越智久美子、ワディム・ソロマハ主演により恒例の『くるみ割り人形』をクリスマス・イブに上演、越智インターナショナルバレエ

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

越智インターナショナルバレエ

『くるみ割り人形』スペシャル 越智久美子、ワディム・ソロマハ:主演

越智インターナショナルバレエでは、2021年末はコロナ禍の中、秋に『ロミオとジュリエット』は上演されたものの、毎年恒例のクリスマスの『くるみ割り人形』公演は中止になってしまった。2022年のクリスマス・イブには、久し振りに『くるみ割り人形』公演が実現し、毎年楽しみにされている観客が集った。
このバレエ団は、今、戦禍に苦しむウクライナのキーウから、長年、指導者やダンサーを招いてきたが、『くるみ割り人形』もキーウから招いたワレリー・コフトンが振付けた版を上演してきた。現在もその振付に敬意をはらい、越智久美子がその時々の出演者に応じてアレンジしながら上演している。

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夢のクララ:大下結美花、くるみ割りの王子:ワディム・ソロマハ
撮影:田中 聡(テス大阪)

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金平糖の精:越智久美子、王子:ワディム・ソロマハ
撮影:田中 聡(テス大阪)

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『くるみ割り人形』
金平糖の精:越智久美子、王子:ワディム・ソロマハ
撮影:文元克香(テス大阪)

はじめに、衣裳を着けた主要な出演者が紹介されるところから始まるのも恒例。バレエを初めて観る人にとっては、衣装を観ても何の役か分からないこともあるだろうから、これは優しい工夫。
クララ〜金平糖の精は、3人が踊り分ける形で、パーティのシーンの "少女クララ" は前田素奈。夜の場面で "夢のクララ"の大下結美花になり、2幕の金平糖の精のグラン・パ・ド・ドゥを踊るのは越智久美子だ。

幕開け、前田素奈の子供らしい等身大のクララに加え、少年フリッツの水杉瑚太朗の美しいトゥールが目を惹いた。また、くるみ割り人形も人が演じていて、神谷駿斗が人形ぶりを見せた。
"夢のクララ" の大下結美花は、さすがに、清楚で伸びやかな良い踊り、王子のワディム・ソロマハとともに観客を物語に惹き込んでくれた。
2幕は女神(西本梨乃)と小さな天使たちで可愛らしく幕開け。お菓子の国のディヴェルティスマンが繰り広げられた。それぞれが魅力的な踊りな中、「これから伸びそう!」と印象深かったのがアラビアの踊り(コーヒーの精)を踊った新井日菜。末松大輔をパートナーに、恵まれたスタイルで毅然とした魅力を観せた。
そして越智久美子とソロマハの金平糖のグラン・パ・ド・ドゥ。ソロマハの的確なサポートを得ての、気高い魅力の越智の金平糖。クリスマス・イブらしい華やかさに包まれながら終演となった。
(2022年12月24日 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール)

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少女クララ:前田素奈、くるみ割り人形:神谷駿斗
撮影:田中 聡(テス大阪)

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金平糖の精:越智久美子、王子:ワディム・ソロマハ
撮影:田中 聡(テス大阪)

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『くるみ割り人形』
撮影:田中 聡(テス大阪)

越智インターナショナルバレエ「くるみ割り人形」 撮影:田中-聡(テス大阪)8047.jpg

ドロッセルマイヤー:クズミッチ・アルチョム
撮影:田中 聡(テス大阪)

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『くるみ割り人形』金平糖の精:越智久美子、王子:ワディム・ソロマハ  撮影:田中 聡(テス大阪)

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