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泉エリザ追悼公演として行われたiSバレエ・フェスティバル──泉ポールの『ジゼル』〜至純の愛〜

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna


iSバレエ・アカデミア、泉・下森バレエ団

『ジゼル』泉ポール:改訂振付

泉ポールと下森瑞が主宰するiSバレエ・アカデミア、泉・下森バレエ団の公演。泉ポールの母であり、下森の師で義母でもある泉エリザが昨年2月に93歳で永眠したことへの追悼公演として行われた。泉エリザは宝塚歌劇団の27期生として活躍(芸名は千里ゆり)後、関西のバレエの初期、1955年に泉バレエ教室を開設、'80年にはバレエ団を設立し、バレエの普及、振興に努めた。
上演された演目は『ジゼル』。"泉ポールの『ジゼル』〜至純の愛〜"と題された、原作を大切にしつつ、2幕のウィリーのコール・ド・バレエはウェディング・ドレスをイメージした衣装で踊られるなどオリジナリティを持って振付されたもの。婚姻の前に死んでしまった乙女たちが、生きている時には身に纏えなかったウェディング・ドレス姿で......というのは、それだけでも胸に迫るものがある。

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ジゼル:白井貴子、アルブレヒト:塚本士朗 撮影:古都栄二(テス大阪)

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ジゼル:白井貴子、アルブレヒト:塚本士朗、ミルタ:大久保彩香 撮影:古都栄二(テス大阪)

ジゼルを踊ったのは白井貴子。1幕では明るく愛らしい魅力を、2幕では、少女の可愛らしさも見せながら、アルブレヒトを守ろうとする意志の強さを自然に表現して好感が持てた。アルブレヒトを踊った塚本士朗は、以前、貞松・浜田バレエ団の公演でもこの役を踊っており、キリッとした貴族らしいたたずまいはさすが。若干、本調子ではないのかと感じる動きもあったが、にじみ出る想いを表現できる良い資質を持ったダンサーだと思う。

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ジゼル:白井貴子、ベルタ:下森瑞、ヒラリオン:川村康二 撮影:古都栄二(テス大阪)

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ミルタ:大久保彩香、ヒラリオン:川村康二 撮影:古都栄二(テス大阪)

また、ヒラリオンは川村康二で、彼がきっと人間的にとても"良い人"だからなのではないかと思うのだが、そんな人の良さがにじみ出た。考えてみれば、ある意味、ヒラリオンは何も悪いことをしていない、ただ、好きな人に振り向いてもらえない存在。それが自然に伝わった気がする。そして圧倒的な存在感を見せたのが、ミルタ役の大久保彩香。彼女は以前、ジゼル役を踊っており、それも良かったのだが、ミルタの方がより似合うと言えるかもと。場を支配する圧倒的な存在感が素晴らしかった。
ペザント・パ・ド・ドゥの岡田和香葉と天上遼太郎は、若さを感じさせる溌剌とした踊り。バチルド姫の大久保春香の慎ましやかな上品さも印象に残った。
(2020年3月26日 尼崎ピッコロシアター・大ホール)

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ペザント・パ・ド・ドゥ 岡田和香葉、天上遼太郎 撮影:古都栄二(テス大阪)

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ジゼル:白井貴子、バチルド姫:大久保春香、ベルタ:下森瑞 撮影:古都栄二(テス大阪)

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ジゼル:白井貴子、アルブレヒト:塚本士朗、ミルタ:大久保彩香
撮影:古都栄二(テス大阪)

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『ジゼル』フィナーレ、泉エリザの遺影とともに 撮影:古都栄二(テス大阪)

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