岡田兼宜プロデュースで吉野寧浩のアイリッシュ+Rhythmタップとのコラボレーションと『コッペリア』全幕
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ワールドレポート/大阪・名古屋
すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna
Tomotaka Ballet
『コッペリア』岡田兼宜:振付 ほか
バレエダンサー岡田兼宜とIrish + Rhythm Tapダンサーである吉野寧浩がコラボレーションした舞台。様々な所属の実力派バレエダンサーたちが集い、見応えのある舞台に仕上がっていた。
幕開けは『Irish + Rhythm Tap Collection with Ballet』。
北沙彩と岡田兼宜による大人のしっとりとした魅力のバレエ『More』に始まり、ギター(江口広)、フィドル(大森ヒデノリ)、バウロン(上沼健二)の生演奏の乗せて、吉野寧浩によるIrish + Rhythm Tap。言葉も使った程よい脱力感のある吉野の部分とバレエ部分との対比が面白い。締めくくりの『情熱大陸』は岡田と吉野がともに踊った。
『Irish + Rhythm Tap Collection with Ballet』
Tap Solo:吉野寧浩
©Balletholic.photo 高須佑治
『Irish + Rhythm Tap Collection with Ballet』
More:北沙彩、岡田兼宜
©Balletholic.photo 高須佑治
後半は『コッペリア』全幕だ。スワニルダはスターダンサーズ・バレエ団の本田千晃。海外でも多くの舞台を重ねてきた経験からくるのだろうと思える安心感のある自然な演技で、キュートに物語に誘う。とても魅力的なスワニルダだった。フランツの岡田は人の良さを滲ませながら、茶目っ気を見せて好演。市長が夏山周久というのも贅沢なキャスティング。コッペリウスの榎本心が想像以上に芸達者で物語をグレードアップしていることも感じられた。
また、第3幕のディベルティスマンの中心を踊ったダンサーがそれぞれ目を引く存在だったのも嬉しい。「夜明け」の牧野カレンの長身を活かしたスケールの大きな踊り、大平哲滋をパートナーに「祈り」を踊った坂田麻由美のベテランらしい落ち着いた魅力、「仕事」の中心、北沙彩の清らかさと愛らしさ、そして上村崇人とともに「戦い」を踊った倉内七の強さ、迫力、存在感。レベルの高いソリスト達だと実感した。
(2024年10月6日、クレオ大阪中央ホール)
『コッペリア』
コッペリウス:榎本心、コッペリア人形:米沢絢羽
©Balletholic.photo 高須佑治
『コッペリア』
スワニルダ:本田千晃、フランツ:岡田兼宜、市長:夏山周久
©Balletholic.photo 高須佑治
『コッペリア』
スワニルダ:本田千晃、コッペリウス:榎本心
©Balletholic.photo 高須佑治
『コッペリア』
スワニルダ:本田千晃、フランツ:岡田兼宜
©Balletholic.photo 高須佑治
『コッペリア』
フランツ:岡田兼宜
©Balletholic.photo 高須佑治
『コッペリア』
スワニルダ:本田千晃、フランツ:岡田兼宜
©Balletholic.photo 高須佑治
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