ノーザン・バレエのリードソリスト白井沙恵佳のオデット、コンクールでの活躍目覚ましい小森世楽のオディール──有紀バレエスタジオ20周年『白鳥の湖』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

有紀バレエスタジオ

『白鳥の湖』森田有紀:改訂振付

20周年のこのスタジオの初期からの生徒で、カナダのロイヤル・ウィニペグ・バレエ在籍中にヴァルナ国際バレエコンクール銀賞、現在、ノーザンバレエでリード・ソリストとして踊る白井沙恵佳がオデット。その後輩で、YAGPなど多くのコンクールで1位など上位に輝き、ジョン・クランコ・スクールで卒業までの2年を学んで帰国した小森世楽がオディールを踊っての『白鳥の湖』。
王子は、いつも、さすがと思わせる踊りを観せてくれる青木崇。ロットバルトを弓場亮太、王妃を河森睦生と舞台を重ねるベテランたちで主要キャスト固めた安心感のあるキャスティング。そんななか、フレッシュで、これまた良かったのが、道化の脇塚優。彼はローザンヌ国際バレエコンクール4位受賞後、ヒューストン・バレエを経て、昨シーズンから、白井と同じノーザンバレエで活躍している。スタイルも美しく、王子なども踊れる彼だが、持ち前の喜びが溢れるような踊りが道化にも合う。滞空感のあるジャンプなど、とても良かった。

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オデット:白井沙恵佳、ジークフリート王子:青木崇
撮影:文元克香(テス大阪)

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オディール:小森世楽、ロットバルト:弓場亮太
撮影:文元克香(テス大阪)

そして、白井のオデットは、柔らかさを持った清らかさで、不幸な境遇を静かに受け入れるよう。白いバレエの魅力を体現してくれるバレリーナだとつくづく思う。また、オディールの小森は、伸び盛りであることが全身からほとばしるような、いきいきとした踊り。テクニックも高く、踊る楽しさが溢れていた。
ディベルティスマンのスペインの踊りは、主宰の森田有紀が稲毛大輔をパートナーに。強い視線での迫力を持った踊りで盛り上げた。
白井、小森の益々の活躍を期待しながら、彼女たちに続きそうな後輩たちが育ちつつあることも感じた。
(2024年7月6日 高槻城公園芸術文化劇場トリシマホール)

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道化:脇塚優
撮影:文元克香(テス大阪)

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パ・ド・トロワ:森田梨良、今井萌々香、稲毛大輔
撮影:文元克香(テス大阪)

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オデット:白井沙恵佳、ジークフリート王子:青木崇
撮影:文元克香(テス大阪)

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スペインの踊り:森田有紀、稲毛大輔
撮影:田中聡(テス大阪)

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大きい白鳥:小森世楽、森田梨良、今井萌々香、森遥愛
撮影:田中聡(テス大阪)

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オデット:白井沙恵佳、ジークフリート王子:青木崇
撮影:文元克香(テス大阪)

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