ボリショイ・バレエ in シネマ 2020-21シーズンは『くるみ割り人形』『椿姫』『ロミオとジュリエット』を上映
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関口 紘一 Text by Koichi Sekiguchi
ボリショイ・バレエ団の舞台をライヴ・ビューイングするボリショイ・バレエ in シネマは、12月15日の『くるみ割り人形』より、全国の映画館で2020-21シーズンの上映を開始する。
『くるみ割り人形』ユーリ・グリゴローヴィチ:振付
まずは、クリスマスシーズンに合わせて、くるみ割り人形の王子の真っ赤な衣裳でお馴染みのユーリ・グリゴローヴィチ版『くるみ割り人形』が上映される。1966年にエカテリーナ・マクシーモワとウラジーミル・ワシリエフが主演し、ボリショイ劇場で初演されたヴァージョン。
王子役を踊るのは、セミョーン・チュージン。2017年のボリショイ・バレエ日本公演では『白鳥の湖』のジークフリートを踊っているので、そのダンスール・ノーブルぶりはご記憶の方も多いと思われる。マリー役はマルガリータ・シュライナーで、2011年にボリショイ・バレエ・アカデミーを卒業して入団した。『眠れる森の美女』の青い鳥のパ・ド・ドゥでフロリナ王女を踊るなど期待されているダンサーで、ナデジタ・パヴロワやマリア・アラッシュに師事している。ボリショイ劇場の大きな空間を生かした豪華な美術はシモン・ヴィルサラーゼ。2018年12月収録。
『椿姫』ジョン・ノイマイヤー:振付
年が明けるとジョン・ノイマイヤーがフレデリック・ショパンの曲に振付けた『椿姫』が上演される。パリの高級娼婦マルグリットとアルマンの悲恋を、劇中劇『マノン・レスコー』の展開とともに描いていくという設定となっている。マルグリットはスヴェトラーナ・ザハーロワ。彼女はノイマイヤーが2019年にボリショイ・バレエに振付けた『アンナ・カレーニナ』の初演のタイトルロールを踊った。アルマンはハンブルク・バレエ団のプリンシパルでウクライナ出身、世界バレエフェスティバルにも出演しているエドウィン・レヴァツォフ。マノンにはアンナ・チホミロワ、デ・グリューがセミョーン・チュージンというキャスト。ノイマイヤーの振付をロシアの逞しく力強いダンサーたちがどう踊るのか興味深い。2015年12月収録。
『ロミオとジュリエット』アレクセイ・ラトマンスキー:振付
そして2月には『ロミオとジュリエット』が上映される。ボリショイ・バレエの『ロミオとジュリエット』といえば、グリゴローヴィチ版が定番たが、これは2018年1月に収録されたアレクセイ・ラトマンスキー版。ジュリエットはモスクワ出身、ボリショイ・バレエ・アカデミーを卒業して入団したエカテリーナ・クリサノワ。2017年のラトマンスキー版『ロミオとジュリエット』初演でジュリエットを踊っている。ロミオ役はやはり初演でロミオを踊ったウラディスラフ・ラントラートフ。クリサノワとラントラートフはジャン=クリストフ・マイヨー振付の『じゃじゃ馬馴らし』でも2014年の初演を踊っている。
ラトマンスキー版はティボルト、パリスなどのキャラクターがマクミラン版とは異なって感じられる。特にラストシーは特徴がある。
詳細はボリショイ・バレエ in シネマ 日本公式サイト
◆ https://bolshoi-cinema.jp/
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