【ニュース】<Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018>の概要が発表された

ワールドレポート/その他

佐々木 三重子 Text by Mieko Sasaki

3年に一度、横浜で開かれる日本最大級のダンスの祭典〈Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018〉が、この8月4日から9月30日にかけて開催される。約200もの多彩なプログラムから成る今年のフェスティバルの概要が発表された。第3回を迎える今回の最大の特色は、今年が日仏交流160周年に当たり、また横浜と仏・リヨンの姉妹都市提携60周年のプレ・イヤーでもあることから、リヨンで隔年開かれる世界的に著名な〈リヨン・ダンス・ビエンナーレ〉と連携し、ヨーロッパの最先端のダンスを紹介する企画が盛り込まれたこと。そのため、同ビエンナーレの芸術監督を務めるドミニク・エルヴュを、ダンス・カンパニー「コンドルズ」を主宰する近藤良平と共にフェスティバルのディレクターに迎えた。〈Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018〉は、劇場の外にも飛び出して横浜の"街なか"を舞台に繰り広げられることや、バレエだけでなくコンテンポラリー、ストリート、ソシアル、チア、日本舞踊など、あらゆるジャンルを網羅しているのも特色で、さらに市民参加のプログラムや、子ども向けワークショップの開催や幼稚園・保育園への訪問公演など次世代育成プログラムも組まれている。

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バレエ・ロレーヌ公演「DEVOTED」(C)ArnoPaul

 エルヴュによる話題の企画は4つ。仏・ナンシーから前衛作品の公演で評価の高い「バレエ・ロレーヌ」を招き、巨匠マース・カニングハムとウィリアム・フォーサイスの代表作に加え、過激な作風で脚光を浴びるC・ベンゴレア&F・シェニョーの作品を上演する。バングラデシュ系移民という背景を投影した作品で知られるダンス界の俊英アクラム・カーン・カンパニーは、映像や演劇を融合した『チョット・デッシュ』を上演。アクロバットとダンスを巧みに融合させるリヨンのサーカス・アーティスト、マチュラン・ボルズは、ソロ作品と、片脚を失ったエディ・タベとのデュオ作品を踊る。さらに、日仏がコラボレートする『トリプルビル』。"ストリートダンスと芸術ダンスの融合"の先駆者カデル・アトゥと若手ジャンヌ・ガロワが日本人ダンサーにそれぞれ振り付けた新作と、独特の舞台で人気のカンパニー「東京ゲゲゲイ」の3作で構成。この『トリプルビル』は、横浜で世界初演後、「ジャポニスム2018」の公式企画として2ヶ月にわたるフランスツアーを行うという。

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アクラム・カーン・カンパニー『チョット・デッシュ』(C)Richard Haughton Chotto Desh

 オープニングを飾るのは、横浜港の夜景をバックに像の鼻パークの特設野外ステージで行われる「横浜ベイサイドバレエ」で、東京バレエ団が人気の『ボレロ』や『タムタム』を上演する。この特設ステージでは、「コンドルズ」が過去22年間の作品の名場面をオムニバス形式で綴る公演や、近藤はじめ義足のダンサー大前光市や気鋭のダンサー・振付家、平山素子らが出演する「近藤良平・ヨコハマ・ガラ」も行われる。コンテンポラリー・ダンスの会場として親しまれている横浜赤レンガ倉庫1号館では、独創的な作品を発信し続けるダンス・カンパニー「DAZZLE」と若手ダンサーが共演する『ピノキオの嘘』の公演や、ダンサー・俳優として活躍する森山未來がノルウェーのヨン・フィリップ・ファウストロムと共に『SONAR』を創作し初演する。また、近藤がディレクターを務める「横浜ダンスパラダイス」では、会期中の週末と祝日に、市内の商業施設や広場、公園などの"街なか"で、大人も子どもも、国籍や性別も問わず、プロ・アマの枠も超え、すべての人が無料で参加してダンスを楽しむステージを提供する。フェスティバル最終日の9月30日には、ダンスパラダイスに参加したダンサーや観客を横浜美術館前のグランモール公園に集め、全員で近藤が振付けたオリジナルダンスを踊り、賑やかに"日本最大級のダンスフェスティバル"を締めくくる。

横浜アーツフェスティバル実行委員会
https://dance-yokohama.jp

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