ワールドレポート／その他

香月 圭　text by Kei Kazuki

第16回エカテリーナ・マクシーモワ記念アラベスク・ロシア・オープン・バレエコンクール（ペルミ国際バレエコンクール）が2020年10月24日〜11月2日に開催された。このコンクールは例年4月末〜5月初旬に開催されているが、今年は新型コロナウィルス感染拡大期間を避けて秋に日程が再調整された。
今春開催予告時には多くの応募があったが、Covid-19の影響で海外からロシアへの渡航が大幅に制限され、出場を断念せざるを得なかった参加予定者が多く、最終的にはジュニア（13〜17歳）女子13名、ジュニア男子4名、シニア（18〜25歳）女子9名、シニア男子8名、合計34名となった。外国人出場者はロシアのバレエ学校やバレエ団に在籍する者に限られ、日本、キルギスタンとフィンランド、ギリシャ、アルゼンチンなどで他はロシアや過去の出身者だった。
二次選考へは28名が進出した。審査員、指導者など関係者のみの観覧となったが、出場ダンサーたちは練習の成果を舞台で披露し、会場からは温かい拍手が送られた。審査の模様は一部ライブ配信された。このコンクール全体のパッケージ映像はペルミ・オペラ・バレエ劇場公式サイトから有料（1.5ドル＝約156円）で購入日より30日間視聴できる。

受賞者ガラコンサートでの舞台挨拶　Photo by Yuri Chernov

シニア女子部門では、1位の該当者がなく、第2位に若林莉々妃が入賞した。若林は1996年北海道に生まれ、2014年ベルギーのアントワープ王立バレエ学校卒業後、ミュンヘン音楽芸術大学バレエ・アカデミーで学んだ。彼女とペアを組んで出場したキルギスタン出身のクバニチ・シャマケーエフはシニア男子部門で優勝し、完璧なテクニックと芸術性を評価されジョージ・ゾリッチ賞も授賞された。若林とシャマケーエフのペアはプレス審査員賞も受賞している。この二人はエカテリンブルク国立オペラ・バレエ劇場を経て、2019年からチェリャビンスク国立オペラ・バレエ劇場のソリストとして活躍している。

《第16回エカテリーナ・マクシーモワ記念アラベスク・ロシア・オープン・バレエコンクール》結果

◆シニアの部（18〜25歳）
第1位（女性）：該当者なし
第1位（男性）：クバニチ・シャマケーエフ Kubanych Shamakeev（キルギスタン）
第2位（女性）： 若林莉々妃 Liriy Wakabayashi（日本）
第2位（男性）： スベデイ・ダンギト Subedey Dangyt（ロシア、クズル）
第3位タイ（女性）：カミラ・イスマギロワ Kamilla Ismagilova （ロシア、カザン）
第3位タイ（女性）：アレクサンドラ・クリサ Aleksandra Krisa （ロシア、モスクワ）
第3位タイ（男性）：アルグレン・ラスムス Algren Rasmus （フィンランド）
第3位タイ（男性）：マラト・サフィン Marat Safin （ロシア、ペルミ）
ディプロマ： ナタリア・ピヴキナ Natalia Pivkina （ロシア、モスクワ）
ディプロマ：クセニア・リング Ksenia Ring（ロシア、モスクワ）