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今年のロシアは「バレエ年」!!プティパ生誕200年を記念したイベントで賑わうサンクト・ペテルブルクで、ロシア国立歴史文書館を見る

ワールドレポート/その他

梶 彩子 text by Ayako Kaji

フランス出身の振付家で、ロシアで活躍したマリウス・プティパ(1818-1910)は、チャイコフスキー三大バレエをはじめとする傑作の数々を生み出し、今日のクラシック・バレエの礎を築いた。ロシアでは、プティパ生誕200年を記念し、今年2018年は『バレエの年』と銘打たれ、プティパ関連の数々のイベントが行われている。プティパが活躍した街サンクト・ペテルブルクにある、建築家ロッシ通りのワガノワ・アカデミーには、プティパの誕生日である3月11日にプティパのメモリアル・プレートが新たに設置された。また、マリインスキー劇場近くにもプティパを記念した小さな広場が作られる予定である。
プティパ生誕200年関連のイベントの中でも特筆すべきは、サンクト・ペテルブルクにあるロシア国立歴史文書館の展覧会『ロシア・バレエの星座―プティパ生誕200周年を迎えて』であろう。この展覧会では、ペテルブルク、モスクワ両都市のアーカイブ、図書館、美術館、博物館、劇場から書類をはじめとする膨大な史料が集められ、時系列に沿ってプティパの活躍の軌跡が辿れるようわかりやすく陳列されている。

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レガート兄弟によるプティパの風刺画、プティパの日記、嗅煙草入 ©RSHA http://rgia.su

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ソ連時代のセルゲーエフ版『眠れる森の美女』オーロラ姫の衣装、アンナ・パヴロワ、アグリッピナ・ワガノワらの風刺画など、帝室劇場のダンサーの品々 ©RSHA http://rgia.su

ロシア国立歴史文書館に保管されている、帝室劇場管理部のプティパ関連の蔵書(1847-1910)には、契約書、パスポート、請願書、書簡といったプティパのダンサー、舞踊教師、そして振付家としての経歴を後世に伝える非常に貴重な史料が含まれており、その数は総計400ページを超える。普段なかなか目にすることのできない重要文書のオリジナルを間近で目にできる滅多にない機会である。
また、『バヤデルカ』『ファラオの娘』『ドン・キホーテ』『ジゼル』『白鳥の湖』『眠れる森の美女』をはじめとするバレエ作品の舞踊譜、ダンサーの配置図、衣装画、舞台美術、プログラムなど関連史料の他、アグリッピナ・ワガノワ、アレクサンドル・ゴルスキー、タマラ・カルサヴィナ、マチルダ・クシェシンスカヤ、オリガ・プレオブラジェンスカヤ、ミハイル・フォーキンといったプティパの下で踊った優れたダンサーたちの写真、手紙、私物なども展示されている。サンクト・ペテルブルク国立演劇音楽博物館やマリインスキー劇場が提供する衣装も豊富な展示内容を鮮やかに彩っている。また、プティパの私生活が垣間見える資料としては、ロシア人バレリーナとの2度の結婚にまつわる書類や、それぞれ舞台の道を進んだ子供たちの写真や手紙なども興味深い。
1847年にロシアの地を踏み、1903年に事実上の引退をするまで、プティパは半世紀以上をロシア・バレエに捧げ、その間、ニコライ1世、アレクサンドル2世、アレクサンドル3世、ニコライ2世と実に4人の皇帝が入れ替わっていった。晩年、回想録の中で、プティパはロシアでの年月を「最も幸せな時間」であったと振り返り、いつもあたたかく作品や自分自身を受け入れてくれたペテルブルクやモスクワの観客への感謝の気持ちを綴っている。
プティパに関する貴重な史料がこれだけの規模で一挙に公開されるのも、生誕200周年という大きな節目だからこそ。ロシア・バレエの名を世界に知らしめたプティパへの敬意と誇りを感じさせる、工夫の凝らされた充実した展示内容であった。展覧会は6月28日まで。
この他、マリインスキー劇場でも3月11日のガラ・コンサートを皮切りに、次々とプティパ作品が上演され、生誕200周年が大々的に祝われている。プティパ作品の上演時には生誕200周年特別仕様の美しいカラフルなプログラムを購入できる。また、モスクワでは、国立中央バフルーシン演劇博物館で、展覧会『プティパの2世紀』が開催中(6月7日まで)。博物館創設者であるバフルーシンのコレクションや、帝室劇場管理部の所蔵史料を中心とした展示で、一部作品はオンライン公開されている(http://www.gctm.ru/en/event/the-exhibition-two-centuries-of-marius-petipa/)。

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