英国バーミンガム・ロイヤル・バレエがバーミンガム移転30周年記念公演を無料配信
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ワールドレポート/ロンドン
アンジェラ・加瀬 Text by Angela Kase
バーミンガム・ロイヤル・バレエは、かつてはサドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団と称してロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場を拠点にイギリス国内をツアーしていた。しかし、1990年10月に本拠地をイギリス第2の都市バーミンガム市に移し、バーミンガム・ロイヤル・バレエと名称を改めた。
現在イングランドは新型コロナ対策のため、今年2度目のロックダウン中だが、バレエ団は市の象徴ともいうべきバーミンガム市庁舎(バーミンガム・タウン・ホール)とバーミンガム・シンフォニー・ホールを使って、人気ダンサー10人によるパフォーマンス映像を収録。日本時間の11月20日(金)早朝5時〜11月27日早朝5時15分までの7日間、バレエ団のサイト http://brb.org.uk/brb-at-30、Facebookページ https://www.facebook.com/bhamroyalballet で無料配信している。
今回披露されるのはスティーブンソン、パノフ、ガルシア振付の3作品で、プリンシパルの平田桃子、マティアス・ディングマン、ブランドン・ローレンス、周子超(ツ・チャオ・チョウ)、ファースト・ソリストの水谷実喜、ソリストのイージン・ジャン、マックス・マスレン、ベアトリス・パルマらのパフォーマンスを観ることが出来る。それぞれ趣のある作品だが、フィナーレのガルシア振付『マヒシモ』は、男女各4人のダンサーがソロやデュエットでそれぞれの技量や魅力をアピールするスリリングな作品で、今やバレリーナとして円熟の極みにある平田桃子がバランスや旋回などに美技を披露し、相手役のマティアス・ディングマンと技の掛け合いを見せる。また、水谷実喜も大人びた魅力と技巧で観る者の心を鷲掴みにする。
演目と配役を含む映像の詳細は下記の通り。
・バーミンガム市議会リーダー イアン・ウォードによるご挨拶
・英国ロイヤル・バレエ、サドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団創設者のニネッタ・ド・ヴァロワ女史が、1990年10月、バーミンガムに向かう電車の車内で語ったインタビュー映像
・バレエ団芸術監督カルロス・アコスタがバーミンガム市庁舎内からご挨拶
・作品1『エンド・オブ・タイム』振付:ベン・スティーヴンソン ブランドン・ローレンスとイージン・ジャン
・芸術監督カルロス・アコスタより、バレエ団が過去25年間にわたって無償で行っている学生やお年寄りにバレエを手ほどきする活動についてのトーク
・2006年にTVドキュメンタリーになった『バレエ・フー』(バレエ団指導者が前科のある若者たちをセレクトしてバレエのレッスンを行い、バレエ団ダンサーと合同でマクミラン版『ロミオとジュリエット』を上演したプロジェクト)の出演者2名のインタビュー映像
・作品2『愛の死』 振付:ヴァレリー・パノフ ツ・チャウ・チョウ
・芸術監督カルロス・アコスタより、将来の抱負についてのトーク バレエ団が年間100の学校の2500人の子供たちに対して行っている無料のワークショップ「ダンス・トラック」の映像
・無料ワークショップ「ダンス・トラック」が発掘した男女2人の小学生のインタビュー映像
・芸術監督カルロス・アコスタより、今年1月に新芸術監督に就任し、知人のいないバーミンガムに来た自分をサポートしてくれたバレエ団スタッフ、ダンサーへの感謝の言葉と、最後の作品『マヒシモ』についてのトーク
・作品3『マヒシモ』 振付:ホルヘ・ガルシア 平田桃子、水谷実喜、イージン・ジャン、ベアトリス・パルマ、ツ・チャウ・チョウ、マティアス・ディングマン、マックス・マスレン、アレクサンダー・イップ
・バーミンガム市の教育・文化担当閣僚ジェイン・フランシスよりイギリス第2の都市バーミンガムの魅力と、バレエ団が障害を持つ若者たちに施しているダンス・レッスンについてのトークと映像紹介
・芸術監督カルロス・アコスタよりアート・カウンシル、バーミンガム市、バレエ団のスポンサー企業、個人スポンサーへの感謝の言葉と、新型コロナ禍で苦境にあるバレエ団への寄付を呼びかけるトーク、バーミンガム市民へのメッセージ
指揮者 ポール・マーフィー、フィリップ・エリス 演奏 ロイヤル・バレエ・シンフォニア
バレエ団はコロナ対策のロックダウンが予定通り12月2日で終われば、例年通りピーター・ライト版の『くるみ割り人形』をバーミンガムとロンドンで公演する予定。バーミンガム公演はヒポドローム劇場ではなく、レパートリー・シアターにて行われる。詳細は下記の通りだ。
『くるみ割り人形』ピーター・ライト版
12月14日〜12月22日 バーミンガム・レパートリー・シアター
12月30日〜1月2日 ロンドン ロイヤル・アルバート・ホール
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