フランチェスカ・ヘイワードが最優秀女性ダンサーに輝いた! 第20回英国舞踊批評家協会賞(ナショナル・ダンス・アワード)受賞

ワールドレポート/その他

香月 圭 text by Kei Kazuki

英国批評家協会の舞踊部門が主催する第20回英国舞踊批評家協会賞(ナショナル・ダンス・アワード National Dance Awards)の授賞式がロンドンのバービカン・センターで行われた。2018年9月1日〜2019年8月31日までに英国で上演された418の舞踊公演について、60名ほどの構成員のうち30名ほどが選出にあたった。
最優秀女性ダンサーは、映画『キャッツ』にも出演したフランチェスカ・ヘイワード、最優秀男性ダンサーはマルセリーノ・サンベと英国ロイヤル・バレエのダンサーが揃っての受賞となった。そのほかゲイリー・エイヴィスが『三人姉妹』のクルイギン役において「クラシック男性部門での傑出した演技」賞を受賞した。
イングリッシュ・ナショナル・バレエからは新人振付家としてスティナ・クァジバー(アクラム・カーン『ジゼル』ミルタ役としても知られる)が新人賞、カーチャ・カニューコワが『Broken Wings(折れた翼)』で画家フリーダ・カーロ役で「クラシック男性部門での傑出した演技」賞、そして指揮者・音楽監督ギャヴィン・サザーランドが「傑出した芸術的貢献」賞の3部門で受賞した。
サンフランシスコ・バレエは英国公演において「傑出したカンパニー」としての評価と、ラトマンスキーによる『Shostakovich Trilogyショスタコーヴィチ三部作』がクラシック最優秀振付賞の2部門を受賞した。ウィリアム・フォーサイスも最優秀モダン振付賞を授与され健在ぶりを示している。「傑出した功績に対するド・ヴァロワ賞」ではバーミンガム・ロイヤル・バレエの副監督マリオン・テイトが選ばれた。
英国舞踊界ではクリエイター、演者、そして訪英するカンパニーの数も多国籍化の傾向にあるが、日本からは勅使川原三郎が2019年3月にロンドンで主演した『白痴』の演技により「最も傑出した男性モダンダンサー部門」にノミネートされた。惜しくも最優秀賞受賞とはならなかったが、舞台芸術の伝統を誇るイギリスで評価された功績は著しい。

第20回英国批評家協会賞(ナショナル・ダンス・アワード)受賞結果

◇最優秀男性ダンサー
マルセリーノ・サンベ(英国ロイヤル・バレエ)

◇最優秀女性ダンサー
フランチェスカ・ヘイワード(英国ロイヤル・バレエ)

◇傑出したカンパニー
サンフランシスコ・バレエ

◇最優秀インディペンデント・カンパニー
ショバナ・ジェヤシン・ダンスShobana Jeyasingh Dance

◇最優秀クラシック振付賞
アレクセイ・ラトマンスキー『Shostakovich Trilogy(ショスタコーヴィチ三部作)』(サンフランシスコ・バレエ)

◇最優秀モダン振付賞
ウィリアム・フォーサイス『A Quiet Evening of Dance(ダンスの静かなる夕べ)』(サドラーズ・ウェルズ)

◇新人賞
スティナ・クァジバー Stina Quagebeur 振付家(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)

◇傑出した演技(クラシック/女性)
カーチャ・カニューコワ『Broken Wings(折れた翼)』のフリーダ役 (イングリッシュ・ナショナル・バレエ)

◇傑出した演技(クラシック/男性)
ゲイリー・エイヴィス『三人姉妹』のクルイギン役(英国ロイヤル・バレエ)

◇傑出した演技(モダン/女性)
ソレーヌ・ヴァイナフターSolène Weinachter『Juliet and Romeo(ジュリエットとロミオ)』(ロスト・ドッグLost Dog)

◇傑出した演技(モダン/男性)
ジョナサン・ゴダード Jonathan Goddard『The Mother』(アレクサンドリーナ・マークヴォ/バード・アンド・キャロット Alexandrina Markvo/Bird and Carrot)

◇傑出した芸術的貢献
ギャヴィン・サザーランド(指揮者および音楽監督/イングリッシュ・ナショナル・バレエ)

◇傑出した功績に対するデ・ヴァロワ賞
マリオン・テイト

■英国批評家協会賞(ナショナル・ダンス・アワード)Facebook
https://www.facebook.com/NatDanceAwards/

 

 

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