【ニュース】英国ロイヤル・バレエ『冬物語』の初日とライブシネマに平野亮一とムンタギロフが登場する

ワールドレポート/ロンドン

アンジェラ・加瀬  Text by Angela Kase

英国ロイヤル・バレエは2月13日より3月21日まで、クリストファー・ウィールドン振付『冬物語』をリバイバル上演中。これはシェイクスピアの戯曲を元に、ウィールドンが振付けた全3幕の物語バレエだ。2014年の世界初演以来、世界のバレエ関係者に大変高く評価されおり、初演の翌年にはバレエのアカデミー賞と言われるブノワ賞の振付家賞、最優秀男性ダンサー賞(エドワード・ワトソン)、作曲家賞(ジョビー・タルボット)を受賞している。

バレエ団がこの作品を本拠地コベント・ガーデンで再演するのはこれが2度目となる。今回は男性準主役のポリクセン役にマシュー・ボール、ウィリアム・ブレイスウェル、リース・クラーク、ルーカス・ビョルンボー・ブランドスロッドという4人の若手が抜擢された他、昨年夏のオーストラリア公演中に男性主役リオンティース役で急遽デビューを遂げたプリンシパルの平野亮一が2月16日の公演中この役をイギリスで初主演、24日(夜)には女性主役のハーマイオニーを金子扶生、準主役のパーディタを高田茜が踊る予定で,英バレエ関係者やファン期待のデビュー公演が多数予定されていた。
ところがリバイバル初日直前に、リオンティーズ役を世界初演したエドワード・ワトソンが負傷したため、平野亮一が初日の13日とイギリス国内およびヨーロッパの一部の映画館にパフォーマンスが生中継されるライブシネマ当日の28日を含む5公演を主演することになった。またこの作品の王子フロリゼル役を世界初演したスティーヴン・マックレーも1月以来怪我で降板しているため、ヴァディム・ムンタギロフもマックレーと自らがフロリゼルを踊る日を受け持つ事ことになった。

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平野亮一、ローレン カスバートソン (C) Tristan Kenton

初日13日、平野は英国ロイヤル・バレエの正統派プリンシパルらしい包容力と技量、演技力でリオンティーズ役を熱演。当日ロイヤル・オペラ・ハウスに集まったイギリスの批評家やバレエ・ファンから惜しみない拍手とブラボーを贈られた。1月に体調を崩して『ジゼル』の初日を降板しファンを心配させたムンタギロフも完全に復調してフロリゼル役にはじけ、リバイバル初日は大変な盛り上がりを見せた。

2月28日ののライブ・シネマ当日の公演もリバイバル初日と同じ配役で行われ、映画館に足を運んだファンにも好評を博している。

日本では4月20日もしくは21日から全国11の映画館で上映される予定。日本にいながらローレン・カスバートソン、平野、サラ・ラム、ムンタギロフという豪華キャストでの『冬物語』を見られる日も近い。

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