『Snow White』を中心に、伸び盛りのグラン・パ・ド・ドゥも──北山大西バレエ団第29回公演

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

北山大西バレエ団

『Snow White』北山大介:編曲・演奏・演出、山田香:演出・振付、山田梨央:振付ほか

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『アレルキナーダ』よりグラン・パ・ド・ドゥ
山田梨央、豊永太優 撮影:スタジオフォーマット

バレエだけでなく、代表の北山大介が指導するボイストレーニングクラスのメンバーによる歌やミュゼ新体操クラブによる演技など、毎回、バラエティ豊かな内容で構成される北山大西バレエ団の舞台。昨年はコロナ禍で中止になったため、2年ぶりの開催だ。
印象に残った演目をいくつか挙げたい。山田梨央と豊永太優が踊った『アレルキナーダ』よりグラン・パ・ド・ドゥは、二人ともがジャンプや回転などのテクニックを達者にこなしながら、チャーミングな演技でも楽しませてくれた。『眠れる森の美女』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥを踊ったのは、大谷美夢羽と沖潮隆之。大谷は「エスメラルダ」よりヴァリエーションも踊っていたが、そちらは表現の強さが前面に出すぎているように思えて、この『眠れる森の美女』のオーロラ姫の丁寧で柔らかい表現の方が好感が持てた。少し気になったのは、この演目で、ホリゾントの色に鮮やかな赤が使われるなどの照明。クラシック・バレエでは、もう少し押さえた色の方がしっくりくるのではないだろうか。

まだ少年ながら、『眠れる森の美女』第3幕より、デジレ王子のヴァリエーションや『ドン・キホーテ』第3幕よりバジルのヴァリエーションを踊った安田鶴洋が眼を引いた。ポジションが美しいだけでなく、イキイキとした踊りで、デジレではマナーの良さも感じさせ、バジルはキリッと踊った。今後の成長が楽しみだ。

そして、『海賊』第2幕よりパ・ド・トロワは、メドーラを山田梨央、コンラッドを沖潮、アリを豊永で。山田の広がりを感じさせる存在感のある踊り、沖潮の優しげで堂々とした風情、豊永の滞空感のあるジャンプなどを楽しんだ。

最後は『Snow White』。編曲・演奏を北山、演出を北山と山田香、振付を山田香と山田梨央が手掛けての、バレエ団オリジナル作品。大谷の白雪姫、豊永の王子、沖潮が女装してのお妃、山田梨央の鏡の女王で、子供たちも楽しめる演目に仕上げていた。
(2022年2月6日 大阪国際交流センター大ホール)

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『眠れる森の美女』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
大谷美夢羽、沖潮隆之
撮影:スタジオフォーマット

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『ドン・キホーテ』第3幕よりバジルのヴァリアシオン
安田鶴洋
撮影:スタジオフォーマット

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ミュゼ新体操クラブ
個人演技(ボール):山谷菜々子
撮影:スタジオフォーマット

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『海賊』第2幕よりパ・ド・トロワ
沖潮隆之、山田梨央、豊永太優
撮影:スタジオフォーマット

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『Snow White』全幕
白雪姫:大谷美夢羽、王子:豊永太優、お妃:沖潮隆之、鏡の女王:山田梨央
撮影:スタジオフォーマット

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