[ タタールスタン共和国 ] 第27回ヌレエフ記念フェスティバルがカザンで開催、神戸・遅沢ペアが喝采を浴びた

今年で27回目を迎えたヌレエフ記念フェスティバルが、ヌレエフの出身国、タタールスタン共和国の首都カザン市で開催されました。第一回の開催は1987年です。5月14日から28日まで世界各地から、ゲストダンサーをカザン市のアカデミック・オペラバレエ劇場に招き、盛大に行われました。そして、5月27日と28日はフェスティバルを締めくくるガラ公演が華やかに開催され、15日間のイベントは幕を閉じました。
私は、カザンには初めて訪れましたが、美しく豊かな町でまたぜひ、ゆっくり見てみたい町です。クレムリンなどはおとぎの国の世界でした。

ガラ公演プログラム
<第2部>

1、『海賊』第1幕よりパ・ド・ドゥ フェルナンダ・オリビエ&イオナ・アコスタ
(英国、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団)
2、『スターバト・マテール』 アリス・ルナヴァン&ベンジャマン・ペッシュ
(パリ・オペラ座バレエ団)
3、『ブルジョワ』 デニス・アンティッラ (ドイツ、エッセンアルト劇場)
4、『ハレルキナーダ』 寺田翠&大川航矢(タタールスタン共和国、カザン・バレエ団)
5、『人形』 マリヤ・チハノワ&セルゲイ・クロチキン (ペルミ、パルフィノーワバレエ団)
6、『ラ・バヤデール』より幻想の場 クリスティナ・アンドレーワ&遅沢佑介
(タタール共和国、カザン・バレエ団、Kバレエカンパニー)
7、『ニ・スマトリャ・ニ・ナシト』 アレクサンドラ・ティモフェワ&ミハイル・マルテュヌク
(ロシア、クレムリン・バレエ団)
8、『海賊』3幕より アディアリス・アルメイダ&ジョゼフ・ガッティ
(元ボストン・バレエ)

<第2部>

1、『ダイアナとアクティオン』 ジョイ・ボマック&ミハイル・マルテュヌク
(ロシア、クレムリン・バレエ団)
2、『シンデレラ』より 神戸里奈&遅沢祐介(Kバレエカンパニー)
3、『Nothing 』 アディアリス・アルメイダ&ジョゼフ・ ガッティ
4、『パリの炎』 クリスティナ・アンドレワ&オレッグ・イベンコ
5、『オテロ』 ユリア・ツオイ&デニス・アンティッラ(エッセンアルト劇場)
6、『ゴパック』 ジヌ・タマズラカウ(ベルリン国立バレエ団)
7、『ランデブー』 アリス・ルナヴァン&ベンジャマン・ペッシュ
8、『ドン・キホーテ』3幕 フェルナンダ・オリビエ&イオナ・アコスタ

今回のフェスティバルでは、キューバやアメリカなどロシアにはあまりゲストで来る機会がないダンサーたちが大活躍した。
キューバからアディアリス、アメリカからジョゼフのペアは、二人共『海賊』のパ・ド・ドゥでのフェッテで4回転を入れるなど、回転技で観客を魅了した。このペアは5月18日に『ドン・キホーテ』の全幕にもゲストで主演。それを見た観客がその時のフェッテも凄かった、とガラが始まる前から期待していた。同じキューバのフェルナンダ、アコスタのペアも『ドン・キホーテ』でスパニッシュの色気たっぷり、スタイリッシュにパ・ド・ドゥを踊った。
パリ・オペラ座のペア、ペッシュとアリスは、まずペッシュ自身の作品『Stabat mater』をエレガントに美しく見せ、プティ振付の『ランデブー』では大人の世界、エロティックな魅力を見せて全く違う一面を披露した
Kバレエカンパニーから神戸里奈、遅沢祐介は、登場しただけで溜息が出そうな美しい衣装で豪華かつエレガントに、安定したテクニックでシンデレラを踊った。
エッセンからユリア・ツオイ、デニス・アンティッラのペアは、彼自作のモダンダンス、『オテロ』のパ・ド・ドゥを踊り、シャープな動きの振付でラインの余韻を残した。照明なかなかも素敵。全幕も見たくなるパ・ド・ドゥだった。

(C)Emi Hariyama

(C)Emi Hariyama

ジョイとミハイルのモスクワ・クレムリン・バレエのペアは、ヴェテランのミハイルが若手ジョイをリードし、これぞモスクワ、と言う男性の力強さたっぷりのアクティオンで魅了した。ジョイもこれからが楽しみなダンサーだ。
カザンの地元バレエ団のクリスティナ、オレッグ、寺田、大川はピュアなクラッシックの美とテクニックを存分にみせた。
ベルリン国立バレエ団から参加したジヌは、2分弱の『ゴパック』で、ジャンプ、愛らしさをしっかりと踊り、彼の魅力を観客に残した。

(C)Emi Hariyama

(C)Emi Hariyama

(C)Emi Hariyama

(C)Emi Hariyama

(C)Emi Hariyama

(C)Emi Hariyama

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ガラのプログラムは、クラッシック・バレエの有名な作品からローラン・プティ、モダンの新作まで、飽きずに見ることが出来る良くバランスの取れたものだった。
劇場は、赤と白と金で豪華にデザインされながらこじんまりと温かい雰囲気も持つ素敵な建物。満席の観客は素敵なドレスやタキシードで着飾っていて、この日のガラ公演を待ちに待っていた雰囲気。
フェスティバルでは、『白鳥の湖』、『ドン・キホーテ』、『ラ・バヤデール』、『スパルタクス』、『ジゼル』の全幕も上演され、ボリショイ劇場やマリインスキー・バレエ団からスヴェトラーナ・ザハロワはじめ、スターダンサーたちが終結した。来年もまた、春に開催される予定となっている。

(C)Emi Hariyama

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ワールドレポート/その他

[ライター]
針山 愛美

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