【ニュース】第24回黄金のマスク賞受賞結果

ワールドレポート/その他

香月 圭 text by Kei Kazuki

2016〜2017年に上演されたロシア演劇界の成果を振り返る第24回黄金のマスク賞授賞式が2018年4月15日モスクワのボリショイ劇場で行われた。この賞は、ドラマ、パペット、オペラ、バレエ&コンポラリー・ダンス、オペレッタ&ミュージカルなどの分野からそれぞれ表彰が行われている。ロシアの舞台芸術にとって最も権威のある賞と言われる。今回、舞踊分野についてはチャイコフスキー記念ペルミ国立オペラ・バレエ劇場『シンデレラ』が振付、指揮者、衣装の3部門を受賞した。

◇バレエ/作品
『白の組曲』スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場バレエ団 
ballet / best production
"SUITE IN WHITE" Stanislavsky and Nemirovich-Danchenko Musical Theater, Moscow
2017年にローラン・イレールが芸術監督となりパリ・オペラ座のレパートリーが加わった。ロシアの観客にとってフランス・バレエは新鮮に映ったのではないだろうか。
・スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場バレエ団公式サイト「リファール/キリアン/フォーサイス」演目紹介 http://stanmus.com/performance/23466

◇コンテンポラリー・ダンス/作品 
『イマーゴ=トラップ』エカテリンブルグ州立劇場 
contemporary dance/best production
" IMAGO-TRAP", Provincial Dances Theater, Yekaterinburg
イソップの「アリとキリギリス」の寓話をモチーフにした作品。
https://vimeo.com/200967276

◇バレエ/指揮者
テオドール・クルレンツィス『シンデレラ』
チャイコフスキー記念ペルミ国立オペラ・バレエ劇場
ballet / best conductor
Teodor Currentzis, "Cinderella"
Opera and Ballet Theater. P.I. Tchaikovsky, Perm
ペルミ国立オペラ・バレエ劇場とムジカエテルナの音楽監督を務めるアテネ出身のテオドール・クルレンツィスは黄金のマスク賞を過去5回受賞し、世界中のクラシック・ファンをも魅了し続けている。クルレンツィスはムジカエテルナを率いて2019年2月に初来日公演を行う予定。
・チャイコフスキー記念ペルミ国立オペラ・バレエ劇場公式サイト テオドール・クルレンツィス
https://permopera.ru/en/people/66969/

◇バレエ・マスター/振付家
アレクセイ・ミロシニチェンコ
『シンデレラ』チャイコフスキー記念ペルミ国立オペラ・バレエ劇場
ballet balletmaster / choreographer
Alexei MIROSHNICHENKO, "Cinderella", Opera and Ballet Theater. P.I. Tchaikovsky, Perm
ペルミ・バレエ芸術監督のアレクセイ・ミロシニチェンコは黄金のマスク賞を過去2回受賞している。『シンデレラ』の音楽はプロコフィエフだが、舞台は1930〜50年代のソ連に設定されている。
・ペルミ国立オペラ・バレエ劇場公式サイト
アレクセイ・ミロシニチェンコ https://permopera.ru/en/people/66971/
『シンデレラ』https://permopera.ru/en/playbills/repertoire/68370/

◇バレエ、コンテンポラリー・ダンス/女性ダンサー
アナスタシア・スタシュケヴィッチ『檻』ノヴェンカヤ役 モスクワ・ボリショイ劇場 
best actress
Anastasia STASHKEVICH, Novice, "THE CAGE", Bolshoi Theater, Moscow
エカテリンブルク劇場ソリスト西口実希もヴャチェスラフ・サモドゥーロフ振付『雪の女王』ゲルダ役でノミネートされていた。またマリインスキー劇場のエカテリーナ・コンダウーロワはイリヤ・ジーヴォイの『四季』でノミネートされた。彼女は11月のマリインスキー・バレエ来日公演に参加予定。

◇バレエ、コンテンポラリー・ダンス/男性ダンサー
ヌルベク・バトゥルラ『Voice of the Commencement』
〈創作環境〉文化イニシアティブ基金および演劇プロジェクト「石・雲・鳥」
best actor
Nurbek BATULLA, "The Call of Beginning " of the Foundation for Cultural Initiatives "Creative Environment" and the Theater Project "Stone. Cloud. The Bird " in Kazan.
ヌルベク・バトゥルラはカザン舞踊学校を2007年に卒業後、リムスキー=コルサコフ記念サンクトペテルブルク音楽院で振付を、サンクトペテルブルク州立工科大学で演劇と映画の演技を専攻。タタール・オペラ・バレエ劇場のダンサーを経て国際的な演劇プロジェクトへの参加やソロ公演「マイ・ヌリエフ」などをプロデュース。バレエ、コンテンポラリー、民族舞踊などの多彩な舞踊言語をミックスしたパフォーマンスが特徴的だ。

◇衣装
タチアナ・ノギノワ『シンデレラ』
チャイコフスキー記念ペルミ国立オペラ・バレエ劇場
best costume desiner (musical thetre)
Tatiana NOGINOVA, "Cinderella", Opera and Ballet Theater. P.I. Tchaikovsky, Perm

2017年7月、直前の世界初演延期が大きな話題となったボリショイ・バレエの『ヌレエフ』。この作品を演出したキリル・セレブレニコフは『チャードゥスキー』(モスクワ ヘリコン=オペラ劇場)で最優秀オペラ演出家に選出された。また、彼がディレクションを務めるモスクワのゴーゴリ・センター劇場の活動が「創造の自由と演劇の現代的な言語を果敢に追求している」ことに対して演劇審査員特別賞も受賞した。

・黄金のマスク賞公式サイト
https://eng.goldenmask.ru/

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