【ニュース】マリウス・プティパ生誕200年記念祭がマリインスキー劇場で開催中

ワールドレポート/その他

香月 圭 text by Kei Kazuki

2018年はクラシック・バレエの黄金時代を築いた振付家マリウス・プティパの生誕200年にあたり、これを記念する行事が世界各地で行われている。プティパが数々の名作を生み出した本拠地マリインスキー劇場では、プティパ生誕200年記念祭が3月8日から5月19日まで行われている。『眠れる森の美女』『白鳥の湖』などの全幕物の上演に加え、記念ガラ・コンサートや講演も開催される。

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The Seasons by Natasha Razina
© State Academic Mariinsky Theatr

◇マリインスキー劇場「マリウス・プティパ生誕200年記念祭」
3月8日 『眠れる森の美女』ヴィハレフ版
3月9日 『眠れる森の美女』ヴィハレフ版
3月11日 マリウス・プティパ生誕200年記念ガラ・コンサート
3月14日 『白鳥の湖』
3月15日 『ドン・キホーテ』
3月16日 『白鳥の湖』
3月17日 『ドン・キホーテ』
3月18日 『ジゼル』
3月21日 『白鳥の湖』
3月22日  講演「『眠れる森の美女』名作の誕生とその運命」オルガ・マカロワ
『眠れる森の美女』プリモルスキー劇場バレエ団
3月24日 『眠れる森の美女』プリモルスキー劇場バレエ団
3月28日 『パキータ』スメカロフ版
3月29日 『パキータ』スメカロフ版
3月30日 『ラ・バヤデール』
4月8日  『ジゼル』
4月18日 『眠れる森の美女』
4月19日 『眠れる森の美女』
4月25日 『ライモンダ』
4月26日 『ライモンダ』
講演「マリウス・プティパの金字塔―プティパのクラシック・アンサンブルの秘密とその魅力」オルガ・マカロワ
5月10日 『眠れる森の美女』
5月11日 『眠れる森の美女』
5月17日 『白鳥の湖』
5月19日 『白鳥の湖』

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May Nagahisa in Swan Lake by Valentin Baranovsky
© State Academic Mariinsky Theatre

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May Nagahisa in The Sleeping Beauty_by Natasha Razina © State Academic Mariinsky Theatre

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A Midsummer Night's Dream by Natasha Razina © State Academic Mariinsky Theatre

記念祭初日3月8日の開幕を飾ったのは昨年急逝したセルゲイ・ヴィハレフによる『眠れる森の美女』。プティパのオリジナルの振付は、ステパノフ式で記録された舞踊譜がハーバード大学に保管されており、ヴィハレフはこれをに基いて初演当時の舞台を復元した。バレエ史において極めて貴重なヴァージョンとなっている。
この舞台は「ヴィハレフが発掘した宝を思い起こさせるものだった。悠然と進む4時間の上演は、桁外れに多い出演ダンサーやエキストラ、子どもたちによって命を吹き込まれた豊かなタペストリーといえるものであった。

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 ...(中略)...復元された1890年初演当時の舞台装置と衣装は、手書きのフランス庭園から最後のアポテオーズに至るまで驚くほど美しく、そこにリラの精が智天使ケルビムと雲の上に浮かんでいるように見せている」(ローラ・カペル「フィナンシャル・タイムズ」2018年3月13日)と評された。開幕日の3月8日は、オーロラ姫をヴィクトリア・テリョーシキナ、デジレ王子をウラジーミル・シクリャローフが演じた。
プティパの誕生日にあたる3月11日、生誕200年記念祭の目玉であるガラ・コンサートが行われた。プログラムは新進振付家コンスタンチン・ケイヘル Konstantin Keikhelによる『The Seasons(四季)』の初演(エカテリーナ・チェブィキナ/ロマン・ベルヤコフ)、バランシン版『真夏の夜の夢』より第二幕(ティターニア:アナスタシア・コレゴワ/オベロン:ダヴィド・ザレーエフ)、『眠れる森の美女』より第三幕(オーロラ姫:アリーナ・ソーモワ/デジレ王子:ザンダー・パリッシュ)によるトリプル・ビルとなっていた。
ゲスト・ダンサーたちの登場もこの祝典に華を添えた。3月17日、ボリショイ・バレエのマリーア・アレクサンドロワとウラディスラフ・ラントラートフのカップルが『ドン・キホーテ』の主役を務め、翌18日にはマルセロ・ゴメスが『ジゼル』のアルブレヒトを演じた。
マリインスキー劇場に昨年入団した永久メイは3月9日の『眠れる森の美女』では、フロリナ王女に抜擢されている。永久は3月14日『白鳥の湖』王子の友人役、3月28日『パキータ』主人公の友人役、3月31日『ラ・バヤデール』影の王国の3人のソロを踊る。
3月22日、24日はウラジオストックのプリモルスキー劇場主席バレエ・マスター、エルダール・アリエフ版『眠れる森の美女』が上演されるが、24日にプリモルスキーのソリスト、則竹江里子がダイヤモンドの精を踊る。フィギュアスケートの振付家としても知られるユーリー・スメカロフが台本・振付・音楽編集を手がけた新版『パキータ』も上演された。
1818年、舞踊家を父としてマルセイユに生まれたプティパは、ボルドーやマドリッドなどでダンサーとしてのキャリアを積み、1847年にプルミエ・ダンスールとしてサンクトペテルブルクの帝室劇場に赴く。以後、プティパはこのロシア帝国の首都に60年も留まり、ダンサー、教師、振付家として活躍した。自身の作品や過去の作品の復元、改訂に精力的に取り組み、ヨーロッパでバレエの人気が低下するのと入れ替わるようにロシア・バレエの興隆に多大な貢献をした。

◇マリインスキー劇場オフィシャルサイト「マリウス・プティパ生誕200年記念祭」
https://www.mariinsky.ru/en/playbill/petipa

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The Sleeping Beauty by Natasha Razina
© State Academic Mariinsky Theatre

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The Sleeping Beauty by Natasha Razina
© State Academic Mariinsky Theatre

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The Sleeping Beauty by Natasha Razina © State Academic Mariinsky Theatre

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