英国バーミンガム・ロイヤル・バレエの新シーズンが開幕し、水谷実喜がジゼル役でデビュー

ワールドレポート/ロンドン

アンジェラ・加瀬  Text by Angela Kase

9月19日、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の2019・20新バレエ・シーズンが、バレエ団の本拠地であるバーミンガム市ヒポドローム劇場で開幕した。
開幕作品はトワイラ・サープ振付『シナトラ組曲』、キャシー・マーストン振付『ザ・スーツ』、ジャック・リスター振付『ザ・ブリーフ・ノスタルジア』によるバレエ小品集だった。

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Photo By Angela Kase

翌週9月25日〜28日にはビントレー/サムソヴァ版『ジゼル』全幕が4組の配役で再演された。
初日の舞台をつとめたのは平田桃子/セザール・モラーレス組。翌日はここ数年バレエ団のホープとして多数の主役を踊っているファースト・ソリストの水谷実喜が、マティアス・ディングマンを相手役にジゼル役でデビューを果たした。1幕はジゼル役そのままの若さと可憐さで、2幕は幻想的な夜の森を漂う精霊ウィリの幽玄を表現し、観客から盛んな拍手喝采を浴びた。

現在バレエ団は、来年に迫ったカルロス・アコスタ新芸術監督就任までマリオン・テイトがアクティング・ディレクターとしてバレエ団をまとめている。今回ジゼル役を主演した平田、水谷、セリーヌ・ギッテンズ、デリア・マシューズの指導にあったったのは、元バレエ団プリンシパルの佐久間奈緒。平田や水谷はジゼル役を当たり役としたドラマティック・バレリーナである佐久間から、日本語で指導を受けているのである。
また先シーズンをもってバレエ団芸術監督を勇退したデイヴィッド・ビントレーも、自らの作品であるビントレー/サムソヴァ版『ジゼル』の監修のため、11月2日のロンドン公演終了までバレエ団と活動を共にしている。

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Photo By Angela Kase

『シナトラ組曲』をはじめとする「バレエ小品集」と『ジゼル』のロンドン公演の舞台は、11月のDance Cubeでご紹介する予定だ。

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