「SWAN SONG 新たな羽ばたき」について、元ノルウェー国立バレエ団プリンシパルの西野麻衣子にインタビュー
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ワールドレポート/大阪・名古屋
すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna
2016年に日本でも公開されたドキュメンタリー映画『Maiko ふたたびの白鳥』で話題になったノルウェー国立バレエ団の元プリンシパル、西野麻衣子。彼女は20年以上の在籍を経て2021年に引退した。コロナ禍前、彼女の引退に合わせてノルウェー国立バレエ団のダンサーたちとともに踊る日本公演が企画されていたが、コロナの状況から何度か延期を余儀なくされていた。そしてやっと、今回の公演が決まった。
──麻衣子さんと言えば、映画もあり、「白鳥」のイメージが強いですが、もう『白鳥の湖』は踊らないのですね。今回は『瀕死の白鳥』を観せてくださる。
西野:はい、『Le Cygne(瀕死の白鳥』)を踊ります。ですが、ミハイル・フォーキン振付のものではなく、同僚だったノルウェー国立バレエのプリンシパル、ルカス・リマが振付けた作品です。曲はあのカミーユ・サン=サーンスの『動物の謝肉祭』の曲で、佐藤美和さんのピアノと福井麻衣さんのハープに乗せて観ていただく予定です。
私はそれと、『MASK』(振付:ダグラス・リー、音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ)、『椿姫』(振付:山本康介、音楽:フランツ・リスト)をジョナサン・オロフソンと踊ります。
西野 麻衣子 © victoria-francisca
──とても楽しみです。他にもノルウェーのダンサーの方々がたくさん関わられていますね。
西野:今、ノルウェー国立バレエ団では日本人ダンサーもたくさん活躍していて、槇美晴、氏家伶奈、西村奈恵、それに、若手のノルウェー国立バレエ2に在籍している長岡丈周や田中月乃(2022年のローザンヌ国際バレエコンクール2位、ベスト・スイス賞も受賞。今回の会場がある東大阪市の出身)も出演します。クラシックからコンテンポラリーまで厳選して、プログラムを組んでいますので、楽しみになさってください。
──そう、コロナ禍の前、麻衣子さんが引退を前にされた時期に、日本公演をされると初めて伝えてくださったのは、麻衣子さんが幼い時から教わって来られた橋本幸代先生でした。昨年、秋、橋本先生が亡くなられてしまったのは本当にショックでした。直前までお元気そうに思えていたので......。
西野:実は、今回の東大阪市文化創造館を押さえることも橋本先生がしてくださったんですよ......。(記者会見でも、このお話になると涙ぐんでいた麻衣子さん)
──きっと、当日は天国から戻ってきて観てくださいますよね!
西野:これからは日本に帰って来た時も、西野麻衣子、私自身として活動していかないといけないなと思います。
まずは、今回の舞台、ノルウェーのオーロラをイメージするようなエスプリ溢れるダンサーたちの踊りを満喫していただけますように! 劇場でお待ちしております!
© SWAN SONG
「SWAN SONG 新たな羽ばたき」
〜西野麻衣子(元ノルウェー国立バレエ団プリンシパル)With Friends〜
●2023 年7⽉28 ⽇(⾦) 18 時開演
●会 場:東⼤阪市⽂化創造館 ⼤ホール
プログラム
「Le Cygne(瀕死の⽩⿃)」振付:ルカス・リマ
「MASK」振付:ダグラス・リー
「椿姫」振付:⼭本康介
「Christening Suite」よりパ・ド・ドゥ 振付:クリストファー・ウィルドン
「Concerto Con Brio」振付:ヤニック
「ロミオとジュリエット」よりパ・ド・ドゥ 振付:マイケル・コーダ
「ライモンダ」より 振付:マリウス・プティパ
「ラ・シルフィード」より 振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
「⽩⿃の湖」より 振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ
「Ghost Of A Child」振付:ギャレット・スミス
出演:⻄野⿇⾐⼦(元ノルウェー国⽴バレエ団プリンシパル)、厚地康雄(元英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル)、ルカス・リマ(ノルウェー国⽴バレエ団プリンシパル)、ジョナサン・オロフソン、槇 美晴、⽒家怜奈、⻄村奈恵(ノルウェー国⽴バレエ団) ⻑岡丈周、⽥中⽉乃(ノルウェー国⽴バレエ団2)
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