ミルウォーキー・バレエ団 II から戻った荻野あゆ子のキトリ、今井大輔のバジルで──法村友井バレエ団『ドン・キホーテ』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

法村友井バレエ団

『ドン・キホーテ』法村圭緒:振付

撮影:尾鼻文雄-D0577.jpg

キトリ:荻野あゆ子  撮影:尾鼻文雄

実力派ダンサー多数のこのバレエ団に、また主役を堂々と担うダンサーが増えたことを実感させた舞台。それは、キトリを踊った荻野あゆ子だ。法村友井バレエ学校で学び、アメリカ、ジョフリー・バレエアカデミー・シカゴの研修生を経てミルウォーキー・バレエ団Ⅱに入団。2021年に帰国して法村友井バレエ団に入団、今回初主役で、高いテクニックに伸びやかな踊りを観せた。特に素晴らしいと思ったのは、気負いがないように見えること。踊りも演技もとても自然で、どう見せるか組み立てたような感じがなく、キトリそのものがそこにいるようだった。

バジル役は、今、観る度に魅力を増すように思える今井大輔。やんちゃな感じも良く、バレエのパも磨きがかかっているように見える。
脇も目を引くダンサーが目白押しで、メルセデスの今井沙耶は華があり艶っぽい上にシャープで目が離せない踊り。演出含めて面白かったのが、酒場の場面。酒場の女主人を法村珠里が存在感たっぷりに。酒場の男・竹中朋宏とのジグでの、上機嫌な酔っ払いダンスもとても楽しかった。井口雅之の知的なドン・キホーテ、味のある演技が良い奥田慎也のサンチョ・パンサ、高テクニックをコミカルな役に活かした池田健人のガマーシュなど適材適所。
速さが心地よい息のあったコール・ド・バレエもさすがだった。
(2023年2月25日 豊中市立文化芸術センター大ホール)

撮影:尾鼻-葵-D0412.jpg

サンチョ・パンサ:奥田慎也
撮影:尾鼻 葵

撮影:尾鼻文雄-D0080.jpg

キトリ:荻野あゆ子、バジル:今井大輔
撮影:尾鼻文雄

撮影:尾鼻文雄-D0155.jpg

ガマーシュ:池田健人
撮影:尾鼻文雄

撮影:尾鼻文雄-D0424.jpg

キトリの友人:春木友里沙、神木遥
撮影:尾鼻文雄

撮影:尾鼻文雄-D0907.jpg

森の女王:椿原せいか
撮影:尾鼻文雄

撮影:尾鼻文雄-D0942.jpg

愛の妖精:佐野光里
撮影:尾鼻文雄

撮影:尾鼻文雄-D1239.jpg

酒場の女主人:法村珠里、酒場の男:竹中朋宏
撮影:尾鼻文雄

撮影:尾鼻文雄-D1598.jpg

キトリ:荻野あゆ子、バジル:今井大輔
撮影:尾鼻文雄

記事の文章および具体的内容を無断で使用することを禁じます。

ページの先頭へ戻る