松岡伶子原振付の『シンデレラ』を松岡璃映、市橋万樹の再振付で──第43回中部バレエフェスティバル

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

日本バレエ協会中部支部

『シンデレラ』松岡伶子:原振付、松岡璃映・市橋万樹:再振付

コロナ禍で延期になっていた日本バレエ協会中部支部の『シンデレラ』全幕公演が実現した。松岡伶子原振付の作品、松岡璃映と市橋万樹が再振付を担い、中部支部の総力を結集。バレエに丁寧に向き合う稲垣宏樹指揮、中部フィルハーモニーの演奏に乗せての上演だった。

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シンデレラ:池下みのり
© Kazuma Sugihara

約2時間と『シンデレラ』全幕としてはコンパクト。1幕、洋服屋さんや帽子屋さんは登場せず、2幕のシンデレラを探して王子が世界を旅する場面は短めに演出。だが、物語はきちんと伝わるし、四季の精の場面など踊りの見せ場もしっかりあり、良い構成だった。
タイトルロール・シンデレラ役は池下みのり。長い手脚を活かしての伸びやかな踊り。特に、舞踏会の場面の喜びを素直に表した踊りに好感が持てた。王子は谷桃子バレエ団の今井智也で、軽さのある踊りが良い。メリハリもあり、自然な演技はさすが。
継母の高宮直秀の迫力、義姉オデットの御沓紗也、義妹アロワサの高橋莉子のバレエテクニックを活かしたコミカルな踊りも良かった。四季の精はそれぞれの踊りを楽しませてくれたし、仙女・鈴木花奈とコール・ド・バレエのシーンは、プロコフィエフの少し不安げな音楽とともに、バレエだからこその美しい世界に私達観客を運んでくれた。
(2023年3月19日 日本特殊陶業市民会館フォレストホール)

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義姉:御沓紗也、義妹:高橋莉子、継母:高宮直秀
© Kazuma Sugihara

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© Kazuma Sugihara

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© Kazuma Sugihara

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シンデレラ:池下みのり、王子:今井智也
© Kazuma Sugihara

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オレンジの踊り:川口穂華、鈴木咲、若林桃子
© Kazuma Sugihara

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シンデレラ:池下みのり、王子:今井智也、仙女:鈴木花奈
© Kazuma Sugihara

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シンデレラ:池下みのり、王子:今井智也、仙女:鈴木花奈 © Kazuma Sugihara

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