクール第5位入賞した淵山隼平 © PDL2021

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクール第4位入賞したユン・ソジョン © PDL2021

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクール第1位、コンテンポラリー・ダンス賞を受賞したアントニオ・カザリーニョ© Nikita Alba

ローザンヌ国際バレエコンクールで用意されるスカラシップ、研修費、賞金についての概要は以下のとおり。
◆ローザンヌ国際バレエコンクール・スカラシップ Prix de Lausanne Scholarships
入賞者が選択した学校での留学中、1年間無料の授業料と10か月2万スイスフラン(約240万円)の生活費が支給される。一般的に新学期は2022年秋にスタートし、2023年6月か7月に終了する(オーストラリア、ニュージーランドでは2023年1月〜2023年12月となる)
◆ローザンヌ国際バレエコンクール・プロ研修費 Prix de Lausanne Apprentice Scholarships
17歳以上の入賞者(シニア・グループ)は選択したカンパニーで1年間のプロ研修を受けることができ、10か月2万スイスフラン(約240万円)の生活費が支給される。
◆コンテンポラリー・ダンス賞 Contemporary Dance Award
コンテンポラリー・ダンスにおいて極めて高い将来性を見せたファイナリストに授与される。コンテンポラリー・ダンスの夏季講座を受講することができ、旅費と生活費も支給される。
◆ベスト・ヤング・タレント賞 Best Young Talent Award
スカラシップを受けられなかったファイナリストのなかで極めて高い芸術性を見せた者にルドルフ・ヌレエフ財団から授与される。
◆ベスト・スイス賞 Best Candidate From a Swiss School Award
スイスのバレエ学校から出場したファイナリストは2,500スイスフラン(約30万円)が授与される。スイス国籍のファイナリストかスイス国籍でなくても、少なくとも2年以上スイス在住でスイスの学校で学んでいることが条件となっている。
◆観客賞 Audience Favorite Award
ストラヴィンスキー・オーディトリアムで決選を鑑賞した観客が、当日中にスイス国内の携帯電話からSMSで投票した結果、最多票を獲得したファイナリストに授与される。
◆WEB観客賞 Web Audience Favorite Award
アルテ・コンサートのライブ配信を視聴した観客の投票により、最多票を獲得した出場者に授与される。
◆すべてのファイナリストは希望校の夏季講座を受講料無料で受けられる。
◆すべてのファイナリストはディプロマとメダルが授与される。入賞しなかったファイナリストには1,000スイスフラン(約12万円)が授与される。
応募要項については現在、英語版などが掲載されており、日本語版は順次アップロードされていく予定(医療関連書類については日本語版がダウンロードできる)。

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2020年ローザンヌ国際バレエコンクール授賞式にて © Rodrigo Buas

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクール第2位、Web観客賞、ベスト・スイス賞を受賞したルカ・アブデル=ヌール © PDL2021

2021年ローザンヌ国際バレエコンクールで初開催となった振付コンクール「ヤング・クリエイション・アワード Young Creation Award」では欧米、中国、キューバ、オーストラリア、ニュージーランドといった多くの地域から54名の応募があり、それぞれ独自のスタイルをもって美しい踊りを作り上げていたという。「ダンサーやアーティストにとって困難な時期に応募作品の発想の多様性を見るのは本当に感動的でした。より良い未来への希望が湧いて、オンラインであっても振付コンクールを開催すべきだと決意しました」とコンクール事務局長キャスリン・ブラッドニーは当時を振り返る。
2名の入賞者の作品は今年(2022年)のコンテンポラリー・ヴァリエーションのレパートリーとなり、コンクール会場にて自らの振付をダンサーたちへ指導することになる。つまり、作品を作るだけにはとどまらず、自分の創作意図をダンサーに教え伝えるということも学ぶ。振付コンクールのねらいとしては、トータルでこの部分も含めてひとつのプログラムとしている。創作と伝えることは全く別のことだが、振付家にはどちらも大切な要素である。
入賞者の一人、サミュエル・ウィンクラーと彼の作品を踊ったガブリエル・バルボサは、以前ローザンヌ国際バレエコンクールで共に競い合い、二人ともハンブルク・バレエスクールに留学して友人となった。ウィンクラーは「ヴィンセント・イスラーの美しい作曲『オーロラ』の3分間のソロ作品の振付にあたり、才能あるダンサーであるガブリエルの存在があってこそ、創作プロセスが生産的で面白いものになりました」と創作過程を振り返る。バルボサは「希望が失われがちで不確かな時代にアーティストであること、とりわけダンサーであるということは、単に決められたステップを学んで踊るだけではなく、僕たちの時代は失われておらず、未来があるということを表現するということです」と語った。
もう一人の入賞者であるカナダ国立バレエスクールのマヤ・スモールウッドは「ヴィンセント・イスラ―の曲『ユーフォリア』に熱烈に感動して以来、ソロのより深い意味を伝えるための革新的な動きを発見したり、ダンサーのユアン(・ハートウッド)とともに振付の深さと幅を広げ、そうしてローザンヌ国際バレエコンクールの国際的な舞台で披露されるまでの長いプロセスが一段落して、とても感謝しています。この賞の最初の受賞者であることを誇りに思い、また新たな振付に挑戦するのを楽しみにしています」と受賞の喜びを述べた。彼女が在籍するカナダ国立バレエスクールCEOメイビス・ステインズは「ローザンヌ国際バレエコンクールの国際的なパートナー校として、この若い才能とグローバルなコラボレーションの祭典に参加できたことを誇りに思います。振付の才能に焦点をあてたヤング・クリエイション・アワードが新設されたことは、未来のダンス・アーティストをサポートする方法を絶えず進化させていくローザンヌ国際バレエコンクールの革新的な取り組みとして評価に値します」と語った。
*参加条件・応募要項などについては、最新情報を入手し、ご自身でご確認いただくようお願い致します。

●ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイト
https://www.prixdelausanne.org/

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクール コンテンポラリー・ダンス賞を受賞したルイ・セザール・クルス © PDL2021

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクールヤング・クリエイション・アワード入賞マヤ・スモールウッド振付"Unravel"を踊るユアン・ハートマ © PDL2021

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2020年ローザンヌ国際バレエコンクールにて、コンテンポラリー・ヴァリエーションのコーチング © Rodrigo Buas

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2021年ローザンヌ国際バレエコンクールヤング・クリエイション・アワード入賞サミュエル・ウィンクラー振付"Suppress"を踊るガブリエル・バルボサ © PDL2021

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